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ボルヘスの検索結果1 - 40 件 / 135件

  • この本がスゴい!2022: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    「いつか読もう」はいつまでも読まない。 「あとで読む」は後で読まない。 積読をこじらせ、「積読も読書のうち」と開き直るのも虚しい。人生は有限であり、本が読める時間は、残りの人生よりもっと少ない。「いつか」「そのうち」と言ってるうちに人生が暮れる。 だから「いま」読む。 10分でいい、1ページだっていい。できないなら、「そういう出会いだった」というだけだ。「いま」読まないなら、「いつか」「そのうち」もない。 本に限らず情報が多すぎるとか、まとまった時間が取れないとか、疲れて集中できないとごまかすのは止めろ。新刊を「新しい」というだけの理由で読むな。積読は悪ではないが、自分への嘘であることを自覚せよ。「いま」読むためにどうしたらいいか考えろ。「本」にこだわらず読まずに済む方法(レジュメ、論文、Audible)を探せ。難解&長大なら分割してルーティン化しろ。こちとら遊びで読書してるんだから、仕事

      この本がスゴい!2022: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    • この本がスゴい!2021

      「後で読む」は、あとで読まない。 「後で読む」は、あとで読まない。 「試験が終わったら」「今度の連休に」「年末年始は」と言い訳して、結局読まなかった。「定年になったら読書三昧」も嘘になるだろう。そもそも、コロナ禍で増えた一人の時間、読書に充てたか?(反語) だから「いま」読む。 たとえ一頁でも一行でも、目の前の一冊に向き合う。いま元気でも、一週間後には、読めなくなるかもしれないから。 今年は、死を意識した一年でもあった。「やりたいこと」を先延ばしにしてるうちに、感染して望みが断たれる可能性が爆上がりした。 時の経つのは早い。人生が長いほど、一年は短くなる。体感時間は加速する一方、人生の可処分時間は、短くなる。 だから「いま」読む。 積読を自嘲したりマウント取るのもヤメだ。いま読まない理由を並べ立てて開き直る不毛も捨てよう。そして、ずっと取っておいた、とっておきの本を、いま読む。 そんなつも

        この本がスゴい!2021
      • この本がスゴい!2023

        「あとで読む」と思った本が、後で読まれた試しがない。 今度の週末・連休にと、積まれた本は崩されない。次の盆休み・年末年始に繰り越され、山脈を成し床が消える。 読書を食事になぞらえて、「血肉化」と表現するならば、私がやっていることは、メニューを眺めて片っ端から注文しているくせに、いんすた映えを気にしながら撮るくせに、まともに咀嚼して嚥下して消化してない状態だ。 そのくせ、「積読も読書のうち」と開き直ったり、溜まった本こそ私の証などと屁理屈こね回す。読まない本に「負債」のような後ろめたさを感じつつ、新刊本を探しだす。新しい本はそれだけで価値があると盲信し、かくして積読リストは延びてゆく。 もう一つ、恐ろしい予感がある。感受性の劣化だ。 あれほど楽しみに「取っておいた」本が、まるで面白くなくなっている。いや、その本の「面白さ」が何であるかは理解できる。だが、それを面白いと感じなくなっているのだ。

          この本がスゴい!2023
        • この本がスゴい!2019

          人生は短く、読む本は多い。 毎年この時期、自分のリストを振り返るのだが、読みたい本が尽きることはない。読むほどに、知るほどに、知識と理解と表現の不足を痛感する。 それでも読むし、ここに書く。読むことで豊かになり、書くことで確かになるというのは本当で、読んでいるときに何を知りどう考えていたかは、書くことでハッキリする。 つまり、自分で分かるために書いているのだ。フランシス・ベーコンは、話すことで機敏になるとも言ったが、わたしの場合、話すことで世界が変わった。[スゴ本オフ]や読書会、[冬木さんとのSF対談]や、読書猿さんとの知をめぐる対談[1][2][3]で、世界の見え方が変わった。 読書会や対談は今後もしていくが、そこで紹介された本や、2019年に出会った本の中から、わたしにとってのベストを選んだ。これが、あなたにとってのスゴ本となれば嬉しい。そして、このリストを目にしたあなたが、「それがス

            この本がスゴい!2019
          • 無限に広がる建造物が出てくる話が読みたい

            バベルの図書館アルゼンチンの有名作家ボルヘスさんの短編。 この世に存在しうる全ての本が収められた、無限(?)に広がる図書館の世界が舞台。舞台つっても特になにが起きるわけでもなく、基本的に世界観の説明に終始する。たしか本棚がある六角形の部屋が無限に連なってるんだけど、その間に食事や排泄のための小さなスペースがある的な描写があり結構心をくすぐられた。 四畳半神話大系アニメ化もされた森見登美彦さんの作品。 主人公の大学生が暮らす四畳半の部屋が無限に連なる四畳半宇宙、みたいなものが出てくる。それぞれの部屋はひとつのパラレルワールドに対応していて、置いてあるものなんかがちょっとずつ違っている。迷い込んだ主人公が出られなくなって長い時間を過ごすことになり、多くの部屋に共通して置いてある土産物のカステラを主食としてなんとか食い繋ぐという展開がかなりグッときた。 横浜駅SFネット発のSF。 AI?ナノマシ

              無限に広がる建造物が出てくる話が読みたい
            • 「仲間になるか迫られてBANが怖いから断ったら猫にされてそれから人間に戻れなくなった」まで2000年以上かかってしまった話

              俺の思い出で、高校数学で組み合わせを学んだとき「やべえ!」と思ったことがあって、俳句のことなんだけど、あんなもん5・7・5の合計17文字しかないんだから、やべえ、俳句、そろそろ文字使い切っちゃうよ!と思ったことがあった。 冷静になって考えてみれば、ひらがな46文字の17乗(だよな…?)だから、ものすごい数になるわけで心配は要らなかったのだが、あのときは勝手に俳句の行く末を案じてマジで驚愕した。 なんにせよ、文字数が有限ならその組み合わせも有限なので、その後、ボルヘスの『バベルの図書館』を読んだときも(クソバカでかい架空の図書館が登場する幻想小説で、有限のページ数におけるあらゆる文字列の組み合わせからなる全てのパターンの本がそこに収められている、という設定)、そうか、言葉の組み合わせってのは有限なんだ…と不思議な感じがした。 話は飛んで、先日のこと。 「GTAオンラインの現状がやばすぎて草」

                「仲間になるか迫られてBANが怖いから断ったら猫にされてそれから人間に戻れなくなった」まで2000年以上かかってしまった話
              • 俺に影響を与えた作品など100個挙げるから

                ついでに俺の好きそうな作品を教えてくれると助かる。 ・漫画 「BLAME!」弐瓶勉 「なるたる」鬼頭莫宏 「ドロヘドロ」林田球 「レベルE」冨樫義博 「スティール・ボール・ラン」荒木飛呂彦 「「おもいでエマノン」鶴田謙二 「大正野郎」山田芳裕 「フリージア」松本次郎 「ニッケルオデオン」道満晴明 「うずまき」伊藤潤二 「夢幻紳士」高橋葉介 ・ゲーム ゼノギアス 俺の屍を越えてゆけ ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター 真・女神転生Ⅲ マニアクス ドラッグオンドラグーン(無印) 高機動幻想ガンパレード・マーチ ダークソウル(無印) ゆめにっき SILENT HILL 2 シルバー事件 ・アニメ serial experiments lain GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air/まごころを、君に もののけ姫 劇場版 魔法少女まど

                  俺に影響を与えた作品など100個挙げるから
                • 【2021年まとめ】海外文学の新刊を読みまくったので、一言感想を書いた - ボヘミアの海岸線

                  2021年は、海外文学の新刊を読みまくった。 『本の雑誌』の新刊ガイド連載「新刊めったくたガイド」の海外文学担当になったからだ。 「新刊めったくたガイド」は、ジャンルごとにわかれて、毎月4冊以上の新刊を紹介する連載だ。日本文学、海外文学、SF、ミステリ、ノンフィクションと、ジャンルごとに担当者が書いている。 本の雑誌463号2022年1月号 本の雑誌社 Amazon これだけ新刊まみれになるのは人生はじめての経験だったので、記憶が飛ばないうちに、読んだ海外文学の感想を書いておくことにした。 ここで言う「新刊」の定義は以下のとおり(『本の雑誌』ルール)。 ・2021年に発売した、海外文学の翻訳 ・新訳、復刊は対象外 目次 ■2021年のアイ・ラブ・ベスト本 【アメリカ】ローレン・グロフ『丸い地球のどこかの曲がり角で』 【アメリカ】 ジェニー・ザン『サワー・ハート』 【ポルトガル】 ゴンサロ・

                    【2021年まとめ】海外文学の新刊を読みまくったので、一言感想を書いた - ボヘミアの海岸線
                  • 世界文学を100ヶ国分読んでみた【全100冊紹介】 - ゴミ本なんてない

                    元々読書好きを自称してはいたものの、なんだかんだいって結局読んでいるのは欧米や日本人作家の作品ばかり…。そんな折にこの、世界各国の代表的な小説を一年で196冊読んだ方の記事が目に飛び込んできて、早速自分もやってみようと決意したのが2016年初頭。それからちょこちょこ特定の国の本を探しては、読み進める事丸三年!ようやく100冊読み終える事ができました。まさかここまで時間がかかるとは思っていなかったものの、海外文学の造詣を深めるとびきり良い機会になりました。ひとところに居ながらにして、ここまで自分の世界が拡がるとは思わなかったなぁ。 読んだ世界の小説100冊 今回の試みでは、各国に所縁のある作家の作品を読み、あらすじと感想を地域順に並べています。そのため、舞台が必ずしもその国に設定されているとは限りません(例えば、ポーランド出身の記者が描いたアフリカのルポ作品は「ポーランド」に分類)。この方が

                      世界文学を100ヶ国分読んでみた【全100冊紹介】 - ゴミ本なんてない
                    • エロ本の活字ページは全部創作だったという話

                      例えば、書評のページ。全部架空の本でね。実在しない本の紹介っていうのは、すごく最初からあったアイディアで、いまだにやりたい気が残ってる。 やってる時は知らなかったけど、スタニスワフ・レムとか、ボルヘスがやってるでしょ。そういう細かいアイディアはたくさんあって、架空のヒット・チャートとかさ。 そういう前から持ってたアイディアをどんどん入れてやったわけ。基本的に嘘のつけるメディアだということもどんどん利用した。 ちょっとなんていうのかな、儲かってる業界ってさ、自由がきくでしょう。何やっても文句言われないんだよね。それで図に乗って毎月出しまくった。結局『Jam』は十何冊か出たね。上いくとあんまり嘘つけないでしょ。 — 高杉弾『週刊本38 霊的衝動 100万人のポルノ』(朝日出版社)第1章「印刷ポルノの黄金時代」の中「『Jam』をつくっていた頃の話」 高杉弾 @takasugidan_bot X-

                        エロ本の活字ページは全部創作だったという話
                      • 【連載#1】サイエンス・フィクションのなかの言語実験たち(鯨井久志) 第1回 ハーラン・エリスン |作品社

                        まえがき 「……敢えて言うなら、医学と同様、翻訳もまた芸術なのだ。ただし、それは科学に基づいた芸術である。……」――ジョルジュ・ムーナン『翻訳の理論』 翻訳。すなわち、ある言語で表された物事を、また別の言語に置き換える行いは、本質的に困難を孕んでいる。これは、シニフィエあるいはシニフィアンといった大層な言語学用語を持ち出さずとも、感覚として了解できることであろう……鳩を撃つのに大砲は不要なのだ。現実にあるもの――それはカギカッコ付きの「現実」であって、たとえそれが実在であろうが非実在であろうが構わないのだが――つまり、脳が処理したイメージを、さらに言語という記号で表してみせる一連の動作によって、われわれは会話をし、文章を紡ぐ。それが塊になると、戯曲になったり小説になったり、あるいは詩歌になったりする。発信者が抱くもやもやとした概念、情景、人物、何だってよいが、それをそのままの形で受信者に伝

                          【連載#1】サイエンス・フィクションのなかの言語実験たち(鯨井久志) 第1回 ハーラン・エリスン |作品社
                        • Wikipediaに「架空のロシアの歴史」を10年にわたり1人の女性が書き込み続けていたことが判明、「小説家になるべき」との声も

                          「調べ物をする際にはインターネット百科事典のWikipediaを見る」という人も多いはずですが、Wikipediaの記事作成・編集はボランティアによって支えられているため、時には誤解やデマが混入することがあります。2022年6月には、中国語版Wikipediaに数百万語に及ぶ「架空のロシアの歴史」が含まれており、これらの記事がたった1人の女性によって記されていたことが判明しました。 She Spent a Decade Writing Fake Russian History. Wikipedia Just Noticed. https://www.sixthtone.com/news/1010653/she-spent-a-decade-writing-fake-russian-history.-wikipedia-just-noticed.- A woman wrote fake Ru

                            Wikipediaに「架空のロシアの歴史」を10年にわたり1人の女性が書き込み続けていたことが判明、「小説家になるべき」との声も
                          • 「たぶんもう再会できない」誰の文章かわからなくなってしまった小説の一文をポスト→リプライで見事判明「AIは役に立たないが、ネットは役に立つ」

                            米澤穂信 @honobu_yonezawa 小説を書いています。実のある話はしないことにしています。未発表の刊行予定に関するご質問にはお答え出来ません。 pandreamium.sblo.jp 米澤穂信 @honobu_yonezawa 昨日、「アレクサンドリアの図書館は定期的に焼かれねばならない」という趣旨の文章を読んで、へえと思ったけれど、付箋を貼らなかったので誰の文章かわからなくなってしまった。私は知っている、たぶんもう再会できない。 米澤穂信 @honobu_yonezawa たぶんもう再会できないものたち 1)汽車のコンパートメントで同席した老婦人に、夫がいかに駄目な人間かを語る妻が出てくるロシアの短篇 2)鉄牛と名乗る僧(実は塙団右衛門)がごろつきを斬って村を救う話 3)「アレクサンドリアは定期的に焼かれねばならない」という一文が出てくる小説(NEW!)

                              「たぶんもう再会できない」誰の文章かわからなくなってしまった小説の一文をポスト→リプライで見事判明「AIは役に立たないが、ネットは役に立つ」
                            • 足を舐める悪魔?1921年のイランの写本に描かれた奇妙な怪物たち

                              アルゼンチンの伝奇作家ホルヘ・ルイス・ボルヘス。彼が自分の迷宮世界と結びつけたその人生は、ある種、図書館員のような人生だ。そこに並べられた小説は、彼が自分の文章を通して織り込んだ隠れた学術的参考文献ともいえる。 ボルヘスは、こうした文献的傾向をノンフィクション『幻獣辞典』に気まぐれに持ち込んだ。この本は、世界中に伝わる昔の民話や神話、悪魔学の話から、異質なクリーチャーたちを一挙にまとめたものだ。 古代に登場したキマイラ(怪物)の魅力 これら昔話がどのようにしてただの想像の域から、遥か遠方へと発展していったのかについて、ときにボルヘス自身が述べることもあった。 例えば、ギリシャ神話のキマイラ(怪物)を作り出した”突拍子もない想像力”は、滑稽な姿の生き物が人々の間に浸透し始めた証拠で、突拍子もないその姿が、現代のわたしたちが事典の中で見るキマイラの定義になっていると。 この画像を大きなサイズで

                                足を舐める悪魔?1921年のイランの写本に描かれた奇妙な怪物たち
                              • 必読書コピペにマジレスしてみる・海外文学編(2)

                                (1)はこちら。anond:20210212080317 キャロル『不思議の国のアリス』好き。ただし、当時の人にしかわからないパロディやジョークが多く、というかこの本を通じてしか残っていないのもあるので、純粋に笑えるかどうかはわからない。とはいえ、わからないなりにナンセンスさは楽しく(「ぽっぺん先生」シリーズにも引き継がれている)、トーベ・ヤンソンなどいろいろな人の挿絵も楽しめるし、こじらせ文学少年・文学少女とも仲良くなれるかもしれない。大学時代の読書サークルは楽しかったなあ。 ドストエフスキー『悪霊』ドストエフスキーの小説は基本的に頭がおかしい。ドストエフスキー自身がギャンブル依存症でユダヤ人嫌いのヤバいやつだし。 登場人物は基本的に自己主張が激しくて感情に溺れやすく、数段落数ページにまたがって独白する。プライドが無駄に高くて空想癖がひどく、思い込みが激しくて人の話を聞いちゃおらず、愛さ

                                  必読書コピペにマジレスしてみる・海外文学編(2)
                                • 2021年上半期でよかった新刊マンガ10選+α - 名馬であれば馬のうち

                                  アジで勢いつけて真夜中に一気に書き上げないとブログやれなくなった。 レギュレーション 十選 切畑水葉『阪急タイムマシン』(BRIDGE COMICS)(単巻完結) 伊奈子『泥濘の食卓』(バンチコミックス)(連載) 幾花にいろ『あんじゅう』(楽園コミックス)(連載) ナガノ『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』(モーニングコミックス)(連載) 熊倉献『ブランクスペース』(ヒーローズコミックス)(連載) 町田とし子『交換漫画日記』(マガジンポケットコミックス)(連載・2巻完結) 双見酔『ダンジョンの中の人』(webアクションコミックス)(連載) 安田佳澄『フールナイト』(ビックコミックス)(連載) 岩田ユキ『ピーチクアワビ』(アクションコミックス)(連載) 北村薫・原作、タナカミホ・画『空飛ぶ馬』(トーチコミックス)(単巻完結) 他よかったもので今思い出せるもの。 おまけ:五巻以内で終わった

                                    2021年上半期でよかった新刊マンガ10選+α - 名馬であれば馬のうち
                                  • 文字と声と亡霊たちの天国――『ディスコ・エリジウム ザ・ファイナル・カット』について - 名馬であれば馬のうち

                                    「けど、”ディスコ”・エリジウムでしょ……。おかしくないかしら? ディスコは過去のもの、忘れられたものでしょう?」 「過去は未来だが、未来は死んでいる!」 ――『ディスコ・エリジウム』 『ベイビー、あんたが探してんのは結局あんた自身なのよ』 ――舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』(新潮文庫) Disco Elysium の感想を書くなんてことは不可能だ。なぜなら、それは概観して全貌を捉えようにも分裂しすぎていて、要素へ分解しようにも継ぎ目がなさすぎる。*1そもそも世界の感触をことばで伝えるなんて人間の技量を超えているのでは? なので、ここに書かれているのはプレイ中に発された声の残響だ。あなたのために用意された25番目のスキル。それがわたし。 知覚(聴覚)[中:成功] 遠くでラジオが聴こえる。世界のラジオが。音が流れてくる。おはよう、エリジウム。もうすぐ世界に戻る時間だ。 大脳辺縁系*2と古代

                                    • 読書系サークル新入生に薦める、君の脳を破壊するかもしれないホラー10選 - 村 村

                                      四月中には書いて投稿しよう思っていたら、五月も終わろうとしていた…… あまたの若者が大学の門をくぐり、どのサークルに入ろうかと新歓イベントに参加する時期である。このGWにどのサークルに入るをじっくり考えて決断した人もいるだろう。もしかしたら読書系サークルに入った(入ろうとしている)人もいるかもしれない。そうした新入生が有意義な読書生活を送るために、私が厳選したホラーを10作品をご紹介したい。それも読むだけで脳になんらかのダメージを与えるような本をすすめたい。なぜかと言えば、読書系サークルで生き残るためには脳を鍛える必要があるからだ。骨折した骨は、治る過程でより強くなると聞いたことはないだろうか。脳も同じである。君も脳を積極的に破壊して、最強の読書系サークル新入生になろう。 【選定基準】 ●「怖さ」や「残酷さ」よりも、読むことで脳に強い衝撃を与える作品であるかどうかを基準とする。 ●手に入り

                                        読書系サークル新入生に薦める、君の脳を破壊するかもしれないホラー10選 - 村 村
                                      • 天才は天才をどう見ていたのか? 『百年の孤独』の作者ガルシア=マルケスを安部公房が語る 「一世紀に一人、二人というレベルの作家」 | エッセイ・コラム | Book Bang -ブックバン-

                                        「文庫化されると世界が滅びる」と噂され、発売後も話題騒然の『百年の孤独』。作者は魔術的リアリズムの旗手として数々の作家に多大な影響を与えたガルシア=マルケスだ。 そのマルケスと『百年の孤独』について、日本のみならず海外でも高く評価される作家・安部公房が語った貴重な談話がある。1982年、ノーベル文学賞を受賞したマルケスを、日本文学史に輝く天才作家は、どうみていたのか? 安部公房生誕100年を記念して、新潮社から8月28日に刊行される『死に急ぐ鯨たち・もぐら日記』に収録されたその談話「地球儀に住むガルシア・マルケス」を全文公開する。 *** マルケスについて、すでにノーベル賞を受けてしまった今となっては、あらためて僕がなにか言う必要もないような気もするけど。これまでたまっていた言いたいことを一応棚ざらいするくらいのつもりで……。ところで、どういうふうに話をもっていったらいいのかな。皆さんがマ

                                          天才は天才をどう見ていたのか? 『百年の孤独』の作者ガルシア=マルケスを安部公房が語る 「一世紀に一人、二人というレベルの作家」 | エッセイ・コラム | Book Bang -ブックバン-
                                        • 自家中毒に陥る生成AI(八田真行) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                          生成AIとメディア企業の連携ChatGPT等で知られるOpenAIが、世界最大の掲示板サイトであるRedditとの連携を発表した(gihyo.jpの記事)。アナウンスには「OpenAIはRedditのデータAPIにアクセスし、Redditからリアルタイムで構造化されたユニークなコンテンツを獲得します」とあるので、Redditへの投稿を大々的に学習対象とするということのようである。 生成AIの性能改善で鍵となるのは学習データだが、最近ではトレーニングに使えるデータが枯渇しつつある。人間にとってはウィキペディアやワールド・ワイド・ウェブはとうてい汲み尽くせない広大な知の海だが、それでもAIは学び尽くしてしまったのだ。そこで目が向くのが有料コンテンツだが、OpenAIはニューヨーク・タイムズ等にコンテンツの無断使用で訴えられており、そうしたリスクを極力避けるためにもデータの供給源としてメディア企

                                            自家中毒に陥る生成AI(八田真行) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                          • 近代の名作小説、現代の流行小説を網羅――中国出版界が日本文学に注ぐ熱い視線(前編) | HON.jp News Blog

                                            《この記事は約 9 分で読めます(1分で600字計算)》 北京大学・馬場公彦氏による中国の出版事情レポート、今回は中国における日本文学の翻訳事情について。前後編でお届けします。 日本と同じく、中国も翻訳文学大国 日本文学の翻訳事情 先の中国レポート「巨大な児童書市場での日本のプレゼンス」で、書籍市場の売上3割を占める児童書において、外国のコンテンツが主流を占め、イギリスに次いで日本とアメリカの作品が多く翻訳されていることについて触れた。2019年の売上実績をみると、主要なジャンルは売上額順に児童書―学参書(教材・副読本を含む)―社会科学に次いで文学関連で、これらを合算すると80%を超える市場規模に達する。そのうち文学は昨年比1.74%減とはいえ、全売上額の10.19%である。 さらに文学の内訳をみると、小説・散文が売上額の大半を占めており、小説の細目では中国現代文学(ランキングのトップは余

                                              近代の名作小説、現代の流行小説を網羅――中国出版界が日本文学に注ぐ熱い視線(前編) | HON.jp News Blog
                                            • 作ることの哲学をデザイナーと哲学者と実務家と語る:グッドマン『世界制作の方法』読書会|newQ

                                              私たちはいつも何かを作っています——デザイン・プロダクト・サービス etc. 現象の論理的な再構築から研究をスタートして、最終的に「私たちは世界を作っている」という地点にまでたどり着いた哲学者ネルソン・グッドマン。その古典『世界制作の方法』を手がかりに、デザイナー・哲学者・実務家とともに「作ることの哲学」を語り合いました。 哲学者、経営者、教育者であり、芸術家とともに生きた男難波 グッドマン研究を行っている難波です。本日は、デザイナー、哲学者、実務家の方々と一緒に『世界制作の方法』を読み、作ることとは何か?を考えていきたいです。 一同 よろしくお願いします。 山本さん 美大でもみなグッドマンに関心はあるのですが、読み通すことが難しい……となりがちなので、今回グッドマンの発想をアートにどれくらい役立てられるのか気になっています。 Mさん 自分も、まだ読んでおらず、Amazonの『世界制作の方

                                                作ることの哲学をデザイナーと哲学者と実務家と語る:グッドマン『世界制作の方法』読書会|newQ
                                              • 薄い本を読むパート3 - Close To The Wall

                                                薄い本を読むパート2 - Close To The Wall 一年おきにやってる気がするこれ、三回目。今回は厳密ではなく本文200ページ前後、とややゆるめに選んだ20冊。冊数も記事も分量が増えて行っている。 フリオ・ホセ・オルドバス『天使のいる廃墟』 ミルチャ・エリアーデ『令嬢クリスティナ』 フランツ・カフカ『変身』 アントニオ・タブッキ『島とクジラと女をめぐる断片』 イタロ・カルヴィーノ『ある投票立会人の一日』 スティーヴン・ミルハウザー『魔法の夜』 パーヴェル・ペッペルシテイン『地獄の裏切り者』 イマヌエル・カント『永遠の平和のために』 閻連科『年月日』 宮内悠介『黄色い夜』 ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ』 ティモシー・スナイダー『暴政』 フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』 ウンベルト・エーコ『永遠のファシズム』 アレホ・カルペンティエール『時との戦い』 中井英夫『幻想博物館』 ジ

                                                  薄い本を読むパート3 - Close To The Wall
                                                • ナチスが焼いた本のリスト、国際宇宙ステーションにある本、ハリポタの次に読む本……本のリストが面白い

                                                  ナチスが焼いた本のリスト ナチスが焚書した本は4,000を超えており、その全容は把握しきれない。だが、焼かれた本の一部は分かっており、”A Book Of Book Lists” でリスト化されている。これを見ると、ナチスが何を恐れていたかが、よく分かる。 武器よさらば(アーネスト・ヘミングウェイ) いかにして私は社会主義者となったか(ヘレン・ケラー) 野性の呼び声(ジャック・ロンドン) 鉄の踵(ジャック・ロンドン) 世界史概観(H.G.ウェルズ) 理性に訴える(トーマス・マン) ジークムント・フロイトの全著作 ISS(国際宇宙ステーション)にある本 宇宙ステーションで働く人々は超忙しいので、本読んでるヒマなんてないのでは? と思うのだが、リラックスのための読書は必須らしい。数十年にわたり私物として持ち込まれ、そのままライブラリー化しており、シリーズものが充実している。 ファウンデーション

                                                    ナチスが焼いた本のリスト、国際宇宙ステーションにある本、ハリポタの次に読む本……本のリストが面白い
                                                  • ブルシットジョブから抜け出すために、自分を「ホラー化」せよ - 集英社新書プラス

                                                    情報が加速度的に増加し、スマートフォンをはじめとしたデジタルデバイスによって様々な行動が不可視化されている現代。そのような「ブラックボックス」が溢れる時代を、私たちはどう生きるべきか。 現代人にとって重要なこの問いを、著述家・書評家の永田希が、書物と貨幣の歴史を遡りながら現代思想や文学作品・SFを通して解き明かしたのが9月17日発売の新書『書物と貨幣の五千年史』である。本書の主題となっている「ブラックボックス」という概念をより掘り下げるべく、集英社新書プラスでは4本の対談を掲載。 第1回目は、コンサルティング会社に勤める傍ら2017年に小説『構造素子』(早川書房)でデビューし、今年の7月には、SF小説を書くことで未来の世界を構想するコンサルティング手法「SFプロトタイピング」の理論と実践を記した『未来は予測するものではなく創造するものである−考える自由を取り戻すための<SF思考>』(筑摩書

                                                      ブルシットジョブから抜け出すために、自分を「ホラー化」せよ - 集英社新書プラス
                                                    • 2021マンガベスト10(佐藤タキタロウ,人間が大好き,okadada,ふぢのやまい,井戸畑机,投擲装置,華沢寛治,@maritissue,ほしがた,41号_西瓜士,げそにんちゃん,藤井夏子,関野葵) - exust’s blog

                                                      みんなの2021年のマンガベストです。番号がない人は順不同。 佐藤タキタロウ(@katikatiyamazou) 人間が大好き okadada ふぢのやまい 井戸畑机 投擲装置 華沢寛治 @maritissue ほしがた 41号_西瓜士 げそにんちゃん 藤井夏子 関野葵 佐藤タキタロウ(@katikatiyamazou) twitter.com 1 『フールナイト』/安田佳澄 (1.2巻) フールナイト(1) (ビッグコミックス) 作者:安田佳澄 小学館 Amazon ・絵が良い上にオモロい。タツキフレンズ(賀来・龍)がやってるようなアクションを単なる超絶画力の暴力じゃなくて着実なカメラワークやカットの旨さで描写していく、その上タツフレに比べて話も圧倒的にオモロい。期待。 2 『借金女が船上カジノでバニーガール催●媚薬調教売春』/ハイパーUCサークル(読み切り) www.dlsite.co

                                                        2021マンガベスト10(佐藤タキタロウ,人間が大好き,okadada,ふぢのやまい,井戸畑机,投擲装置,華沢寛治,@maritissue,ほしがた,41号_西瓜士,げそにんちゃん,藤井夏子,関野葵) - exust’s blog
                                                      • 奇跡じみた打率の傑作アンソロジー――『夜の姉妹団 とびきりの現代英米小説14篇』 - 機械仕掛けの鯨が

                                                        夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 作者:ミルハウザー,スティーヴン,ヨッセル,ミハイル,ダイベック,スチュアート,ブラウン,レベッカ 朝日新聞社 Amazon 奇跡じみた打率の一冊である。副題に添えられた「とびきりの現代英米小説」という惹句に偽りはない。雑誌『エスクァイア 日本版』に毎号一本ずつ訳出されたこれらの短編は、「とにかく自分で読んで面白かった作品を毎月訳していった」「……ゲラを読む段階にいたるまで、何から何までひたすら楽しかった」と訳者あとがきにあるように、柴田氏のよりすぐりのセレクト+柴田氏のノリにノッた翻訳の合わせ技が全編に渡って光っている。 夏の夜、毎晩若い娘たちが親の目を盗んで——あるいは平然と——森に出ていき、夜な夜な集いを開いている。何をしているのかは分からない。猟奇的な営みをしていると噂する者もいれば、いや何もしていないのだ、と主張する者もいる。日に日によそ

                                                          奇跡じみた打率の傑作アンソロジー――『夜の姉妹団 とびきりの現代英米小説14篇』 - 機械仕掛けの鯨が
                                                        • 『百年の孤独』の次はこれだ!文庫で読めるラテンアメリカ文学 - ウラジーミルの微笑

                                                          はじめに 文庫で読める!!! 『百年の孤独』は日本でももうかれこれ50年ほど売られ続けている。このため、正直「文庫化」がこれほどのインパクトを与えるとは思ってもいなかった。本を買い集めるためには金に糸目をつけない自分がいかに異端で、一般の読書人がいかに「価格」に敏感かを改めて思い知らされた。 このため、この記事ではあくまで手に入り易く価格も安い「文庫」にこだわって紹介をしている。 なお、忙しい現代人のために冒頭のここで結論も書いておこう。 『百年の孤独』を読んだら、日本文学なり、ヨーロッパ近代文学なり、ふだんの自分の領域に戻る前に、絶対に絶対に絶対に、バルガス・リョサの長編から1作品、それとコルタサルの短篇集『悪魔の涎・追い求める男』を読んで欲しい! さらばマジック・リアリズム 『百年の孤独』≒マジック・リアリズム≒ラテンアメリカ文学。これらはとかく結びつけられがちである。しかし、豊穣なラ

                                                            『百年の孤独』の次はこれだ!文庫で読めるラテンアメリカ文学 - ウラジーミルの微笑
                                                          • 本が広げる本の世界──批評から始める秋の読書マップ - 東大新聞オンライン

                                                            「この世界において、すべては、一巻の書物に帰着するために存在する」。19世紀フランスの詩人ステファヌ・マラルメの言葉だ。この一文でさえその真意を理解しようとすれば万巻のマラルメに関する研究書や論文が必要だろう。だが紙幅と何よりも能力の問題から、ひとまず学生が教科書の偉人の肖像に落書きをするような気ままさで、この言葉を次のように読み変えながら本の世界の広がりについて考えてみたい。「一冊の書物すら、達するためには世界の全てが必要だ」と。 (構成・渡辺明日翔) 本から本へと「渡り読む」ことの意味 外国語の書籍を考えるのが最も分かりやすい。今、目の前に戯曲『リチャード三世』の原書があるとしよう。この15世紀イングランド宮廷の、権謀術数が張り巡らされた政争を題材に採り1世紀後のシェイクスピアが執筆した作品を、21世紀に生きる日本人がそのまま理解できるだろうか? いや、まずは辞書が必要だろう。それも、

                                                              本が広げる本の世界──批評から始める秋の読書マップ - 東大新聞オンライン
                                                            • [読書]スタニスワフ・レムによる『ストーカー』(ストルガツキー兄弟) 論 - ゴールデンレトリバー撫でたい

                                                              (※諸事情で再公開です) 裏世界ピクニックのアニメやってますね。僕はまだ観てないけど元ネタのストルガツキー兄弟の『ストーカー』は読んだ。 ストーカー (ハヤカワ文庫SF) 作者:アルカジイ ストルガツキイ,ボリス ストルガツキイ 発売日: 2018/01/31 メディア: Kindle版 ストーカーについても特に書きたいこともないけど、そういえばこれはスタニスワフ・レム大先生が短い評論を書いてたのを思い出した。レムについては一度書いときたかったのでちょうどいいかな。 これに収録されています。 高い城・文学エッセイ (スタニスワフ・レム コレクション) 作者:スタニスワフ レム 発売日: 2004/12/01 メディア: 単行本 1. 僕がレムを初めて知ったのは哲学関係の本で、フッサールの現象学における意識の考え方について書かれていた部分で『ソラリス』が引かれていたことがきっかけだった。実際

                                                                [読書]スタニスワフ・レムによる『ストーカー』(ストルガツキー兄弟) 論 - ゴールデンレトリバー撫でたい
                                                              • 決定、2022年マライ・メントライン文芸賞!『ロマニ・コード』(角悠介)を驚異と言わずなんとする - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

                                                                2022年マライ・メントライン文芸賞は『ロマニ・コード』(角悠介)に決定! ロマ言語の探究解析を行う若手言語学者のフィールドワーク体験記であり、実は「丸山ゴンザレスや村田らむのルポルタージュに近い」など、熱く、濃く推しまくるマライ・メントラインの授賞の弁をどうぞ。 マライ・メントライン文芸賞を授与する 2022年、個人的に最高に凄かった&おもしろかった小説は、小学館『STORY BOX』誌に書いた通り『地図と拳』(小川哲)だ。が、もっと広義の「文芸」という観点からベストオブベストを選べと言われたら、これはもう『ロマニ・コード』(角悠介)しかない。よって私は重い腰を上げて本作にマライ・メントライン文芸賞を授与する。マライ・メントライン文芸賞とは、私が「めったに無い特殊で深いおもしろさ」を感じ、かつ、メジャーな批評家があまり取り上げなさそうな本に遭遇したときにのみ起動する、なんの権威もへちまも

                                                                  決定、2022年マライ・メントライン文芸賞!『ロマニ・コード』(角悠介)を驚異と言わずなんとする - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
                                                                • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                                                                  2024年6月30日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,053点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

                                                                    ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
                                                                  • 探求型小説についてのメモ - TBCN

                                                                    はじめに 以下はmurashitさんの次の記事に触発されて書くものです。 murashit.hateblo.jp そういえば私もこのへんのハナシが好きだったはずだけど、最近読んでなかったな、と思って、じゃあ自分の好みをまとめておこうかな、という気持になったのです。 タイトルに挙げた「探求型小説」というのは仮につけたものです。この手の作品はけっこう多いので、たぶんもっと適当なネーミングをしている人がすでにいるはずですが、私は以下、この名称のもとにいくつかのジャンルに当てはまる特徴をまとめてみたいと考えています。 近いことはこれまで、「歴史ミステリ」についてだとか、「メタフィクション」についてだとかの中で、書いてきました。今回書くのは、それらの考え方を敷衍したものです。 探求型小説の特徴 私が「探求型小説」と呼ぶ型の特徴は、次の三つです。 ①主人公がある対象(謎、事件、人物など)について調査探

                                                                      探求型小説についてのメモ - TBCN
                                                                    • 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回)l

                                                                      2022年09月29日17:00 by 東京創元社 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回) カテゴリSFファンタジイ・ホラー 【はじめに】 創元SF文庫は来年2023年、創刊60周年を迎えます。 1963年9月に創元推理文庫SF部門として誕生し、フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』に始まり、1991年に現行の名称への改称を挟んで、これまでに700冊を超える作品を世に送り出してまいりました。エドガー・ライス・バローズの《火星シリーズ》やE・E・スミスの《レンズマン》シリーズをはじめ、ジョン・ウィンダム、エドモンド・ハミルトン、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ、J・G・バラード、アン・マキャフリー、バリントン・J・ベイリー、ジェイムズ・P・ホーガン、ロイス・マクマスター・ビジョルド、そして近年にはアン・レッキーやN・K・ジェミシン

                                                                        東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回)l
                                                                      • 必読書コピペにマジレスしてみる・自分のオススメ41冊編(3)

                                                                        戻る→anond:20210301080139 E・M・フォースター「ハワーズ・エンド」「人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」 二つの家族の間を行き来しながら、人間の記憶や、場所への執着を捉えた文章。それはまるで、漱石のいいところだけ抜き出したような文章だった。 ところで、同じ著者の「インドへの道」もいい。これは大英帝国支配下のインドで、未婚女性が現地の男性に暴行されたという疑惑を巡る話だ。女性を守ろうとする騎士道精神と排外主義が結びつき、支配者と被支配者の亀裂が広がる様を描く、不幸にして極めて現代的な作品である。冤罪をかけられたインド人が、「誰があんな不美人な年増を」と心の中で毒づくの、とても嫌なリ

                                                                          必読書コピペにマジレスしてみる・自分のオススメ41冊編(3)
                                                                        • オンラインで読書会したら、すごく楽しかった

                                                                          好きな本を持ち寄って、まったり熱く語り合うオフ会、それが [スゴ本オフ]。 いつもはワインやビール、サンドイッチや唐揚げを持ち寄って、食べながら飲みながら歓談するのだが、このご時世、無理というもの。 なので、オンラインでやってみた。 時間を決めてURLを伝えて、各人は自分のPCやスマホからアクセスする。オンラインミーティングみたく顔出してもいいし、エヴァンゲリオンよろしくSOUND ONLYも、ROM専ならぬBGM代わりに聞く専もあり。 テーマは「いま、何を読んでいる?」。 本を読む人は、言葉に力があることを知っている。心を削る物言いや、注意を擦り減らせるテロップのダメージ敏感だ。 だから、テレビを消して、SNSを閉じて、好きなものに没頭したくなる。そんな、自分を楽に、夢中に、解いてくれる本はなんだろうか? リアルに集まって話せない今だからこそ、ネットで交流してみよう。 もちろん、いつもど

                                                                            オンラインで読書会したら、すごく楽しかった
                                                                          • ハン・ガンの邦訳作品をすべて読む(全8冊それぞれの短いレビュー)|河野咲子

                                                                            ノーベル文学賞に、韓国の作家ハン・ガンが選ばれた。アジア人女性がノーベル文学賞を受賞するのははじめてのこと。——報せを聞いて、どうしてかわたしは動揺した。部屋に林立する本棚は溢れかえり、つねに混乱をきわめているけれど、ハン・ガンの一連の著作がどこにあるのかおよそ思い出すことができる。調べてみると、邦訳された本はすべてもっていて、そのほとんどを既に読んでおり、一部はくりかえし読んでいた。そうなると、受賞の報に、喜ばしいだけとは少し異なる新たな戸惑いが生じてくる。 そういった動揺について、書店員の友人とLINEで長々と終わりなきやりとりをしていると、お勧めの一冊を訊かれたので、いちばん好みに合いそうなものを紹介した。彼は外国語と縁の浅からぬひとなので、まずは『ギリシャ語の時間』がよいのではないかしら。死せる外国語を身につけること、失明、そして失語をめぐる物語、きっと気にいるのではないか。——さ

                                                                              ハン・ガンの邦訳作品をすべて読む(全8冊それぞれの短いレビュー)|河野咲子
                                                                            • 学校図書館は何のためにあるのか? - 内田樹の研究室

                                                                              こんにちは、今ご紹介いただきました内田でございます。こうやって見回すと、みなさんまだ顔真っ白なのに、講師一人が顔真っ黒に日焼けしておりまして(笑)、誠に申し訳ない。みなさんはまだおそらくギリギリまで学校あって、遊びに行っている暇なんかないと思うんですけど、僕は海水浴に行ってまいりまして、3日間、京丹後。海がきれいなんです。 僕は凱風館という道場をやっているんですけども、毎年凱風館海の家というのをやっておりまして、旅館一棟貸し切りにするんです。10人以上滞在したら一棟貸し切れにしてくれる。そこでみんなで泳いだりご飯食べたりお酒飲んだりおしゃべりしたりということをやってるんです。 武道の道場なんですけれども、作った時のコンセプトは「昭和の会社みたいなもの」です。僕の子どものころ、昭和20年代30年代ぐらいの日本の会社って終身雇用で年功序列だったんで、疑似家族的で穏やかな雰囲気だったんです。いろ

                                                                              • 『ドラクエ』堀井雄二×『倉庫番』今林宏行×『かまいたちの夜』我孫子武丸:鼎談<未来展望編>人工知能時代へ向けて「NLPアドベンチャー」の可能性を探索する

                                                                                過去の探求が未来への展望を切り拓く。アドベンチャーゲームの新たな展開は、過去を踏まえつつAIの進化によって次なる局面へと進化しようとしている。ゲーム史が刻む足跡のひとつひとつが、私たちを新たな時代へと導いている。 前編となる<過去探求編>では、往年の「コマンド入力式ADV」の経験談や洞察、そして問題提起といった興味深い対話に耳を傾けた。後編の<未来展望編>では、AIがもたらす可能性や課題、自然言語処理(NLP)を活用した次世代ADV「NLPアドベンチャー」の現状に焦点を当てていく。往年の「コマンド入力式ADV」が、AIによってNLPアドベンチャーとして生まれ変わり、どのようなゲームデザインが求められているのか。 引き続き『ポートピア連続殺人事件』、『ドラゴンクエスト』の堀井雄二氏、『倉庫番』、『道化師殺人事件』の今林宏行氏、『かまいたちの夜』の我孫子武丸氏に登場してもらおう。さらにスクウェ

                                                                                  『ドラクエ』堀井雄二×『倉庫番』今林宏行×『かまいたちの夜』我孫子武丸:鼎談<未来展望編>人工知能時代へ向けて「NLPアドベンチャー」の可能性を探索する
                                                                                • 失われた短編を求めて――ボルヘス唯一の未訳短編「シェイクスピアの記憶」について - 機械仕掛けの鯨が

                                                                                  ホルヘ・ルイス・ボルヘス。アルゼンチンが生んだ二〇世紀の世界文学上最大の作家の一人で、「知の工匠」「迷宮の作家」等の異名を持つ巨匠である。日本でも大変人気があり、現在では岩波文庫に著作の多くが収録されている。 さて、彼の作風の最大の特徴は、生涯を通して短編小説しか著さなかったことだ。一番長い作品でも、日本語訳で二〇ページほどしかない。だが彼の短編から喚起されるイメージは、迷宮、鏡、無限、架空の書物等々といったモチーフによって増幅され、長編小説にも匹敵する物となる。 短編集としての代表作『伝奇集』は岩波文庫で刊行されているほか、『砂の本』『ブロディーの報告書』『アレフ』など、彼の主要な短編は、短編集としてほとんど邦訳されていると言ってよい。 だが一作だけ、邦訳されていない作品がある、と言えばどうだろうか。その存在は、ペンギン・ブックスから刊行されているボルヘスの全短編集に記載されている。題は

                                                                                    失われた短編を求めて――ボルヘス唯一の未訳短編「シェイクスピアの記憶」について - 機械仕掛けの鯨が