中国北部で発見された1億6000万年前のヤツメウナギ種の化石2点について報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。このヤツメウナギは異常に大きく、体長は最初期のヤツメウナギの10倍以上とされる。発見された化石は、保存状態が良好であり、ヤツメウナギ類の化石記録の重要な欠落部分を埋め、ヤツメウナギの摂食の進化史、生活環、地理的起源に関する重要な知見をもたらす。 ヤツメウナギは、無顎脊椎動物の2つの現生系統のうちの1つで、今から3億6000万年前までの化石記録が存在している。ヤツメウナギの生活環は3つの異なる段階からなり、摂食行動も独特で、歯の付いた口吸盤を使って自分の体を獲物に固定する。古生代の最初期のヤツメウナギは、体長がわずか数センチメートルと小さく、摂食構造が弱く、生活環に転換期の段階がなかったことが知られている。しかし、わずかな数のヤツメウナギの化石しか発