大阪府警は30日、平成24年までの過去5年間の刑法犯認知件数に、窃盗など計8万1307件を計上していなかったと発表した。統計上の事件数を少なく装うこうした過少報告は、府内65署すべてで行われていた。府警は「あくまで担当者レベルで不適切処理が広まった」として組織ぐるみの不正を否定している。 未計上分を上乗せすると、大阪が全国ワースト1を返上したとされた22~24年の街頭犯罪(自転車盗、ひったくりなど8種類)はいずれも東京都を上回り、ワースト1に転落する。 各都道府県警が公表する刑法犯認知件数は治安の目安となる重要な指標。ここまで大規模な不正処理が明らかになるのは異例だ。 府警は同日、当時の署長や刑事課長ら89人を注意処分とした。懲戒処分はなかった。 府警では昨年6月、堺署で6千件超の過少報告が発覚。その後、別の署でも未計上の疑いが浮上したため、堺署を除く64署で一斉調査を実施し、新たに7万4