「1990年代は、親に会社を興したいと言えば、追放されるか、結婚もできない時代だった。不幸にも起業して失敗すれば、(銀行の)ブラックリストに載り、10年間は住宅ローンが組めなくなる。失敗が汚点になったのだ」 これは日本の話ではない。2016年に日本で自然キャピタルというベンチャーキャピタル(VC)を共同設立した、マーク・ビベンズ氏が語るのはフランスのことだ。企業、特に新興企業は、新しいアイデアを経済的価値に変えるベルトコンベアのようなものだが、かつてフランスも日本と同じように先端技術への投資で後れをとっていたのである。 新興企業が急増したフランス それからわずか数十年後の今日、フランスはまるで別の国のように感じられる。2000年以降、フランスでは3万8000社もの新しいスタートアップが生まれ、2010年にはわずか110億ドルだった評価額も、今では2760億ドルに達している。 このうち約25