【シリコンバレー=奥平和行】社会に急速に浸透する生成AI(人工知能)が半導体業界の勢力図を塗り替え始めた。先行した米エヌビディアの業績が急拡大し、2023年は売上高で初めて世界首位になる可能性が高まっている。AI半導体の市場規模は27年に60兆円規模に達するとの見方も浮上し、クラウドコンピューティング大手なども交えた競争が激化している。「AIは過去50年間で最大の技術革新だ。これに近いのはイン
2019年頃から続くアメリカ主導の経済制裁の結果、中国では諸外国と比べて半導体製造技術において後れを取っています。しかし、中国最大手のチップメーカーであるSMICに、通信機器メーカーのHuaweiが提携し、5nmプロセスのスマートフォン向けチップの製造を開始する計画があることが報じられました。 China on cusp of next-generation chip production despite US curbs https://www.ft.com/content/b5e0dba3-689f-4d0e-88f6-673ff4452977 China chipmaker SMIC on track to produce sanctions-busting 5nm processors for Huawei this year: Report | Tom's Hardware ht
半導体IC(集積回路)の開発にAI(人工知能)/機械学習技術を適用して、設計のコストや期間を抑えたり、ICを高度化させたりする事例が増えている。処理すべきデータ量が増えてICが大規模・複雑化する一方で、IC設計期間や消費電力の削減が求められているためだ。このような状況を背景にIC設計で使うEDA(Electronic Design Automation)ソフトウエア(以下、EDAツール)には、機械学習技術が取り込まれるようになってきた。イメージセンサーの信号処理ICを使って、機械学習技術適用のEDAツールの実力を評価した結果を、ソニーセミコンダクタソリューションズとキヤノンそれぞれが「CadenceLIVE Japan 2023」(日本ケイデンス・デザイン・システムズとイノテックが2023年7月14日に横浜市で主催)において発表した(図1)。 左はソニーセミコンダクタソリューションズの本田
by 李 季霖 半導体製造企業のTSMCが、2024年4月24日に開催された同社のシンポジウム「North America Technology Symposium 2024」で、1.6nm世代の半導体製造プロセス「A16」の量産を2026年に開始する予定を明らかにしました。 TSMC Celebrates 30th North America Technology Symposium with Innovations Powering AI with Silicon Leadership https://pr.tsmc.com/japanese/news/3136 TSMC unveils 1.6nm process technology with backside power delivery, rivals Intel's competing design | Tom's Hardw
米半導体大手エヌビディアが圧倒的優位を保ってきたAI(人工知能)半導体を巡る戦いは、すでに新たな戦線に移りつつある。その市場ははるかに大規模だが、競争のし烈さも増すとみられる。 エヌビディアはAIモデルを学習させるとてつもなく複雑な作業に欠かせない半導体を供給することで、2兆ドル(約300兆円)企業へと上り詰めた。AI業界が急速に進化する中、今後より大きなチャンスがあるのは、学習後にそれらのモデルを動かす半導体を売ることだろう。生成AIツールを実際に利用する企業や人々は急増しており、彼らのために文章や画像を大量に生み出すものだ。 現時点で、このようなシフトはエヌビディアの急増する売上高をさらに押し上げている。同社のコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は先週、過去1年のデータセンター事業──売上高は470億ドルを突破──のうち、学習用ではなくAIシステム配備に伴うものが40%以上を占めた
EDA(Electronic Design Automation)ツールとは、ICや半導体、プリント回路基板などの電子設計に使うソフトウエアである。ICが世に出た半世紀以上前、設計はすべて人手で行われていた。しかし、最近のマイクロプロセッサー(MPU)はトランジスタが10億個以上の規模になっており、EDAツールなくしては設計できない。半導体製造プロセスが微細になればなるほどIC上に集積できるトランジスタ数は多くなり、EDAツールの重要性は増す。すなわち、先端プロセスの製造ラインが完成したとしても、そのラインに対応したEDAツールなくしては、そのラインで製造するICの設計データが用意できず、絵に描いた餅になってしまう。現在、北海道に建設中のRapidus(ラピダス、東京・千代田)の2nm世代プロセスの半導体工場も例外ではない。 EDAツールを使ったとしても人手の部分はなくならない。設計者の作
Intelが2022年から進めていたTower Semiconductor(タワーセミコンダクター)の買収計画を断念したことを発表しました。IntelとTower Semiconductorの双方が買収に前向きだったものの、規制当局が買収契約を承認しなかったことによって契約が不成立に終わったとのことです。 Intel Announces Termination of Tower Semiconductor Acquisition https://www.intel.com/content/www/us/en/newsroom/news/intel-news-aug-2023.html タワーがインテルとの買収契約終了を発表 - Tower Semiconductor タワーセミコンダクター https://jp.towersemi.com/2023/08/16/08162023/ Inte
時価総額が2兆ドル(約300兆円)を突破し、日本株上昇の原動力とされる米半導体大手のエヌビディア。同社日本法人の大崎真孝代表が「週刊文春」の直撃取材に応じ、AIの今後や社内の雰囲気、創業者の素顔などについて語った。 エヌビディアの好決算で半導体銘柄が 経済部記者が解説する。 「エヌビディアは、単価が高いAI向け半導体の“絶対王者”です。2月21日発表の今年1月期通期決算によれば、売上高約609億ドル(約9兆円)。時価総額はアマゾンを抜き去り、世界3位に浮上しました。マイクロソフトやテスラなど名立たる企業がお得意さま。同社の好決算を受け、AIブームが当面続くと見た投資家が国内半導体銘柄を買いに走った結果、日経平均も押し上げられました」
世界最大の半導体メーカーであるTSMCは、日本の熊本やアメリカのアリゾナ州での半導体工場建設計画を進めています。新たに、TSMCが日本国内に半導体製造の後工程を担当する施設の建設を検討していることが海外メディアのロイターによって報じられました。一方で、アメリカではTSMCの工場に関連するサプライチェーンの構築に遅れが生じていることが報じられています。 Exclusive: TSMC considering advanced chip packaging capacity in Japan, sources say | Reuters https://www.reuters.com/technology/tsmc-considering-advanced-chip-packaging-capacity-japan-sources-say-2024-03-17/ TSMC, Intel sup
アメリカの大手半導体メーカー、エヌビディアの先月までの3か月間の決算は、生成AIの急速な普及で半導体の需要が急増していることを受けて、最終的な利益が前の年の同じ時期と比べておよそ14倍にのぼるなど、大幅な増収増益となりました。 アメリカ西部カリフォルニア州に拠点を置く大手半導体メーカー、エヌビディアは21日、ことし8月から先月までの3か月間の決算を発表しました。 それによりますと、売り上げは前の年の同じ時期の3倍にのぼる181億2000万ドル、日本円にしておよそ2兆6800億円。 最終的な利益は92億4300万ドル、日本円にしておよそ1兆3600億円と、前の年の同じ時期のおよそ14倍にのぼる大幅な増収増益となりました。 これは質問を入力すると自然な文章で回答を作成できる生成AIが世界で急速に普及し、このメーカーが生産する画像を処理する半導体で大量の計算を同時に実行できる「GPU」の需要が急
国費1兆円の勝算は? 次世代半導体に本腰―ラピダス 時事通信 編集局2024年05月06日19時00分配信 【図解】ラピダスの動き 次世代半導体の国産化を掲げて設立されたラピダス(東京)が、2027年の量産開始を目指して準備を本格化させている。かつて世界をリードした半導体産業の再興は経済安全保障にも直結し、国は1兆円近い補助金投入を決めるなど後押しする。ただ、技術や採算の面で課題が多く、勝算が立っているとは言い難い。 斎藤経産相に半導体支援要望 ラピダス工場など―北海道知事 「来年4月の試作ライン稼働に向け、めどが立ちつつある」。小池淳義社長は4月2日、量産化の第一関門突破に手応えを口にした。この日、政府から新たに最大5900億円の追加支援が決まり、同社に投じられる国費は最大計9200億円に膨らんだ。 ラピダスが目指すのは、世界でまだ量産されていない回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の
コロナ禍で先行発注、反動減リスク直面 半導体商社の再編が加速している。菱洋エレクトロとリョーサンは5月、経営統合に関する基本合意書を締結。11月にはマクニカホールディングス(HD)の事業会社が同業のグローセルに対しTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。従来、メーカーが代理店を集約する動きがある上、メーカーの直販志向の高まりなどで商社を取り巻く環境は厳しさを増す。勝ち残りをかけた商社の合従連衡は今後も続きそうだ。(阿部未沙子) 「仕入れ先の意向も要因の一つになったのではないか」―。マクニカHDの事業会社であるマクニカ(横浜市港北区)がグローセルの完全子会社化を目指す動きに対して、業界関係者からこのような声が上がった。「基本的には(メーカーは商社を)まとめていきたい」(半導体商社首脳)という見方もある。 マクニカとグローセルは、ともにルネサスエレクトロニクスの代理店。マクニカは従来、
いま、世界中で、半導体の製造能力をめぐる熾烈な競争が起きている。日本でも世界最大の半導体メーカーである台湾のTSMCの工場を熊本県に建設するなど半導体政策に力を入れているが、その政策は問題点だらけだった…。 【図を見る】『半導体有事』より 自己矛盾に陥っている経産省の半導体政策経産省は、今のままでは日本半導体産業のシェアが2030年に0%になってしまうという危機感を持った。そこで、シェアの低下を止め、上昇に転じさせるための政策を立案した。 その目玉が、半導体工場の新増設に補助金を投入する改正法だった。この改正法は、2021年12月20日、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決し、成立した。その改正法により、補助金は国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に設置する基金から複数年にまたがって拠出する。その基金は、2021年度補正予算でまず617
3月18日、半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、人工知能(AI)向け半導体の生産に不可欠な先端パッケージング工程を日本に設置する検討をしていることが分かった。1月8日撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic) [東京 18日 ロイター] - 半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW), opens new tabが、人工知能(AI)向け半導体の生産に不可欠な先端パッケージング工程を日本に設置する検討をしていることが分かった。AI半導体の需要急増でTSMCは同工程の処理能力が不足しており、製造装置や材料メーカーが集積する日本を候補として考えている。
中国は、政府使用のパソコン(PC)とサーバーから米半導体大手インテル、アドバンスト・マイクロ・デバイセス(AMD)両社のCPUを段階的に排除することを定めたIT機器調達指針を導入した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が24日伝えた。写真は2023年2月撮影(2024年 ロイター/Florence Lo) [24日 ロイター] - 中国は、政府使用のパソコン(PC)とサーバーから米半導体大手インテル(INTC.O), opens new tab、アドバンスト・マイクロ・デバイセス(AMD)(AMD.O), opens new tab両社のCPUを段階的に排除することを定めたIT機器調達指針を導入した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が24日伝えた。
バイデン米政権は20日、米半導体大手インテルの米国内での生産増強計画に対し最大85億ドル(約1・2兆円)を助成すると発表した。対中国を念頭に米国内の半導体供給網(サプライチェーン)を強化する狙いがある。インテルはこの補助金を元に5年で1000億ドル(約15兆円)の資金を米国内の生産増強に振り向ける。経済安全保障の強化を理由に、米政府が企業に巨額の補助金を投じる動きが本格化している。 助成対象となったのは、インテルが西部アリゾナ州など4州で人工知能(AI)などに使う先端半導体の生産能力を高める計画。インテルは台湾積体電路製造(TSMC)に半導体生産の多くを委託していたが、バイデン政権の目指す半導体サプライチェーン強化に歩調を合わせ米国内での生産能力を強化する。 バイデン政権は2022年8月に、米国内で半導体生産を増やす企業に対し総額390億ドル(約5・8兆円)を助成する法律を成立させた。中国
Masayoshi Son, chairman and chief executive officer of SoftBank Group Corp., speaks during a news conference in Tokyo, Japan, on Wednesday, Feb. 12, 2020. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg ソフトバンクグループのビジョン・ファンドは数十億ドル相当の保有上場株式について、ここ数年でひそかに売却または減損処理を行ってきた。創業者の孫正義氏がかつて熱中していたベンチャーキャピタル取引から、半導体や人工知能(AI)への戦略的投資にシフトしていることを示している。 世界最大のスタートアップ投資ファンドであるビジョン・ファンドは21年末以降、クーパンやドアダッシュ、グラブ・ホールディングスなどの株式売却を進めた。
(左から)ドイツ・ザクセン州で化学分野を担当するゼバスティアン・ゲムコウ大臣、TSMCの何麗梅氏、ドレスデン工科大学のウルズラ・シュタウディンガー学長。台湾・台中で(2023年9月19日撮影)。(c)Sam Yeh / AFP 【9月20日 AFP】独東部ザクセン(Saxony)州は19日、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)との間で、半導体部門での求人増に対応するため大学生を対象とした職業訓練を同社に委託することで合意した。 ドイツでは、高齢化による半導体部門などでの熟練労働者不足が大きな問題となっている。 TSMCは先月、38億ドル(約5600億円)相当を投じて半導体工場を同州の州都ドレスデンに新設すると発表。 それに続く州当局およびドレスデン工科大学(TU Dresden)との今回の合意は、「特にSTEM(科学・技術・工学・数学)専攻学生に半導体産業でのキャリアに向
EV=電気自動車に欠かせないパワー半導体の事業を強化するため、国内メーカーが手を組み共同生産を行う計画が明らかになりました。東芝と半導体大手のロームは、両社の工場で生産を分担する方式で協業し、経済産業省が最大で1200億円余りを補助する方針です。 関係者によりますと、東芝とロームは、パワー半導体の共同生産を新たに始めることで近く合意する見通しで ▽東芝が石川県能美市で建設を進める新工場と、 ▽ロームが宮崎県国富町で来年稼働を予定する新工場で、半導体の生産を分担する方式で協業する計画です。 さらに、 ▽現在、海外から調達している半導体ウエハーについても、新たに国内生産を始めます。 両社は、この計画について、経済産業省に対し補助を求める申請を行っていましたが、経済産業省は国内の半導体の安定供給を図る一環として、両社の事業費の総額3800億円余りのうち、最大で1200億円余りを補助する方針です。
東芝、日立製作所、NEC――。大手総合電機が背負ってきた“日の丸半導体”の凋落を横目に、成長を続けてきた独立系半導体メーカー。今や国内ではパワー半導体の雄となった、そのロームが大勝負に出ている。 シリコンサイクルの浮き沈みに翻弄される半導体業界で、ひときわ「堅実経営」が知られてきたローム。自己資本比率は85%前後を誇り、実質無借金を続けてきたが、2021年頃から異変が起きている。 2024年度までの3年間で、ブチ上げた設備投資計画は約4800億円。それ以前の3年間と比べると、およそ3倍となる大増額だ。加えて2023年には、東芝の非公開化への参画に3000億円を拠出。2024年3月末時点で、自己資本比率は65.3%まで下落した。 パワー半導体の「地殻変動」 東芝への3000億円は当初、同社としては異例の大規模な借り入れでまかなったが、今年4月には返済するための転換社債を発行した。行使されれば
米バイデン政権は、Huaweiに対する半導体の輸出許可を取り消す決断を下した。これに対し中国は強く反発。米中の分断はさらに深まると予測される。 米バイデン政権は2024年5月、Huaweiに対する半導体の輸出販売ライセンスを取り消す決断を下した。これにより、現在米国と中国の間で繰り広げられている技術戦争はさらに激化するとみられている。この動きはHuawei製のノートPCとスマートフォンに使用される半導体を対象にしたもので、Huaweiのサプライチェーンを混乱させている一方、中国の技術面の野望に関する懸念を再燃させている。 2019年から米国による貿易制限下にあるHuaweiは、IntelやQualcommといった米半導体メーカーから輸入する半導体に依存している。 ライセンスの取り消しによって、Huaweiのサプライチェーンは事実上断ち切られており、同社の新型ノートPCやスマートフォンの生産
中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)はオランダ半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングの装置を使って、華為技術(ファーウェイ)のスマートフォン向けに先端プロセッサーを製造したことが、事情に詳しい複数の関係者によって明らかになった。 問題となっているプロセッサーの製造には、欧州最大の企業価値を有するハイテク企業、ASMLによる深紫外線(DUV)露光装置のほかにも複数企業のツールが用いられたという。関係者らは非公開の情報であることを理由に匿名で話した。中国による半導体生産技術の進歩を食い止めるうえで、ASMLに対する輸出規制は遅過ぎた可能性が示唆された。 ASMLはコメントを控えた。同社の販売が輸出規制に違反したという指摘はない。 米国は日本、オランダと連携し、ファーウェイのスマートフォン「Mate 60 Pro」に搭載された回路線幅7ナノメートルの半導体で実証された高度な半導体技術を
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