「デフレ脱却」のためなら何でもする 2015年、スイス国立銀行(スイス中銀)は突然、対ユーロで設けていたスイスフランの上限を撤廃した。シンガポール銀行のチーフエコノミスト、マンスール・モヒ=ウディンは、その事例を現在の日本と類似する状況としてあげる。 この措置はスイス・フランの高騰を招き、これによって欧州市場は動揺した。だが、スイスの経済規模は日本に比べて小さい。日銀の出口戦略が無秩序になれば、日本国債の利回りは急騰する。そうなれば年金積立の利用者から海外中央銀行の外貨準備運用担当者まで、日本国債の保有者は大混乱に陥るかもしれない。 日経平均株価は急落し、その影響は世界の株式市場に波及するだろう、とモヒ=ウディンは言う。