辞任の理由が病気であること、低姿勢を心がけた会見であったことなどから、世論はおおむね「労いモード」になった。そこで注目されるのは誰が次の首相になるのか、だ。 安倍首相は、後継に関しては口を出さないとの立場を強調しているが、果たしてそうだろうか。低姿勢の記者会見の裏で、復権に向けた野心も垣間見える。抜き打ち的な辞意表明により、自民党は安倍首相の敷いた路線に従わざるを得ない状態になっている。永田町でまことしやかに喧伝されていた「麻生首相臨時代理」構想は出る幕もなく、安倍首相は後継が決まるまでは職務を続けると断言した。すみやかに総裁選を実施する必要があるため、両院議員総会での総裁選が実施されることも内定した。これは安倍首相の不倶戴天の敵とされる石破茂元幹事長を潰すことに直結する。党員投票が実施されれば、石破氏が有利になるからだ。 現時点では、すべて安倍首相が望むような方向に動いている。 令和の「