日本では、長い年月にわたって人類と共に暮らしてきた馬を、モータリゼーションによって徹底的に暮らしから排除してしまった。欧米先進国では、その数は限られているとはいえ、馬が暮らしと繋がっており、いろいろな場面で目にすることができる。 現代の都市は徹底的に記号化されている。先に人間の頭で記号操作が行われ、それに応じてコンクリートで固められおり、あらゆる場所が綿密に覆われている。それゆえ、我々は記号に取り囲まれて暮らしている。その状況が我々を苦しめており、さまざまな社会的問題の根源になっている。 馬は、私たちのこの問題を照らし出し、その状況を変革する力を持つ動物である。せめて欧米諸国くらいには、馬を生活に取り戻して良いのではなかろうか。その馬の力を活用する社会をもう一度志向してはどうだろうか。 このことを人々に知ってもらうために、私は馬を用いた選挙を構想した。 <馬に頼って社会を立て直そう> 馬は
納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか 私たちはこの達成をすぐに忘れてしまう そもそも国民の権利は、納税の「対価」なのか 近年、納税額の少ない人間を「税金泥棒」と呼ぶ言説が登場し話題になっている。この興味深い言説が登場した経緯を簡単に振り返ってみよう。 金融庁のワーキンググループによる報告書——「平均的な高齢夫婦の場合、毎月およそ5万円の赤字が続き、退職後の30年間でおよそ2000万円の不足が生じる」、「若いうちから積立、分散、長期の投資などを奨励」——を受けて6月4日に麻生太郎財務相が記者に対して、「100まで生きる前提で退職金って計算したことあるか?」と説教を始めた映像に国民の多くが面食らった。 報告書に示される、威圧的な文字列に恐慌を覚えたこともさることながら、なぜこの財務大臣は、「100年安心」という建前を反故にする内容をこうまで偉そうに語ることができるの
現在、知的財産戦略本部の「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」では、今後取りうる海賊版対策について議論を進めている。しかし、これまでの経緯を含めるといささかアリバイ作りの議論に過ぎないようにも感じている。 というのも、政府は4月13日に知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で国内ISPへのサイトブロッキングの事実上の要請を決定した際、「あくまで法整備が行われるまでの臨時的・緊急的な措置であり、民間による自主的な取り組みとして実施する」と整理し、海賊版サイトブロッキングに関する法案を秋の臨時国会に提出する考えを示していた。 要するに、政府としてはこの検討会議にブロッキングを是認してもらいたいのである。ましてや「著作権侵害を理由としたサイトブロッキングは憲法違反なので認められない」などという結論に至られては困ったことになる。「緊急避難」を口実に無理を通したにもかかわらず、「法整備までの緊
アフリカがワールドカップを制した? 前回(「フランスがW杯優勝で得た『勝利以上のもの』とは何か」)取り上げたように、今年のワールドカップ・ロシア大会は優勝国フランスの「共和国万歳!」で幕を閉じた。 翌日(2018年7月16日)には、優勝チーム“Les Bleus(レ・ブルー)”がパリを凱旋し、市内は熱狂の渦に包まれた。大統領官邸であるエリゼ宮でマクロン大統領の歓待も受け、代表チームのメンバーは改めて勝利の美酒に酔いしれた。 そんなレ・ブルーだったのだが、思わぬところから物言いがついた。 ことの発端は、三日後の2018年7月19日の夜のこと。アメリカの人気コメディショーである「デイリーショー」でホストのトレバー・ノアが、フランスの優勝をとりあげながら「アフリカがワールドカップを制した」と伝えたのだ。 理由は明白で、レ・ブルーのメンバーの多くが、アフリカからの移民の選手であったからだ。 試合を
移民政策についての会合でアフリカや中米からの移民について「肥えだめのような国からなぜあんなにやってくるんだ」と発言したとされるトランプ米大統領 Jonathan Ernst-REUTERS <植民地時代に完成した人種差別は、これからは先進国のアキレス腱になリかねない> 米国トランプ政権の内幕を暴露した『炎と怒り』が話題となっているなか、1月12日に米国の複数メディアは、前日の移民に関する議員との会合の席上でトランプ大統領がアフリカ諸国やハイチを指して「なぜ『肥だめの国』(shithole countries)からの移民を受け入れているのか」と発言したと報じました。 報道が確かなら、この発言が極めて差別的であることはいうまでもありません。この発言が報じられるや、国連人権高等弁務官事務所のスポークスマンは「人種差別主義というより他ない」と批判。また、名指しされた中南米やアフリカの各国からも批判
以前読んだことがあったのだが、その時はなんかよくわからないなって感じだった。最近再読する機会があり、読んでみると色々思うところがあった。 とりあえず要約を作ったので以下に載せる。ちなみに読んだのはベンヤミン『ボードレール』(岩波文庫)に収録されている『複製技術時代の芸術』(第二稿)である。カッコ内のページ数は岩波文庫版に対応している。 要約といっても理解できなかった部分は書き落としているし、よくわからなかった部分は「たぶんこういうことが言いたいんだろう」と自分の言葉に置き換えた部分もあるので、そのあたり注意。これを読んで原文に興味が出てもらえればいいなと思う。 I ここで新しく導入される諸概念は、芸術政策における革命的な要請を定式化するための役に立つ。(p62) II 写真はトーキーの可能性を秘めていた。(p64) 1900年を画期として、複製技術は芸術作品の影響力に深刻な変化を生じさせた
――本日は「市民社会」という言葉と概念、あるいは思想についてお聞きしたいと思います。この言葉の原語である〈civil society〉について、まずは教えてください。 英語で〈civil society〉という言葉が初めて使われたのは、日本で言えば安土桃山時代にあたる16世紀末のことでした。『オクスフォード英語辞典』(OED)は、英単語の語源や初出を具体的な文例で示していることで有名ですが、それによると、1594年に出版された英国教会派の神学者リチャード・フッカーの著書『教会統治法』に、この言葉が出てきます。 ところが、『教会統治法』を実際に読んでみると、この言葉が出てくるのは、じつは古代ギリシアの哲学者アリストテレスの『政治学』からの翻訳語としてなのです。その際にフッカーが使用したと思われる『政治学』のテクストは、1438年にフィレンツェの人文学者レオナルド・ブルーニが出版し、その後ヨー
「私たちは、性の自由に不可欠なウザがられる自由を擁護する」 としてこちらに上げた翻訳の問題点を、トラックバックで明快に解説していただきました。。 私の翻訳は、要するに、 Nous pensons que la liberté de dire non a une propositon sexuelle ne va pas sans la liberté d'importuner. この一文を「相手を忖度しない自由が無ければ断る自由なんて無いも同然だよ!」と解釈して突っ走ったことに尽きるので、そこが誤っているとするとほぼ全面的に誤読していたと言うことになります。 やはり問題が多すぎると思いますので、早めに削除させていただきたいと思います。 拙訳について感想、誤りのご指摘および解説を下さった方々にはとても感謝しております。 非常に勉強になりました。ありがとうございました。 (こういっては何ですが
[本稿執筆後、ベーシックインカム懐疑論者に転向した。詳しくは末尾へ] 自由人にとって政府とは一つの道具や手段にほかならず、何か施しをしてくれるやさしい庇護者でもなければ、敬い仕えねばならない主人 でもない。また国家の目標も、一人ひとりの目標の集合体としてしか認めない。 — ミルトン・フリードマン(『資本主義と自由』) 私の政治思想では「セイフティネットや機会の平等を重視するリベラル的な側面」と「市場原理を重視しつつ結果としての経済格差も許容するリバタリアン的な側面」が併存しています。 これは奇妙に見えるかもしれません。というのも、一般的には、リベラリズムとリバタリアニズムは矛盾すると思われているからです。 しかし、リベラリズムとリバタリアニズムそれぞれの弱点を補う形で、「新しい政治思想」に昇華させることができるのだ、というのが私の主張です。それを可能にするカギは、ベーシック・インカム制度で
可能性の説話論/不可能性の説話論 この1年ほど、映画批評の連載でテーマにしてきたことがあります。岩井俊二監督最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』(3月公開)のパンフレットにも詳述しましたが、近年の映画において、「社会はクソである」というモチーフが前面に出てきています。 「政治が悪いからクソだ」とか「社会的に恵まれない人がこんなにいるからクソだ」ということではなく、「そもそも社会はすべてクソなのだ」と。国籍も年代も問わず、映画監督がそのモチーフをどう表現するのか、ということがポイントになっています。 別の言い方をしましょう。映画や小説などの表現には二つの対照的なフレームがあります。第一は、本来は社会も愛も完全であり得るのに、何かが邪魔をしているので不完全になっているとするフレーム。不全をもたらす障害や悪の除去が説話論的な焦点になります。 第二は、本来は社会も愛も不可能なのに、何かが働いて、
WhatsApp、全てのプラットフォームのエンドツーエンド暗号化を完了 | TechCrunch Japan あまり話題になっていないが、これはすごく大きなことだと思う。 end-to-end encryption というのは、それほど目新しいことではないし、メッセージングでこれをサポートしたのも、WhatsAppが最初ではない。技術的に見て画期的なこととは言えない。 しかし、facebook傘下で、10億人のアクティブユーザを抱えるベンダーが、原則として全てのユーザに対してデフォルトでこれをサポートすることの意味は大きい。 今までは、暗号化ソフトは沢山あっても、普通の人はそういうものを使わなかった。わざわざそういう面倒くさいものを使うのは、犯罪者かテロリストだけだ、は言い過ぎだけど、たとえば、普通の捜査で確度の低い情報からある容疑者を探し出したとする。そいつが暗号化ソフトで通信してたら、
1993年3月、ロンドン証券取引所は、ビッグバンを背景に7年にわたって進めてきた、株式取引決済システム「トーラス」開発プロジェクトの中止を発表した。証券取引所はすでにこの事業に8000万ポンドの費用を投じており、人件費を含むシティ(ロンドン金融街)全体の投下コストは、総額5億ポンドに上っていた。証券取引所のP・ローリンズ理事長は、責任をとって辞任する。 「トーラス」は、株式売買のバックオフィス業務である株式決済処理の電子化・効率化を目的とした、英国金融界の共同事業で、中心的な推進役はロンドン証券取引所であった。トーラスは米国のパッケージソフト「ヴィスタ」をベースに開発されることになっており、本来ならば、'91年10月に稼働しているはずだった。それは一度、'92年夏に延期されていた。しかし、中止決定時点では'93年中の稼働すら危ぶまれる状況だった。 ちなみにこのプロジェクトは、ローリンズ理事
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein 川上宗薫であれ村上春樹であれ宇能鴻一郎であれ、ポピュラーな仕事をしている人そのものを悪く言うつもりはない。特に宇能 鴻一郎氏は非常に真摯な学究の徒として尊敬に値すべき人物とおもっている 宇能氏が村上春樹のような質の低い商売人と比較するのは失礼な文学者であることは間違いない。 2014-05-25 20:05:24 兵頭正俊 @hyodo_masatoshi @itokenstein @May_Roma 村上春樹の質の悪さが、日本の若い人にはわかっていないのです。ノーベル賞候補と言うだけで、読んでいないくせに評価する日本人なのです。かれが、ノーベル賞をとるのは、よほど対立候補のいなかった年です。日本の状況を怖れて、米国に逃げた男です。 2014-05-25 20:26:35
リヴァイの記事につけてもらったコメントが長くなってきたので、ここで返信します。 コメント欄は入力しにくいし。 リヴァイがモテモテ この記事のコメントです。 id:yup84 ミカサさんが書いてることに、それほど大きい異論があるわけじゃ無い。 でも、それで終わり? そこで思考停止しちゃっていいのかな? 罪の意識を持たない犯罪者を社会が裁くべきではないというのなら 死刑に限らず刑罰は一切存在すべきではないということになる。 罪の意識や償いの意識は罪を犯した本人が持つべきあって 他の人はそれを知りようもないし、知る必要もないし 社会は基本的に犯罪に干渉すべきではないということになる。 事実上犯罪野放しになるわけだけど、それがミカサさんが正しいと思う選択かな? 仮に死刑がミカサさんの言うとおり罪を償ったことにならないとして、 じゃあ懲役刑は罪を償ったことになるのかな? 殺人が社会とは無関係と書いて
イラン人だけど出来る限りレスする Tweet 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 01:13:49.81 ID:Hp7LBADN0 暇だからいろいろ答える 2: 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:15) :2013/08/28(水) 01:14:07.28 ID:BADWGjxV0 いらん 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 01:15:51.15 ID:Hp7LBADN0 >>2 毎回言われるわ クッソ腹たつは 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 01:14:11.34 ID:7RmoTRZ00 好きな食べ物 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 01:15:51.15 ID:Hp7LBADN0 >>3 カツ
中核派と革マル派 平井修一 小生、弱冠二十歳(はたち)の1971年は過激派・中核派の兵隊として暴れていた。10年間の裁判で懲役6カ月、執行猶予3年をいただいたが、その間の話はさておいて、週刊誌も書かない革マル派の話をつづる。 中核派と革マル派は親戚である。兄弟みたいなものである。「革命的共産主義者同盟・マルクス主義学生同盟」までは同じで、そこから中核派と革マル派に枝分かれする。 兄弟の性格はみごとに違う。小生は横浜市立大学で「現代史研究会」を主宰し、アナーキストからべ平連、共産主義者同盟・情況派、そして中核派、革マル派、社青同解放派までを糾合していた。そう言うとカッコイイが、なに、ただのまったりしたユルフン的なサークルを立ち上げただけである。 で、中核派と革マル派は友だちだったから、小生はどっちへ転んでもよかったのだが、この二派は根本的な違いがある。 小生が反政府運動を志したのは「台湾独
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