第82回:三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実いまから半世紀前、1969年に東京大学駒場キャンパスで行われた有名な討論会をテーマにしている。この討論会は書籍化はされているが、ここまでまとまって映像が作品化されるのは初めてだろう。TBSに秘蔵されていたフィルムということで、歴史的価値は大きい。しかし本作は「過去の遺物を垣間見る」という以上の強烈な面白さをはらんでいる。 とはいえ、この作品を面白く鑑賞するためには、それなりの予備知識が必要だ。まず三島由紀夫。戦後を代表する作家であり、この討論会の翌年に市ヶ谷の自衛隊に突入し、自決して果てたのは誰でも知っている。しかしもうひとつの知識として、三島が日本の戦後社会をどう見ていたのかということを知っておく必要がある。 1969年5月13日、東大駒場キャンパスで行われた三島由紀と東大全共闘の討論会を収めた(C)SHINCHOSHSA 大正生まれで戦
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