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アンソロジーの検索結果161 - 200 件 / 967件

  • 『スター・ウォーズ:ビジョンズ』とは何だったのか アメリカと日本の文化浸透度の違いから分析

    先日、ディズニープラスが大きく刷新された。僕自身最初は「せいぜい『デッドプール』と『スターシップ・トゥルーパーズ』が追加されたぐらいだろ」と思っていたら知り合いから「イウォークの映画が追加された」と話を聞いて頭はメダパニ状態に。 なにかの間違いじゃないかと思って久しぶりにログインしたら、本当に追加されているじゃないか! さらには『イウォーク・アドベンチャー 勇気のキャラバン』と『エンドア 魔空の妖精』、そしてボバ・フェットとダース・ベイダーの信頼関係を裏付けする『ウーキー物語』まで。ジョージ・ルーカスの黒歴史が根こそぎ掘り起こされている。 あとは悪名高き「ホリデー・スペシャル」の全編と「ドロイドの大冒険」を追加してくれればなんの文句もない。なんだ、やればできるじゃないかディズニープラス! そんな頑張っている中に先月公開された『スター・ウォーズ:ビジョンズ』というものがあったわけだけど、僕個

      『スター・ウォーズ:ビジョンズ』とは何だったのか アメリカと日本の文化浸透度の違いから分析
    • 盗作?プロの変名?ネットを騒がせた”ソ連百合”こと『月と怪物』作者の実像

      2019年1月、『コミック百合姫』(一迅社刊。以下『百合姫』)とpixivが主催する“百合文芸コンテスト”に応募された一つの作品が、“事件”を起こしました。 「ナムボク」と名乗る謎の人物によって投稿されたその作品のタイトルは、『月と怪物』。旧ソ連の超能力研究を題材にした同作は、ソリッドな文体や、殺伐とした展開が際立つ異色作でした。 発表されるや、その独自性、クォリティの高さから、ネット上では「この作者は何者だ?」「プロ作家の変名では?」と話題になり、一時は「謎のソ連百合」というワードが日本のTwitterでトレンド入りするなどの騒動に発展。 さらには、早川書房が刊行する百合SFアンソロジー『アステリズムに花束を』(ハヤカワ文庫JA)に収録されるなど、異例の展開を巻き起こしました。 今回、『月と怪物』の作者である「ナムボク」こと南木義隆さんにインタビュー。その謎めいた実像に迫ります。また『ア

        盗作?プロの変名?ネットを騒がせた”ソ連百合”こと『月と怪物』作者の実像
      • 池澤春菜の初小説! 話題のSF映画『オービタル・クリスマス』(堺三保初監督作)小説版を先行公開。聖夜を祝う全ての人に、ささやかな奇跡を。|Web河出

        先行公開 SF 文庫 - 日本文学 池澤春菜の初小説! 話題のSF映画『オービタル・クリスマス』(堺三保初監督作)小説版を先行公開。聖夜を祝う全ての人に、ささやかな奇跡を。 池澤春菜(原作:堺三保) 2020.12.22 聖夜を祝う全ての人に…… 近未来のクリスマスの夜、 宇宙ステーションV3より 優しい奇跡が放たれる。 2018年、映画制作支援クラウドファンディング史上最高の応援金額(ドキュメンタリー/アニメーションを除く)を集めて話題となった短編映画『オービタル・クリスマス』。 製作・監督・脚本は、SF評論家・脚本家・翻訳家の堺三保。ロセンゼルスにてハリウッドのスタッフ・俳優で撮影された本作が、映画公開に先駆けてノベライゼーションとして登場! この堺三保第1回監督作品の小説化を手がけるは、これが初小説となる、声優・エッセイストの池澤春菜。 大森望責任編集によるSFアンソロジー『NOVA

          池澤春菜の初小説! 話題のSF映画『オービタル・クリスマス』(堺三保初監督作)小説版を先行公開。聖夜を祝う全ての人に、ささやかな奇跡を。|Web河出
        • ノエル・キャロル『芸術哲学』:目次とリーディングリスト - obakeweb

          Carroll, Noel (1999). Philosophy of Art: A Contemporary Introduction. Routledge. 最近読んだ、ノエル・キャロル[Noël Carroll]による分析美学の教科書『Philosophy of Art: A Contemporary Introduction』(1999)が、入門としてかなりよさげだったので、紹介記事を書いておこう。 ロバート・ステッカー[Robert Stecker]の『Aesthetics and the Philosophy of Art: An Introduction』(『分析美学入門』)が2010年(初版は2005年)なので、本書は一昔前の教科書になる。ステッカーが幅広いトピックを扱っているのに対し、キャロルが扱うのは基本的に「芸術の定義」だけだ。環境美学、フィクション論、芸術の存在論、

            ノエル・キャロル『芸術哲学』:目次とリーディングリスト - obakeweb
          • 受け継がれていくSF――『2010年代海外SF傑作選』まもなく発売!(選者・橋本輝幸)|Hayakawa Books & Magazines(β)

            2010年代に発表された海外SF短篇を選りすぐった日本オリジナル・アンソロジー『2010年代海外SF傑作選』発売(12/17・木)までもう少し! 『2000年代海外SF傑作選』同様、本作の編者を務めた橋本輝幸氏による、収録作品見どころガイドを掲載いたします! 『2010年代海外SF傑作選』まもなく発売! 橋本 輝幸(SF書評家) 2020年12月17日発売予定のアンソロジー『2010年代海外SF傑作選』の内容をちらりとお見せします。90年代にデビューしたピーター・ワッツ、チャイナ・ミエヴィル、テッド・チャンを除けば、おおむね1970年代後半から1980年代前半に生まれた、私にとっては同世代の作家が収録されています。 1. 「火炎病」ピーター・トライアス/中原尚哉訳★初訳 2. 「乾坤と亜力」郝 景芳/立原透耶訳★初訳 3. 「ロボットとカラスがイーストセントルイスを救った話」アナリー・ニュ

              受け継がれていくSF――『2010年代海外SF傑作選』まもなく発売!(選者・橋本輝幸)|Hayakawa Books & Magazines(β)
            • SFの歴史を継いでいくこと。ベストSF第1位記念・伴名練インタビュー|Hayakawa Books & Magazines(β)

              2月発売の『SFが読みたい!』に掲載された、伴名練氏へのインタビューをWEB公開します。『なめらかな世界と、その敵』が国内篇ベスト1位を獲得したベストSFランキングの詳細はこちらをご覧ください。 ■伴名練、この10年 ──ベストSF2019[国内篇]の第1位、おめでとうございます。 伴名 ありがとうございます。『なめらかな世界と、その敵』はどの短篇も自分一人で書いたというイメージが薄くて、SFの歴史に力を借り、多くの書き手・読み手の方々が作ってきた流れのうえに乗せたと思っている作品ばかりです。そんな本で1位をとれたことを非常に嬉しく思いますし、投票してくださった方々に心から感謝を申し上げたいです。最初の本が出版されてからこの本が出るまでの9年間に、筆を折りかけることが何度もありましたが、書き続けた結果こういった栄誉に預かることができて、報われたという思いで一杯です。 ──デビュー作『少女禁

                SFの歴史を継いでいくこと。ベストSF第1位記念・伴名練インタビュー|Hayakawa Books & Magazines(β)
              • ゼロ年代の海外SFの様相がわかる、危なげなく傑作揃いのアンソロジー──『2000年代海外SF傑作選』 - 基本読書

                2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:エレン クレイジャズ,ハンヌ ライアニエミ,ダリル グレゴリイ,劉 慈欣,コリイ ドクトロウ,チャールズ ストロス,N・K ジェミシン,グレッグ イーガン,アレステア レナルズ発売日: 2020/11/19メディア: 文庫この『2000年代海外SF傑作選』は、文字通り2000年代に発表された海外SFの中から傑作を一冊にまとめたアンソロジーである。2000年? 今は2020年ですけど? と思うかもしれないが、海外SF傑作選は実は18年前の山岸真篇『90年代SF傑作選』以来で、00年代には出ていなかったのだ。それを橋本輝幸が引き継ぎ、『2010年代海外SF傑作選』とセットで(後者は来月)刊行されることになったのである。 これまで刊行されてきた80年代、90年代海外SF傑作選はどちらも上・下巻だったのだが、今回は単巻。そのため、収録短篇数的

                  ゼロ年代の海外SFの様相がわかる、危なげなく傑作揃いのアンソロジー──『2000年代海外SF傑作選』 - 基本読書
                • 哲学者は認知科学の論文を読むか?|描写の哲学の場合 - obakeweb

                  描写の哲学はかなり学際的な分野だ。異なるバックグラウンドを持つ研究者たちが、画像という同一の主題を、さまざまなアプローチで扱っている。 2021年6月26日㈯に、松永さん(@zmzizm)主催の「描写の哲学研究会」があり、今年度は「描写の哲学と認知科学」がテーマになっている。もう事前申し込みは締め切っているので宣伝としてはいまさらなのだが、会に先立ちこの話題に関して自分が気になっている点を整理しておきたい。 まずはHPに挙げられている「想定される論点」を引用しよう。 描写の哲学の議論は、心理学や神経科学といった認知科学からどう見えているのか。 哲学者は経験的な研究ぬきに特定の前提を置きがちだが、それは適切なのか。 認知科学者と哲学者の関心の違いは(もしあるとすれば)どこにあるのか 描写の哲学で共有されている諸概念は、認知科学にとって何らかの意義を持つのか。 (2021年度 描写の哲学研究会

                    哲学者は認知科学の論文を読むか?|描写の哲学の場合 - obakeweb
                  • 「ゴミを床に捨てる習慣が治らねぇ!」悪癖をゴリ押しライフハックで解決した漫画が最高。→「マチスだ」「ゴミ箱買いに行こう」

                    銀河セレモニー☆☆☆ @Ce_Lemony 漫画を描くとともに、冷凍マンモスの人工保育など、その活動は多岐にわたる。豆腐メンタル。pixivコミック月例賞優秀賞23-1/ウマ娘アンソロジーコミックstar8発売中 pixiv.net/users/89779846

                      「ゴミを床に捨てる習慣が治らねぇ!」悪癖をゴリ押しライフハックで解決した漫画が最高。→「マチスだ」「ゴミ箱買いに行こう」
                    • 同人アンソロジーを企画したいあなたへ|翔夜/エス

                      企画書というくらいしっかりしていなくていいんですが、まずは必要事項を決めましょう。参考までに、前回のアンソロジーの際に作成した企画書のpdfを掲載しておきます。 最初に決めなければいけないことは、たった3つ。アンソロジーのテーマと、発行スケジュールと、執筆者の募集方法です。 1-1. アンソロジーのテーマ当然ながら、これがなければ始まりません。カップリング限定のアンソロジーから、シチュエーション(性癖)限定のアンソロジーまで、様々なバリエーションがあります。好きに決めてください。 あなたの望んだ通りのアンソロジーがこの世に誕生するのです。 1-2. 発行スケジュール(1)発行予定日を決めよう スケジュールの中でも、「いつ発行するか」ということが一番重要です。他のスケジュールはそれから逆算して立てていきます。 個人的には、企画立ち上げから発行まで半年程度用意しておくと、主催者も執筆者も余裕が

                        同人アンソロジーを企画したいあなたへ|翔夜/エス
                      • 書いたな、俺の前で、ニッチ同人合同誌の話を!

                        https://note.com/loseheroine_wsd/n/n2b8cdb169664 まとめ上記筆者は(少なくとも調査③においては)実物での確認を行ってないよカタログスペック語りも楽しいけど是非実物も手に取ってみてほしいな古参ジャンルには、「広告概念合同」、「メディアミックスアンソロジー」、「映画ポスターパロディ合同」のように他メディアをテーマにした合同誌や、「プレ遣合同」(小さな漁港にあるプレハブが拠点の艦娘たちを示す「プレハブ分遣隊」という共通概念がどうやらあるらしい。何?)、「艦娘化合同」、「終末物語合同」(ネット上で調べた限り初出はC92らしいが、カタログ上には掲載されている)、「ミステリ合同」といった特定の世界観・ジャンルを共有する合同誌が存在するが、新参ジャンルには存在しない。新参ジャンルの合同誌は、こう言ってよければテーマが常識的だ。 さらに注目したいのが、性癖合

                          書いたな、俺の前で、ニッチ同人合同誌の話を!
                        • 現代ならではの形でAI・ロボットの反乱を描き出す、AI反乱SF傑作選──『ロボット・アップライジング』 - 基本読書

                          ロボット・アップライジング AIロボット反乱SF傑作選 (創元SF文庫) 作者:スコット・シグラー,チャールズ・ユウ,ヒュー・ハウイー,アーネスト・クライン,コリイ・ドクトロウ,ジュリアナ・バゴット,アレステア・レナルズ,イアン・マクドナルド,ロビン・ワッサーマン,ジョン・マッカーシー,ショーニン・マグワイア,ンネディ・オコラフォー,ダニエル・H・ウィルソン東京創元社Amazon東京創元社はこれまで「ゲーム」とか「銀河連邦」とか「巨大宇宙」とかこの手のテーマ・SFアンソロジーを多数翻訳・刊行してきたが、本作『ロボット・アップライジング』はAIはAIでも「反乱」にテーマを据えたSF傑作選である。『ウール』などで知られるベストセラー作家のヒュー・ハウイー、『レディ・プレイヤー1』の原作を書いたアーネスト・クラインなど錚々たる作家陣13人が短編を寄稿している。 正直、AI・ロボットテーマの中でも

                            現代ならではの形でAI・ロボットの反乱を描き出す、AI反乱SF傑作選──『ロボット・アップライジング』 - 基本読書
                          • 奇跡じみた打率の傑作アンソロジー――『夜の姉妹団 とびきりの現代英米小説14篇』 - 機械仕掛けの鯨が

                            夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 作者:ミルハウザー,スティーヴン,ヨッセル,ミハイル,ダイベック,スチュアート,ブラウン,レベッカ 朝日新聞社 Amazon 奇跡じみた打率の一冊である。副題に添えられた「とびきりの現代英米小説」という惹句に偽りはない。雑誌『エスクァイア 日本版』に毎号一本ずつ訳出されたこれらの短編は、「とにかく自分で読んで面白かった作品を毎月訳していった」「……ゲラを読む段階にいたるまで、何から何までひたすら楽しかった」と訳者あとがきにあるように、柴田氏のよりすぐりのセレクト+柴田氏のノリにノッた翻訳の合わせ技が全編に渡って光っている。 夏の夜、毎晩若い娘たちが親の目を盗んで——あるいは平然と——森に出ていき、夜な夜な集いを開いている。何をしているのかは分からない。猟奇的な営みをしていると噂する者もいれば、いや何もしていないのだ、と主張する者もいる。日に日によそ

                              奇跡じみた打率の傑作アンソロジー――『夜の姉妹団 とびきりの現代英米小説14篇』 - 機械仕掛けの鯨が
                            • 現代ロシア作家に広がる「プーチン支持」 ドストエフスキー、トルストイの“文学大国”はどこへ | 週刊エコノミスト Online

                              「対独戦勝記念日」に参加するロシアの軍人 Bloomberg 《ロシアの現代作家の間でプーチン支持が広がっている。スターリン礼賛や領土拡張の訴えなど、愛国主義的あるいは帝国主義的な主張が共感を呼び、人気作品を生んでいる》 ロシアの歴史の中で文学はつねに単なる文学以上のものであり、作家は社会の批判者として道徳的な役割を演じてきた。社会主義サークルに属していたドストエフスキーは逮捕されて一度は死刑になりかけ、後にシベリアに流刑された。非暴力や反戦主義を唱えたトルストイは専制や教会を鋭く糾弾し、皇帝をもしのぐほどの世界的権威となった。ソ連時代には国家のイデオロギーによって創作の自由が厳しく制限され、数多くの作家が弾圧の犠牲となった。収容所の過酷な実態を暴いてノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィンはアメリカに亡命し、海の向こうから国家という巨大な存在と文字通りペン一本で闘った。 プーチン政権で

                                現代ロシア作家に広がる「プーチン支持」 ドストエフスキー、トルストイの“文学大国”はどこへ | 週刊エコノミスト Online
                              • 日本でほぼ未紹介の作家を集めた極上の中国・アメリカSFアンソロジー!──『中国・アメリカ 謎SF』 - 基本読書

                                中国・アメリカ 謎SF 発売日: 2021/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この『中国・アメリカ 謎SF』は書名からして謎だが、柴田元幸と小島敬太の編訳者二人が、日本でほとんど翻訳されていない作家の作品をそれぞれアメリカと中国から持ちよったSFアンソロジーである。謎SFとついているので変な作品ばかり集まっているのだろうな、と質にはまるで期待しないで読み始めたのだけれども、意外や意外、質がすげえ高いじゃん! 確かに謎の作品ではあるんだけれども、同時に素晴らしいSFばかりであり、純粋にSFの短篇集としておすすめできるアンソロジーだ。 二人ともSFであること以外にテーマを決めて選んだわけではないようだが(たとえば謎の作品を集めようとしたわけではない)、通して読むとアメリカと中国における未来観が浮かび上がっているような部分もあり、単純に「中国とアメリカらから未邦訳作家を集めました」では

                                  日本でほぼ未紹介の作家を集めた極上の中国・アメリカSFアンソロジー!──『中国・アメリカ 謎SF』 - 基本読書
                                • “SF思考”のビジネス活用広がる 事例が続々 22年の「SFプロトタイピング」まとめと展望

                                  “SF思考”のビジネス活用広がる 事例が続々 22年の「SFプロトタイピング」まとめと展望:「SFプロトタイピング」で“未来のイノベーション”を起こせ!(1/2 ページ) こんにちは。SFプロトタイパーの大橋博之です。 この連載では、僕が取り組んでいる「SFプロトタイピング」について語ります。SFプロトタイピングとは、 “SF思考”で考えた未来を基にSF小説などを創作して、最終的に企業のビジネスに活用したり、未来から逆算して現在すべきことを考えたりするメソッドです。 2022年3月に連載をスタートしてから、多くの記事を掲載してきました。SFタイピングの基礎知識に始まり、SF作家の樋口恭介氏や松崎有理氏へのインタビュー、企業や官庁の活用事例に至るまで広く紹介してきました。 そこで今回は、日本におけるSFプロトタイピングの活用を振り返りながら、2023年以降の展望を考えたいと思います。 こんな

                                    “SF思考”のビジネス活用広がる 事例が続々 22年の「SFプロトタイピング」まとめと展望
                                  • 神字書きをブロックした

                                    まずはじめに、私はあるジャンルで二次創作をしているオタクである。名前はほぼ無い。 タイトルからわかる通り、私のジャンルには神字書きがいた。(ここではAとしておこう) 彼女はアニメが放送されていた時から活動をしており、Twitterアカウントには質の高い考察や解釈があった。そんなAが生み出す小説は一文字一文字がきらきらと輝いていて、まるでダイヤモンドダストのように綺麗だったことを覚えている。 Twitterではしばらく私の片思い状態、いわゆる相手方からフォローはされていなかったのだが、そんなある日私はAにフォロバされた。神のように尊敬するAに認知されたのだ。その時の私は純粋に嬉しかった。 その時はちょうど某通話アプリのサービスが始まったこともあり、タイムライン上ではフレ募集のツイートが溢れかえっていた。そのアプリは友達登録の画面に相互を自動的に表示するので元々誰かと交流するのも好きだった私は

                                      神字書きをブロックした
                                    • 伴名練『なめらかな世界と、その敵』 最高の読み手による最強のSF短編集

                                      こうも傑作といって差し支えない作品が集まっていると、端的に怖いな、と思ってしまう。発行から2週間がたち、瞬く間に5刷を重ねた『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)。2010年の『少女禁区』以来約10年ぶりとなる伴名練の著作であり、初のSF短編集である。 『なめらかな世界と、その敵』 まず強く思うのは、本書にキャッチコピーとして添えられた“SFへの限りない憧憬”という言葉についてだ。このフレーズは今この現在、まさにこの一冊のために存在しているといって差し支えないだろう。過去幾多の作家たちが記し、書き伝えてきた物語たちが、2019年のこの時にまで生き続けてきたことの証明として、本書はあるといっていい。 それは本書の収録作が、中井紀夫「暴走バス」広瀬正「化石の街」のような国産古典SF小説、翻訳クラシック、電撃文庫から出版された古橋秀之の「むかし、爆弾がおちてきて」(『ある日、爆弾がおちてきて』

                                        伴名練『なめらかな世界と、その敵』 最高の読み手による最強のSF短編集
                                      • 【2019】表紙に「眼鏡」が描いてあるライトノベル - 盛者必衰ライトノベル

                                        眼鏡おめでとー。 2018年にひきつづき、メガネの日なので、表紙に「眼鏡」が描いてあるライトノベルをまとめました。 昨年の記事もあわせてご覧ください。 表紙に「眼鏡」が描いてあるライトノベル 2018 もくじ もくじ 概要とまとめ 最高に可愛い眼鏡表紙ラノベ11選 ヒロインとヒーローが両方眼鏡 「眼鏡の女性」表紙リスト 「眼鏡の男性」表紙リスト 「眼鏡はずし」と「置き眼鏡」表紙リスト 最後に おまけ 概要とまとめ 2018年10月01日から2019年9月30日までに発売されたライトノベル、ライト文芸、TL小説、全3067冊くらいが対象です。 すべて目視で確認しました。 結果は以下のとおりです。 2019冊数 眼鏡の女性74 眼鏡の男性124 置き眼鏡1 持ち眼鏡7 眼鏡の合計203 ノー眼鏡2864 計3067 比較用 2018冊数 眼鏡の女性67 眼鏡の男性116 置き眼鏡4 眼鏡の動物

                                          【2019】表紙に「眼鏡」が描いてあるライトノベル - 盛者必衰ライトノベル
                                        • 津田彷徨×蝉川夏哉×カルロ・ゼン、現役医師作家が満を持して描く“医療×異世界”「高度に発達した医学は魔法と区別がつかない」を徹底分析 - コミックナタリー 特集・インタビュー

                                          「高度に発達した医学は魔法と区別がつかない」とは? モーニング・ツー(講談社)で連載中の同作は、異世界に転移した医師・天海を主人公にした異世界ファンタジー。常に他人のためにばかり働いてきた天海は、大学病院から離島の無医村にある西和島診療所に異動することに。同期の医者や病院のスタッフに惜しまれながらも離島にやってきた天海だったが、到着した直後、突如謎の山奥に転移していて……。獣人たちが住まうその世界で、天海は現代医療の知識を武器に人々を救っていく。 好きなジャンルで医療ものを書きたい ──現在、モーニング・ツーで連載されている「高度に発達した医学は魔法と区別がつかない」ですが、そもそもどういった経緯から連載が始まったのですか? 津田彷徨 講談社の小説現代の編集さんである河北(壮平)さんからご連絡をいただいたことがきっかけです。それまで医療ものは書かないと決めていたんですが、ちょうど新型コロナ

                                            津田彷徨×蝉川夏哉×カルロ・ゼン、現役医師作家が満を持して描く“医療×異世界”「高度に発達した医学は魔法と区別がつかない」を徹底分析 - コミックナタリー 特集・インタビュー
                                          • 過熱する中国の出版界、冷淡な日本の出版界――中国出版界が日本文学に注ぐ熱い視線(後編) | HON.jp News Blog

                                            《この記事は約 6 分で読めます(1分で600字計算)》 中国における日本文学の翻訳事情について、北京大学・馬場公彦氏によるレポート後編をお届けします。前編はこちら。 日本側出超、中国側入超の不均衡 日本文学の翻訳上の諸課題 中国図書市場での日本文学の人気が過熱気味に高まっていることは喜ばしい。だがそれゆえの悩ましい問題も顕在化している。田雁さんの研究書と尹朝霞さんの論文の指摘をまとめよう。 第1に重複出版の増加。とりわけ版権許諾料の発生しないPD作家の作品は、各社がこぞって出版している。尹さんの挙げた例によると、芥川の『羅生門』は訳者と出版社を換えて21点の版本が出ている。話題沸騰中の太宰『人間失格』は22点出ている。翻訳者同士が力量を競いあうことで訳文の質が向上し、読者が訳文の個性を吟味するという愉しみもあろうが、ここまで重複が激しくなると、あとは出版社同士が価格・装丁・付録などでの差

                                              過熱する中国の出版界、冷淡な日本の出版界――中国出版界が日本文学に注ぐ熱い視線(後編) | HON.jp News Blog
                                            • 新型コロナ後の世界はどうなるのか? 数年後から数千年後まで、様々な形で描き出すSFアンソロジー──『ポストコロナのSF』 - 基本読書

                                              ポストコロナのSF (ハヤカワ文庫 JA ニ 3-6) 発売日: 2021/04/14メディア: 文庫この『ポストコロナのSF』は、日本SF作家クラブ編集による、アフターコロナの世界を想像するSFアンソロジー。書き手には、『ゲームの王国』で注目を浴びた小川哲、芥川賞を受賞したばかりの高山羽根子、近現代ものを現実の科学と絡めて書かせたらハズレなしの長谷敏司、藤井太洋、柞刈湯葉、感染症が作中の根幹に据えられた大河シリーズ『天冥の標』の小川一水など、19名の多様多彩なメンバーが揃っている。 アフターコロナの世界を想像するSFアンソロジーとはいうものの、それは「未来予測をすること」とイコールではない。SFにおける基本的な目的は人を楽しませることにあり、未来予測は、それを達成するための手段の一つにすぎないからだ。たとえば、ありえそうもないディストピアを描き出すことで警告としたり、現代の我々が到達でき

                                                新型コロナ後の世界はどうなるのか? 数年後から数千年後まで、様々な形で描き出すSFアンソロジー──『ポストコロナのSF』 - 基本読書
                                              • 未来の社会に労働用ロボットが横溢した社会から人間とAIの融合を扱った作品まで、多様な可能性を見出すAI・ロボットSF傑作選──『創られた心』 - 基本読書

                                                創られた心 AIロボットSF傑作選 (創元SF文庫) 作者:ヴィナ・ジエミン・プラサド,ピーター・ワッツ,サード・Z・フセイン,ダリル・グレゴリイ,トチ・オニェブチ,ケン・リュウ,サラ・ピンスカー,ピーター・F・ハミルトン,ジョン・チュー,アレステア・レナルズ,リッチ・ラーソン,アナリー・ニューイッツ,イアン・R・マクラウド,ソフィア・サマター,スザンヌ・パーマー,ブルック・ボーランダー東京創元社Amazon はじめに 作品をざっと紹介する。労働者として働くロボットを描く作品 反逆を描く作品 AIを描く作品 おわりに はじめに 東京創元社はここ最近、ゲームSF傑作選『スタートボタンを押してください』、銀河連邦SF傑作選『不死身の戦艦』、パワードスーツSF傑作選『この地獄の片隅に』といったワンテーマ・アンソロジーを文庫で多数翻訳・刊行してきているが、そうした流れに新しく連なるのがAIロボット

                                                  未来の社会に労働用ロボットが横溢した社会から人間とAIの融合を扱った作品まで、多様な可能性を見出すAI・ロボットSF傑作選──『創られた心』 - 基本読書
                                                • 【期間限定全文公開】斜線堂有紀「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」|Web河出

                                                  「百合」をテーマに、深緑野分さん、宮木あや子さんら8名による名篇を収めたアンソロジー、『百合小説コレクション wiz』(河出文庫)。配本から1週間で重版となり、第二弾の制作も決定するなど、おかげさまで好評を博しています。 そんな本書より、信条の違いからすれ違う同性カップルの物語、斜線堂有紀「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」を全文公開いたします。 (2023年5月2日追記:公開期間は、2023年5月8日18時までとさせていただきます。) =====全文公開はこちら===== 百合小説コレクション wiz 「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」 斜線堂有紀 選挙に絶対行きたくない。選挙、最近周りでは盛り上がりを見せていて、行かないなんて言った日には火炙ひあぶりにされそうな感じだから、当然行きますよって顔してS​N​Sにもそう書くんだけど、普通にダ

                                                    【期間限定全文公開】斜線堂有紀「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」|Web河出
                                                  • [インタビュー]にゃるら氏に「NEEDY GIRL OVERDOSE」100万本突破を記念して聞く,これまでのニディガと,これからの美少女ゲーム

                                                    [インタビュー]にゃるら氏に「NEEDY GIRL OVERDOSE」100万本突破を記念して聞く,これまでのニディガと,これからの美少女ゲーム 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男 厳粛かつ優れた哲学的作品は, 完全に冗談のみからなるものであるかもしれぬ (A serious and good philosophical work could be written consisting entirely of jokes) アメリカの哲学者であるノーマン・マルコムは,交友のあったオーストリア出身の哲学者,ルートヴィヒ・ヨーゼフ・ヨーハン・ウィトゲンシュタインがこのように述べたと,回想録に記している。 2022年1月21日にSteam版がワイソーシリアスから発売された「NEEDY GIRL OVERDOSE」(PC / Mac / Nintendo Switch。以下,ニディガ)は,「顔が良い

                                                      [インタビュー]にゃるら氏に「NEEDY GIRL OVERDOSE」100万本突破を記念して聞く,これまでのニディガと,これからの美少女ゲーム
                                                    • 同人小説がなんと宝塚で舞台化! ジョージアに魅了されたクリエイターによる壮麗な歴史劇『斜陽の国のルスダン』がミュージカルになるまで | fumufumu news -フムフムニュース-

                                                      「ジョージア」という東ヨーロッパの国をご存じだろうか。黒海の東岸にある、人口約370万人のこの国の歴史を描いた小説が今、宝塚歌劇でドラマチックなミュージカルになって話題を集めている。原作の小説は7年前に同人誌として誕生したもの。それがNHKのオーディオドラマ(ラジオドラマ)になり、ジョージアの人々の協力をもとに華やかな舞台にまでなった。中世ジョージアの歴史・文化が、7000キロ離れた日本で注目を浴びるまでのいきさつをたどった。 占い師のひと言がジョージアへの興味に 2022年11月22日に兵庫・宝塚大劇場で開幕した星組公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~/JAGUAR BEAT―ジャガービート』。昨年12月13日まで宝塚大劇場、年が明けて2023年1月2日から2月12日まで東京宝塚劇場で上演されている。 ミュージカル『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』は、並木陽さんの小説『斜陽の国のルス

                                                        同人小説がなんと宝塚で舞台化! ジョージアに魅了されたクリエイターによる壮麗な歴史劇『斜陽の国のルスダン』がミュージカルになるまで | fumufumu news -フムフムニュース-
                                                      • 『アニマル・スタディーズ 29の基本概念』の翻訳問題

                                                        先ごろ、平凡社からローリー・グルーエンの編著『アニマル・スタディーズ 29の基本概念』が出版された。海外に比べて非常に遅まきではあったが、ようやく日本でも動物倫理や動物研究の関連書が増えてきたため、そろそろこの分野の基本用語を整理・解説した事典的なものが出版されたらよい時期でもあった。そんな矢先に本訳書(以下、本書)が登場した。私もこの原書を数年前に入手して以来、折に触れ参照している。寄稿者の顔ぶれもよく、論考の内容も(やや不満なものはあるが)総じて水準が高く、日本で知られていない文献も多数紹介されているので、邦訳されるにふさわしい一冊であったことは間違いない。また、このように複数の執筆者が手掛けた大部の論集ないしアンソロジーは、在野の人間である私の力では翻訳をしようにも出版企画を通すのが難しいので(それができるなら翻訳したい文献はいくらでもある)、その意味からしても本書が邦訳されたことに

                                                          『アニマル・スタディーズ 29の基本概念』の翻訳問題
                                                        • 『三体』の劉慈欣も「近未来SFの頂点」と激賞! 陳楸帆『荒潮』、ついに日本上陸!|Hayakawa Books & Magazines(β)

                                                          あの『三体』著者、劉慈欣が「これは近未来SFの頂点だ」と激賞。早川書房が『三体』に続いて自信を持っておおくりする中国SF、陳楸帆(チェン・チウファン)『荒潮』をご紹介します! 『荒潮』(画像・書名をクリックorタップでAmazonに飛びます) 陳楸帆(チェン・チウファン)/中原尚哉=訳 カバーイラスト:みっちぇ(亡霊工房)/カバーデザイン:川名潤 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 本作『荒潮』[荒潮、2013](Waste Tide, 2019)は陳楸帆(チェン・チウファン、英名スタンリー・チェン)によって書かれました。 陳楸帆は1981年、広東省汕頭市生まれ。中国では80年代生まれを総称して「80后」と呼んでいますが、その代表的なSF作家として知られています。北京大学を卒業後、百度(バイドゥ、中国最大の検索エンジン運営企業)やGoogleに勤務します。そのかたわら、《科幻世界》《時尚先生》(

                                                            『三体』の劉慈欣も「近未来SFの頂点」と激賞! 陳楸帆『荒潮』、ついに日本上陸!|Hayakawa Books & Magazines(β)
                                                          • ビートルズ最後の新曲「Now And Then」はどのように現代に復活したか。公式ドキュメンタリーで分かったAIの貢献(CloseBox) | テクノエッジ TechnoEdge

                                                            バンドとしてレコードデビューを果たしたのが1962年。解散を発表したのが1970年。その間にポピュラーミュージックを決定的に変えたロックグループ、ザ・ビートルズ。彼らの音楽が解散して半世紀以上経つのにいまだに世の中に受け入れられ、聴かれている理由は何か、と問われれば、音楽自体の素晴らしさもありますが、「その時代の最先端の技術を以て作り直しているから」だと考えます。 そんなビートルズの「新曲」の制作ドキュメンタリーが11月2日早朝に公開されました。4分8秒のフル楽曲は午後11時に聞けるようになっています。ここでは、その制作過程でどんなことが行われていたのかをまとめてみようと思います。 ビートルズはレコーディング技術の最先端を行っていました。潤沢な資金と、ツアーをやめたことによる時間、レコーディング知識に長けたプロデューサー(ジョージ・マーティン)、ビートル達が要求するサウンドを新しいアイデア

                                                              ビートルズ最後の新曲「Now And Then」はどのように現代に復活したか。公式ドキュメンタリーで分かったAIの貢献(CloseBox) | テクノエッジ TechnoEdge
                                                            • 40年間の日本ゲーム批評と中国・韓国の最新ゲーム研究を集大成した書籍『日中韓のゲーム文化論』が興味深い。東アジアのゲーム文化を下支えしている、レベルの高い「知のバックボーン」の存在を実感する内容

                                                              日本のゲーム批評を集成した「ゲーム批評アンソロジー」でもある一冊新曜社から刊行された『日中韓のゲーム文化論』は、副題に〈東アジア・ゲーム批評〉とあるように、日本、中国、韓国の研究者によるゲーム批評18本を収録した論文集だ。 本書のタイトルを目にした際に、「日中韓」という括りにまず目が向くのは当然だろう。だが本書はそれだけでなく、1980年代から現在(2020年代)までの日本のゲーム批評を集成した「ゲーム批評アンソロジー」である点も大きな特徴だ。この2つの特徴は、本書の成り立ちが深く関係している。 まえがきによると、本書は中国で2020年に出版された日本のゲーム批評アンソロジー『探寻游戏王国里的宝藏──日本游戏批评文』を基盤として、そこに韓国と中国の最新ゲーム研究論文を追加したものだという。具体的には、本書第1部の日本パートに10本、第II部の中国パートに5本、第III部の韓国パートに3本の

                                                                40年間の日本ゲーム批評と中国・韓国の最新ゲーム研究を集大成した書籍『日中韓のゲーム文化論』が興味深い。東アジアのゲーム文化を下支えしている、レベルの高い「知のバックボーン」の存在を実感する内容
                                                              • [読書]スタニスワフ・レムによる『ストーカー』(ストルガツキー兄弟) 論 - ゴールデンレトリバー撫でたい

                                                                (※諸事情で再公開です) 裏世界ピクニックのアニメやってますね。僕はまだ観てないけど元ネタのストルガツキー兄弟の『ストーカー』は読んだ。 ストーカー (ハヤカワ文庫SF) 作者:アルカジイ ストルガツキイ,ボリス ストルガツキイ 発売日: 2018/01/31 メディア: Kindle版 ストーカーについても特に書きたいこともないけど、そういえばこれはスタニスワフ・レム大先生が短い評論を書いてたのを思い出した。レムについては一度書いときたかったのでちょうどいいかな。 これに収録されています。 高い城・文学エッセイ (スタニスワフ・レム コレクション) 作者:スタニスワフ レム 発売日: 2004/12/01 メディア: 単行本 1. 僕がレムを初めて知ったのは哲学関係の本で、フッサールの現象学における意識の考え方について書かれていた部分で『ソラリス』が引かれていたことがきっかけだった。実際

                                                                  [読書]スタニスワフ・レムによる『ストーカー』(ストルガツキー兄弟) 論 - ゴールデンレトリバー撫でたい
                                                                • 「教養」とは何か

                                                                  ■教養を身に付けられる本を教えて欲しい。 anond:20220720124155 この問いに答えるには先に「『教養』とは何か」ということをクリアにしないといけないと思うが、これを抽象的に論じ始めると喧々諤々の議論となって、増田の「本を教えて」という望みにたどり着かない。 (ブクマやトラバがもうそんな状態になりつつある) しかし、日本の「教養人」と言われる人/自称している人たちの中で「教養」の範囲は割と共通していて、だいたい以下のラインナップに自分の専門や好みを付け加えたものになるのではないかと思う。 ほぼ全員が「教養」と認めるであろう分野(1) キリスト教 これはもう間違いない。およそ西洋で発展した学問は深掘りすればすぐにキリスト教にぶち当たる。 ただ日本でキリスト教について知識を身に付けようとしてもなかなか良い本が無いのが現状。(その辺で売ってる入門書は表面をなぞってるものばっかりなの

                                                                    「教養」とは何か
                                                                  • 宇宙を支配する帝国の宮邸で繰り広げられる陰謀劇、ポリティカル・サスペンスが堪能できるSF長篇──『帝国という名の記憶』 - 基本読書

                                                                    帝国という名の記憶 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:アーカディ マーティーン早川書房Amazonこの『帝国という名の記憶』は、アーカディ・マーティーンの長篇デビュー作。デビュー作にも関わらずヒューゴー賞を受賞、その他のSF賞にもバンバンノミネートされた注目の作品だが、その中心的なテーマ・題材になっているのは、宇宙をまたにかける銀河帝国と、その宮廷で繰り広げられる陰謀劇──ポリティカル・サスペンスだ。 舞台になっているのは遠い未来。宇宙は帝国とそれ以外、世界と世界でないものに分かれると言われるほどの巨大帝国テイクスカラアンが主な舞台になっている。銀河帝国、あるいは銀河連邦物といえばSFでもその性質上けっこうな大作が並び、つい先日は銀河連邦・帝国物のみを集めたアンソロジー『銀河連邦SF傑作選 不死身の戦艦』までも邦訳刊行されたぐらいの一大トピックスである。 そうはいっても、銀河帝国があるとはい

                                                                      宇宙を支配する帝国の宮邸で繰り広げられる陰謀劇、ポリティカル・サスペンスが堪能できるSF長篇──『帝国という名の記憶』 - 基本読書
                                                                    • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                                                                      2024年2月29日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,036点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

                                                                        ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
                                                                      • パワードスーツ、強化アーマー、遠隔操縦人型兵器の短編を集めた垂涎のSFアンソロジー!──『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』 - 基本読書

                                                                        この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選 (創元SF文庫) 作者:J・J・アダムズ発売日: 2021/03/11メディア: Kindle版この『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』は、その名の通りパワードスーツ物を集めた特殊テーマ・アンソロジー。パワードスーツ物とはなにかといえば、『宇宙の戦士』を筆頭に、人間が着込むことによって超人的な力を発揮するもの、というあたりになるだろう。現実にもすでに多数存在する他にも、人型のロボットを遠隔操縦するのもこれに近いジャンルとなり、SFではよく見かけるガジェットだ。 原書刊行は2012年で、23編ある中から訳者の中原尚哉氏によって12編が選ばれている。だいぶ減っているが、一編約30ページ、総計で400ページ近くあって、ボリューミー。パワードスーツ・アンソロジーと聞いてすぐにおもしろそうだな、と思った一方で、そんなにパワードスーツでネタがあるの

                                                                          パワードスーツ、強化アーマー、遠隔操縦人型兵器の短編を集めた垂涎のSFアンソロジー!──『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』 - 基本読書
                                                                        • 思考や人間関係も整理する森博嗣『アンチ整理術』から現代の諸問題を整理するハラリの『21 Lessons』などを紹介(本の雑誌2020年2月号掲載) - 基本読書

                                                                          まえがき 本の雑誌2020年2月号に掲載された新刊めったくたガイドの僕が書いたノンフィクションガイドをここに転載します。連載2回目。1回目は楽勝だったんですけど2回目は「え、もう次の締切なんですか!?」と焦っていた記憶がある。そのせいもあってか文章は今読み返したらぐだぐだで、転載にあたってけっこう書き直してしまった。 『21 Lessons』とかテーマが21ある本なんで紹介しづらいのもあるけど。この6冊の中でとりわけオススメなのはリサ・フェルドマン・バレットの『情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』ですね。これは面白い。 ここから原稿(けっこう書き直してます) 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ発売日: 2019/11/19メディア: Kindle版『サピエンス全史』で過去を、『ホモ・デウス』で未来を対象にして人類

                                                                            思考や人間関係も整理する森博嗣『アンチ整理術』から現代の諸問題を整理するハラリの『21 Lessons』などを紹介(本の雑誌2020年2月号掲載) - 基本読書
                                                                          • イラストレーター焦茶さん、2020年6月に逝去 YOASOBI・Ayaseの楽曲イラストなどで活躍

                                                                            新進気鋭のイラストレーターの焦茶さんが2020年6月末に不慮の事故で逝去していたことを、2021年1月15日に関係者が焦茶さんのTwitterで公表しました。 亡くなった焦茶さんの作品(画像は焦茶 Instagramから) 関係者は書面で「昨年6月に仕事場にて不慮の事故により亡くなりました。警察にもご確認頂きましたが事件性はありません」と報告。焦茶さんがお気に入りだったという那須高原のコテージで家族と1週間過ごした翌日の出来事だったそうで、「息子を亡くした私共の悲しみは今も癒えておりません」と悲痛な思いをつづっています。なお、葬儀は近親者のみで執り行われたことのことです。 1995年生まれの焦茶さんは、これまでバーチャルタレント・樋口楓さんのイベントビジュアルや、『Fate/Grand Order 電撃コミックアンソロジー11』(電撃コミックスNEXT)の表紙、小説装画『重力アルケミック』

                                                                              イラストレーター焦茶さん、2020年6月に逝去 YOASOBI・Ayaseの楽曲イラストなどで活躍
                                                                            • やべっ電子なのに同じ本2回買っちゃった 同じ出版社が同じ電書を新刊扱いで..

                                                                              やべっ電子なのに同じ本2回買っちゃった 同じ出版社が同じ電書を新刊扱いで2回発売するのおかしいだろ …と思ったけどよく中身比べてみると 2021年版の電書「パルフェ2 おねロリ百合アンソロジー」には 2018年版の同書に載っている長代ルージュ先生の「でしいり!」8ページが含まれていないことが判明しました 何らかの契約トラブルかな?

                                                                                やべっ電子なのに同じ本2回買っちゃった 同じ出版社が同じ電書を新刊扱いで..
                                                                              • 『ゲーム小説』の一読者視点からのアレコレ【前編・80~90年代コンピュータRPGの時代】 |たいむましん

                                                                                『ゲーム小説』の一読者視点からのアレコレ【前編・80~90年代コンピュータRPGの時代】 公開日:2021年4月30日センセイ (べ・一文字) 読者の皆様は「ゲーム小説」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? ここで元祖はどうとか本家はどうとかいう話を始めると様々な異論反論が入り乱れてかつライトノベルの定義がどうこうとか余計な方向からの流れ弾も飛んできて宗教戦争かくやと言うペンペン草も生えない焦土状態になる事は火を見るより明らかと思いますので、あくまで個人的な体験・経験則を元に語る「ゲーム小説の蘊蓄」が今回の題材と言う事でお願いします。かつ、文中敬称略です。 まぁそう言った前置きと言うか逃げを打った上でも、現在まで続くライトノベル史の起点とも言うべきタイトルとして『ロードス島戦記』(著・水野良/角川書店(現KADOKAWA))を外す事は出来ないと思います。 元々は『コンプティーク』誌に連載さ

                                                                                  『ゲーム小説』の一読者視点からのアレコレ【前編・80~90年代コンピュータRPGの時代】 |たいむましん
                                                                                • SFマンガ傑作選 - 福井健太 編|東京創元社

                                                                                  SF > コミック SF > アンソロジー コミック・ビジュアル > コミック 創元SF文庫 判型:文庫判 ページ数:620ページ 初版:2021年11月30日 ISBN:978-4-488-78901-5 Cコード:C0193 文庫コード:SF-ん-6-1 装幀:岩郷重力+W.I 手塚治虫、松本零士、筒井康隆、萩尾望都、石ノ森章太郎、諸星大二郎、竹宮惠子、山田ミネコ、横山光輝、佐藤史生、佐々木淳子、高橋葉介、水樹和佳子、星野之宣……SFマンガの黄金期ともいうべき1970年代の作品を中心に綺羅星のごとき14編を収めた、ベスト・オブ・ベストの傑作マンガ・アンソロジー! 編者による各作品解説と、30ページを超す巻末のSFマンガ史概説も充実。編者=福井健太 手塚治虫「アトムの最後」 松本零士「ヤマビコ13号」 筒井康隆「急流」 萩尾望都「あそび玉」 石ノ森章太郎「胎児の世紀」 諸星大二郎「生物都

                                                                                    SFマンガ傑作選 - 福井健太 編|東京創元社