不安は人の心身に大きく影響し、人生を変えてしまうほどの力を持つ。不安になったら、われわれはどうすればよいのか。米メリーランド大学医療センターの精神科医・精神分析家が、米紙「ワシントン・ポスト」でわかりやすく解説する。 圧倒されるほど強烈な不安を覚えることもあるだろう。深刻な不安を抱えたある患者は私にこう言った。 「安心に感じるものは何もなく、この世界に大人はひとりも残っていないと感じるのです」 また別の患者は、誰かが自分について批判的なことを言ったと思うと、きまってひどく不安に感じるという。 誰かが自分の精神に「毒を盛った」みたいだとその患者は表現した。その言葉をたびたび反すうして、それ以外のことが何もできなくなったり、考えられなくなったりするからだ。この患者は精神が落ち着くまで、ひとりになって、仕事を休まざるをえなくなった。 こうした特定のことをきっかけに、心配とストレスが次々と押し寄せ