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小熊英二の検索結果1 - 35 件 / 35件

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小熊英二に関するエントリは35件あります。 政治社会歴史 などが関連タグです。 人気エントリには 『「論文入門」というより「学問全般への入門」・小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』 - そういちコラム』などがあります。
  • 「論文入門」というより「学問全般への入門」・小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』 - そういちコラム

    このあいだ小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書、2022年)を読みました。 本書の話をする前に、著者の小熊英二さん(1962~)について。それが本書を語るうえで大事なのです。ご存じの方も再確認ということで。 *** 小熊さんは著名な社会学者で慶応義塾大学教授。東京大学の農学部を卒業後、岩波書店に数年勤務しましたが、東大の社会科学系の大学院に入りなおして博士号を取得。 大学院在学中に、修士論文を書籍化した『単一民族神話の起源』(1995年)が出版され、評判となる。 その後は博士論文にもとづく『〈日本人〉の境界』(1998年)や、『〈民主〉と〈愛国〉』(2002年)、『1968(上・下)』(2009年)などを著す。これらの代表作はいずれも、近現代の日本の社会・思想を扱った学術的な大著です。このほかにも、話題になったいくつもの著作がある。 それらの仕事は高い評価を得ていますが、

      「論文入門」というより「学問全般への入門」・小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』 - そういちコラム
    • 「日本の低学歴化」が止まらない…その「ヤバすぎる実態」(小熊 英二)

      仕事で求められているよりも学歴が高い?日本企業が求めているのはこうした潜在能力であって、大学などで学んだ専門知識ではない。経団連(日本経済団体連合会)は、1997年から毎年、加盟企業に「新卒一括採用についてのアンケート」を行ない、「選考にあたって特に重視した点」を複数選択で5つ挙げさせている。 2018年調査の上位5位は、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」「誠実性」だった。複数選択にもかかわらず、「語学力」を挙げた企業は6.2%(17位)、「履修履歴・学業成績」は4.4%(18位)、「留学経験」は0.5%(19位)にすぎない。こうした傾向は、調査開始から大きく変わっていない。 そのため日本は、国際的にみれば「低学歴化」しているにもかかわらず、仕事で求められているよりも学歴が高いと感じている人が多い。求められているのが大学入試突破までの実績であって、大学で何を学

        「日本の低学歴化」が止まらない…その「ヤバすぎる実態」(小熊 英二)
      • 小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな

        ここ最近話題になっている「右傾化」の問題。「誰が右傾化しているのか?」「本当に右傾化しているのか?」など、さまざまな疑問も浮かびますが、本書はそういった疑問にさまざまな角度からアプローチしています。 実は、国民意識に関しては特に「右傾化」という現象は見られないが、自民党は以前より「右傾化」しているというのが、本書の1つの指摘でもあるのですが、そのためか、執筆者に菅原琢、中北浩爾、砂原庸介といった政治学者を多く迎えているのが本書の特徴で、編者は2人とも社会学者であるものの、社会学からの視点にとどまらない立体的な内容になっていると思います。 目次は以下の通り。 総 説 「右傾化」ではなく「左が欠けた分極化」  小熊英二 第I部 意 識 1 世論 世論は「右傾化」したのか  松谷満 2 歴史的変遷 「保守化」の昭和史――政治状況の責任を負わされる有権者  菅原琢 第Ⅱ部 メディア・組織・思想 1

          小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな
        • 「民族」を発明した国、人種差別は他人事か 小熊英二氏:朝日新聞デジタル

          黒人の男性が白人の警官に窒息死させられた米国での事件をきっかけに、世界中で改めて人種差別問題への関心が高まっている。この難問、日本でどう考えればいいのだろう。肌の色が同じ人々を支配した戦前日本の歴史…

            「民族」を発明した国、人種差別は他人事か 小熊英二氏:朝日新聞デジタル
          • 原発の「安全神話には頼れない」小熊英二さん、判決に見たあいまいさ:朝日新聞デジタル

            東京電力福島第一原発事故で被害を受けた住民らが国に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は、国の責任を認めない判決を言い渡した。 原発をめぐる日本社会の動きを追ってきた歴…

              原発の「安全神話には頼れない」小熊英二さん、判決に見たあいまいさ:朝日新聞デジタル
            • 東京五輪、内輪の論理がたどる必然の帰結 小熊英二さん:朝日新聞

              コロナ下の開催に世論が分断されるなか、17日間にわたった東京五輪が8日、閉幕した。何を目指し、何を成し遂げられなかった大会なのか。歴史社会学者の小熊英二さんの寄稿は、戦後史の長い時間の流れの中に19…

                東京五輪、内輪の論理がたどる必然の帰結 小熊英二さん:朝日新聞
              • 国葬と「私物化」の歴史 小熊英二氏が問う「国として人を弔う意味」:朝日新聞デジタル

                世論が二つに割れたまま、安倍晋三元首相の国葬予定日が近づいています。小熊英二・慶応大学教授(歴史社会学)が、自民党政権が慣例化してきた「首相経験者の葬儀」の歴史から、問題の所在を明らかにします。 ―…

                  国葬と「私物化」の歴史 小熊英二氏が問う「国として人を弔う意味」:朝日新聞デジタル
                • (8がけ社会)インタビュー:上 低賃金労働ありき、脱却を 歴史社会学者・小熊英二さん:朝日新聞デジタル

                  日本社会の過去と現在の姿を踏まえ、「8がけ社会」の未来をどう描くか。歴史社会学者の小熊英二さんに聞いた。 ――労働力不足が問題になっています。 日本では最近の現象です。敗戦後は人口過剰の方が問題でし…

                    (8がけ社会)インタビュー:上 低賃金労働ありき、脱却を 歴史社会学者・小熊英二さん:朝日新聞デジタル
                  • るぅ on Twitter: "『日本は「右傾化」したのか』 小熊英二、樋口直人編 今朝の道新、古谷経衡氏 ( @aniotahosyu ) の書評 。 右傾化ではなく無知化。なるほど。 https://t.co/mYgApQpFkw"

                    『日本は「右傾化」したのか』 小熊英二、樋口直人編 今朝の道新、古谷経衡氏 ( @aniotahosyu ) の書評 。 右傾化ではなく無知化。なるほど。 https://t.co/mYgApQpFkw

                      るぅ on Twitter: "『日本は「右傾化」したのか』 小熊英二、樋口直人編 今朝の道新、古谷経衡氏 ( @aniotahosyu ) の書評 。 右傾化ではなく無知化。なるほど。 https://t.co/mYgApQpFkw"
                    • シリーズ・疫病と人間:教育放置3カ月。下方への格差が広がる 社会学者 小熊英二・慶応大教授 | 毎日新聞

                      児童のいない教室で、パソコン画面の中の子供たちに向かって授業をする教師=千葉県柏市立手賀東小学校で2020年4月21日、橋本利昭撮影 経済への影響が話題になりがちなコロナ禍だが、語られざる危機が「教育」なのだという。社会学者の小熊英二・慶応大教授の警鐘を聞く。【聞き手・吉井理記】 教育放置3カ月。下方への格差が広がる 学習は積み重ね。実態調査と補習を急げ コロナ禍で、日本社会にどんなことが起きるだろうか。考えたことは二つある。 まず、格差の拡大だ。これは日本に限らず、世界で普遍的に起きるだろう。それも、恐らく社会階層の上部が「上」に伸びることによって生まれる格差ではない。伸びるのは例外的な少数で、全体が下がり、階層の下部がさらに落ちて格差が開くという構図が予想される。今回のコロナ禍がプラスに働いたという人や分野は、ごく一部の例外だけだからだ。 格差はどう表れるか。テレワークが可能で、教育や

                        シリーズ・疫病と人間:教育放置3カ月。下方への格差が広がる 社会学者 小熊英二・慶応大教授 | 毎日新聞
                      • 「日本の低学歴化」が止まらない…その「ヤバすぎる実態」(小熊 英二)

                        なぜ日本は停滞からなかなか抜け出せないのか? その背景には、日本社会を支配する「暗黙のルール」があったーー。 社会学者・小熊英二さんが、硬直化した日本社会の原因を鋭く分析します。 ※本記事は小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書、2019年)から抜粋・編集したものです。 伸びない大学院進学団塊世代の青年期には高校進学率が伸び、団塊ジュニア世代の青年期には大学進学率が伸びた。それでは、その後は大学院進学率が伸びたろうか。 大学院修士卒の就職者も増えてはいる。しかし国際的にみると、日本は大学院とくに博士課程の進学が伸びず、博士号取得者数も伸びなやんでいる。国際比較でいえば、「日本の低学歴化」が起きているともいえる。 じつは日本は、高校・大学の進学率が伸びたところまでは、西欧諸国とくらべても早かった。しかしそれ以上の高学歴化、つまり大学院レベルの高学歴化はおきていない。そのため日本は、19

                          「日本の低学歴化」が止まらない…その「ヤバすぎる実態」(小熊 英二)
                        • 入社してしまえば「学歴」は関係ない…日本企業が、じつは「学歴」よりも重視しているモノ(小熊 英二)

                          「日本社会のしくみ」は、現代では、大きな閉塞感を生んでいる。女性や外国人に対する閉鎖性、「地方」や非正規雇用との格差などばかりではない。転職のしにくさ、高度人材獲得の困難、長時間労働のわりに生産性が低いこと、ワークライフバランスの悪さなど、多くの問題が指摘されている。 しかし、それに対する改革がなんども叫ばれているのに、なかなか変わっていかない。それはなぜなのか。そもそもこういう「社会のしくみ」は、どんな経緯でできあがってきたのか。この問題を探究することは、日本経済がピークだった時代から約30年が過ぎたいま、あらためて重要なことだろう。 *本記事は小熊英二『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 』(講談社現代新書)の内容を抜粋・再編集したものです。 学歴より「社内のがんばり」そして日本のもう一つの特徴は、「職務の平等」ではなく、「社員の平等」が追求されてきたことだ。 通説と異なる

                            入社してしまえば「学歴」は関係ない…日本企業が、じつは「学歴」よりも重視しているモノ(小熊 英二)
                          • 移民はもう溶け込んでいる?日本社会は変わるのか 是川夕×小熊英二:朝日新聞デジタル

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                            • 福島第一原発事故の衝撃がデモの文化を定着させた 映画「首相官邸の前で」製作の小熊英二・慶応大教授に聞く:東京新聞 TOKYO Web

                              原発再稼働反対を訴える人たちが続々と首相官邸前に押し寄せ、道路を埋め尽くした。右上は国会議事堂=2012年6月29日、東京・永田町で(中嶋大撮影)

                                福島第一原発事故の衝撃がデモの文化を定着させた 映画「首相官邸の前で」製作の小熊英二・慶応大教授に聞く:東京新聞 TOKYO Web
                              • 「自治体消滅」で語ることの落とし穴 小熊英二さんに聞く「過疎」:朝日新聞

                                消滅可能性のある自治体が全国で744ある。人口戦略会議のそんな推計が注目されています。 しかし歴史社会学者の小熊英二さんは、「自治体と地域はイコールではない」と注意を促しています。どういうことでしょ…

                                  「自治体消滅」で語ることの落とし穴 小熊英二さんに聞く「過疎」:朝日新聞
                                • (インタビュー)「有色の帝国」の呪縛 歴史社会学者・小熊英二さん:朝日新聞デジタル

                                  黒人の男性が白人の警官に窒息死させられた米国での事件をきっかけに、世界中で改めて人種差別問題への関心が高まっている。この難問、日本でどう考えればいいのだろう。肌の色が同じ人々を支配した戦前日本の歴史…

                                    (インタビュー)「有色の帝国」の呪縛 歴史社会学者・小熊英二さん:朝日新聞デジタル
                                  • 小熊英二さん寄稿 有権者の想像力と意志が決める「よき統治」:朝日新聞

                                    選挙が近い。現状には不満だが中身のない「新」「反」「改」では物足りない。ここで根本的に、日本の課題を考えてみよう。 よい統治とは何か。それは当該社会の構成員が幸福を追求する条件を整えることだ。 では…

                                      小熊英二さん寄稿 有権者の想像力と意志が決める「よき統治」:朝日新聞
                                    • 被災地でなく被災者個人の幸福を目的に 小熊英二氏に聞く能登復興:朝日新聞デジタル

                                      能登半島地震から1年。縮小する日本の将来像を見すえると、被災地の復興はどうあるべきか。歴史社会学者の小熊英二さんに聞きました。     ◇ 残酷な話だが、災害で一度壊れた地域社会は元には戻らない。そ…

                                        被災地でなく被災者個人の幸福を目的に 小熊英二氏に聞く能登復興:朝日新聞デジタル
                                      • なぜ日本の雇用慣行は「独特」なものになったのか…その歴史の裏にある「意外な事実」(小熊 英二)

                                        「日本社会のしくみ」は、現代では、大きな閉塞感を生んでいる。女性や外国人に対する閉鎖性、「地方」や非正規雇用との格差などばかりではない。転職のしにくさ、高度人材獲得の困難、長時間労働のわりに生産性が低いこと、ワークライフバランスの悪さなど、多くの問題が指摘されている。 しかし、それに対する改革がなんども叫ばれているのに、なかなか変わっていかない。それはなぜなのか。そもそもこういう「社会のしくみ」は、どんな経緯でできあがってきたのか。この問題を探究することは、日本経済がピークだった時代から約30年が過ぎたいま、あらためて重要なことだろう。 *本記事は小熊英二『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 』(講談社現代新書)の内容を抜粋・再編集したものです。 長期雇用は日本の特徴ではない 「日本型雇用」というと、「終身雇用」がその特徴とされることが多い。しかし長期雇用は、日本だけの特徴では

                                          なぜ日本の雇用慣行は「独特」なものになったのか…その歴史の裏にある「意外な事実」(小熊 英二)
                                        • 論文を書くために重要な「パラグラフ・ライティング」とは何か…その「基本的な考え方」(小熊 英二)

                                          論文の書き方がわからない…。卒論やレポートを前にして苦労する学生は多いでしょう。でも、論文の「型」を理解すれば、勉強はもっと楽しくなります。 社会人にも必ず役に立つ、論文を書く上で重要な「考え方」とは? 圧倒的な筆力で評判の社会学者・小熊英二さんが、大学生の興味・関心を的確に導く「論文教室」です。 ※本記事は小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書、2022年)から抜粋・編集したものです。 「パラグラフ」に役割があるパラグラフというのは、段落というよりも、1つの内容のまとまりです。つまり、「エッセイ」を組み立てる部品のようなものです。 最初の序論は、introductory paragraphとも呼ばれます。つかみhookと呼ばれる、読者の注意をひきつけるエピソードなどから始めることも多いのですが、なんといっても重要なのは、全体の主題を述べる主題文thesis stateme

                                            論文を書くために重要な「パラグラフ・ライティング」とは何か…その「基本的な考え方」(小熊 英二)
                                          • 日本では「残余型」が増えている…「大企業」にも「地元」にも属さない人たちの正体(小熊 英二)

                                            なぜ日本は停滞からなかなか抜け出せないのか? その背景には、日本社会を支配する「暗黙のルール」があったーー。 社会学者・小熊英二さんが、硬直化した日本社会の原因を鋭く分析します。 ※本記事は小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書、2019年)から抜粋・編集したものです。 「残余型」の増加しかし現代の日本社会の問題は、「大企業型」と「地元型」の格差だけではない。より大きな問題は、長期雇用はされていないが、地域に足場があるわけでもない人々、いわば「残余型」が増えてきたことだ。 都市部の非正規労働者は、いわばその象徴である。所得は低く、地域につながりもなく、高齢になっても持ち家がなく、年金は少ない。いわば、「大企業型」と「地元型」のマイナス面を集めたような類型である。 とはいえ「残余型」のあり方は、非正規労働者だけではない。中小企業では転職が多い。理由はいろいろ考えられるが、1つの企業に長

                                              日本では「残余型」が増えている…「大企業」にも「地元」にも属さない人たちの正体(小熊 英二)
                                            • 米国人の見た日本の選挙『代議士の誕生』 小熊英二 住み込みで分析 日米比較 - 日本経済新聞

                                              1966年、25歳の米国人大学院生が、大分県の自民党代議士候補の自宅に住み込んだ。1年以上の滞在のあと、彼は日本の選挙運動をテーマにした博士論文を出版した。これがジェラルド・カーティス『代議士の誕生』(日経BP)である。著者の父親はウクライナからの移民で、食料品店やタクシー運転手などで働きながら、ニューヨークの下町で彼を育てた。ジャズピアニスト志望だった著者は、大学の音楽学部に通っていたが、大

                                                米国人の見た日本の選挙『代議士の誕生』 小熊英二 住み込みで分析 日米比較 - 日本経済新聞
                                              • 「挑戦的」に社会の基礎を問いなおす|ちくま新書|小熊 英二|webちくま

                                                町内会・自治会というありふれたコミュニティの歴史を繙くことで、日本社会の成り立ちを問いなおす、玉野和志さんの新刊『町内会―コミュニティからみる日本近代』(ちくま新書)。同書の書評を、社会学者の小熊英二さんにお書きいただきました。『ちくま』7月号から転載します。 自治会・町内会は、都市部の多くの人には縁遠い。しかし例えば大阪府箕面市は「自治会に入っていないと、災害時のセーフティネットから外れてしまいます」「復旧までの情報提供や支援物資の配布などは、優先的に自治会を通して行います」と広報している(箕面市「災害に備えて自治会に入る!」)。 それはなぜか。日本は公務員が少なく、自治会・町内会なしには行政事務がこなせないためだ。日本は二〇二一年の全雇用に占める公務雇用比率がOECD平均の約四分の一である(Government at a Glance 2023)。日本は官僚の存在感は大きいが、現場で働

                                                  「挑戦的」に社会の基礎を問いなおす|ちくま新書|小熊 英二|webちくま
                                                • 「評価される論文」に必要なのは、中身よりも「型式」である(小熊 英二)

                                                  近年、日本の大学でも「論文の型」が求められるようになってきました。その際に最初に参照されるのが、「ハンバーガー・エッセイ」や「パラグラフ・ライティング」といった、アメリカで定式化された「型」です。 社会学者の小熊英二さんが論文の書き方を解説した現代新書の新刊『基礎からわかる論文の書き方』から、アメリカの「論文の型」の背景にある社会事情を解説した章をお届けします。 内容以上に、型式が評価されるアメリカのライティング教育では、パラグラフを構成して論文を書く型式が教えられます。そこで重視されるのは、事実にもとづいて論証したり、説得的に提示したりする能力の訓練です。 それに対し日本の国語教育では、「主人公はどういう気持ちなのか」「著者の言いたいことは何か」といった質問が多くなされ、相手に共感する能力を訓練します。作文でも、「自分の気持ちを素直に書く」ことが求められたりします。 どちらがよいかは、一

                                                    「評価される論文」に必要なのは、中身よりも「型式」である(小熊 英二)
                                                  • 「就職氷河期世代」が苦しむ一方で、大企業正社員は…「停滞する日本」がいよいよ直視すべき「大問題」(小熊 英二)

                                                    なぜ日本は停滞からなかなか抜け出せないのか? その背景には、日本社会を支配する「暗黙のルール」があったーー。 社会学者・小熊英二さんが、硬直化した日本社会の原因を鋭く分析します。 ※本記事は小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書、2019年)から抜粋・編集したものです。 90年代の変動と「団塊ジュニア」 しかしそれでは、90年代から2000年代初頭の「就職氷河期」や、その時期に就職難にあった「団塊ジュニア」の問題は、どう考えたらよいだろうか。この世代は、「ロストジェネレーション」とよばれたほど、非正規雇用の増大の象徴とされた。 これを裏付けるようなデータもある。神林によれば、1992年から2002年の22歳~29歳の男性については、同時期に無期正社員の比率が顕著に低下した。82年に75%だったものが、92年に77%と微増したあと、落ち続けて02年には64%になった。 ここから神林は、

                                                      「就職氷河期世代」が苦しむ一方で、大企業正社員は…「停滞する日本」がいよいよ直視すべき「大問題」(小熊 英二)
                                                    • 「社内のがんばり」で評価する日本企業が必ず直面する「深刻な問題」(小熊 英二)

                                                      なぜ日本は停滞からなかなか抜け出せないのか? その背景には、日本社会を支配する「暗黙のルール」があったーー。 社会学者・小熊英二さんが、硬直化した日本社会の原因を鋭く分析します。 ※本記事は小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書、2019年)から抜粋・編集したものです。 通説と異なるかもしれないが、教育学者や経済学者の分析では、日本は欧米にくらべて学歴間の賃金格差が小さいとされている。その一因は、専門的な学位に対する評価の違いだろう。欧米その他では、高い給与をめざすなら高い学位をとるのが有効で、賃金と学歴(博士号・修士号・学士号)は相関しやすくなるのだ。 もっとも経済学などの研究では、日本を分析する場合でも、4年制大卒者をすべて「大卒」として統計的に処理していることが多い。「博士号・修士号・学士号」という学歴ではなく、「A大卒・B大卒・C大卒」という学歴が重視されているのだとしたら、

                                                        「社内のがんばり」で評価する日本企業が必ず直面する「深刻な問題」(小熊 英二)
                                                      • 学生の多くが間違える、論文を書く上で必須の「文献調査」の「大切な考え方」(小熊 英二)

                                                        論文の書き方がわからない…。卒論やレポートを前にして苦労する学生は多いでしょう。でも、論文の「型」を理解すれば、勉強はもっと楽しくなります。 社会人にも必ず役に立つ、論文を書く上で重要な「考え方」とは? 圧倒的な筆力で評判の社会学者・小熊英二さんが、大学生の興味・関心を的確に導く「論文教室」です。 ※本記事は小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書、2022年)から抜粋・編集したものです。 一次資料と二次資料自然科学や技術系の論文などでは、実験などの前に、文献からわかることを調べておくことを「文献調査」とよぶ習慣があります。しかし、調査対象そのものが文書である人文・社会科学の分野、たとえば文学や歴史学や法学などでは、「文献調査」という言葉はあまり使われません。すべて「文献」を対象にした調査だともいえるからです。 代わりに、人文・社会科学で重視される区分は、資料のなかの区分です

                                                          学生の多くが間違える、論文を書く上で必須の「文献調査」の「大切な考え方」(小熊 英二)
                                                        • (寄稿)内輪に閉じた東京2020五輪 世界へ開かれた1964、夢見る時代錯誤 小熊英二:朝日新聞

                                                          東京五輪が閉幕した。1964年の東京五輪との対比で、今回の五輪を歴史的に考えたい。 菅義偉首相は15歳だった64年東京五輪で、聖火リレー伴走者を務めたという。今年6月9日の党首討論でも、東京五輪で感…

                                                            (寄稿)内輪に閉じた東京2020五輪 世界へ開かれた1964、夢見る時代錯誤 小熊英二:朝日新聞
                                                          • 「評価される論文」に必要なのは、「中身」よりも「型式」だった…!(小熊 英二)

                                                            近年、日本の大学でも「論文の型」が求められるようになってきました。その際に最初に参照されるのが、「ハンバーガー・エッセイ」や「パラグラフ・ライティング」といった、アメリカで定式化された「型」です。 社会学者の小熊英二さんが論文の書き方を解説した『基礎からわかる論文の書き方』から、アメリカの「論文の型」の背景にある社会事情を解説した章をお届けします。 内容以上に、型式が評価されるアメリカのライティング教育では、パラグラフを構成して論文を書く型式が教えられます。そこで重視されるのは、事実にもとづいて論証したり、説得的に提示したりする能力の訓練です。 それに対し日本の国語教育では、「主人公はどういう気持ちなのか」「著者の言いたいことは何か」といった質問が多くなされ、相手に共感する能力を訓練します。作文でも、「自分の気持ちを素直に書く」ことが求められたりします。 どちらがよいかは、一概にはいえませ

                                                              「評価される論文」に必要なのは、「中身」よりも「型式」だった…!(小熊 英二)
                                                            • 低賃金労働に慣れきった社会通用しない 小熊英二さんが考える選択肢:朝日新聞デジタル

                                                              日本社会の過去と現在の姿を踏まえ、「8がけ社会」の未来をどう描くか。歴史社会学者の小熊英二さんに聞いた。 ――労働力不足が問題になっています。 日本では最近の現象です。敗戦後は人口過剰の方が問題でし…

                                                                低賃金労働に慣れきった社会通用しない 小熊英二さんが考える選択肢:朝日新聞デジタル
                                                              • 日本社会を支配する「暗黙のルール」…日本人が呪縛されている「恐るべき慣習」の正体(小熊 英二)

                                                                なぜ日本は停滞からなかなか抜け出せないのか? その背景には、日本社会を支配する「暗黙のルール」があったーー。 社会学者・小熊英二さんが、硬直化した日本社会の原因を鋭く分析します。 ※本記事は小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書、2019年)から抜粋・編集したものです。 慣習とは、人間の行動を規定すると同時に、行動によって形成されるものである。たとえていえば、筆跡や歩き方、ペンの持ち方のようなものだ。これらは、生まれた時から遺伝子で決まっているのではなく、日々の行動の蓄積で定着する。だがいったん定着してしまうと、日々の行動を規定するようになり、変えるのはむずかしい。 人間の社会は、その社会の構成員に共有された、慣習の束で規定されている。遺伝子で決まっているわけではなく、古代から存在するものでもないが、人々の日々の行動が蓄積され、暗黙のルールを形成する。それは必ずしも法律などに明文化さ

                                                                  日本社会を支配する「暗黙のルール」…日本人が呪縛されている「恐るべき慣習」の正体(小熊 英二)
                                                                • これからの「雇用の在り方」と「正義」について  -小熊英二「日本社会のしくみ」を読んで - 夜明け前の独り言 弁護士 水口洋介

                                                                  ■本書概要 社会学者の小熊英二教授(慶応大)の600頁もの分厚い新書です。「日本の社会のしくみ - 雇用・教育・福祉の歴史社会学」(2019年7月20日発行)と銘打っています。 序章で、小熊教授は「本書が検証しているのは、雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまでを規定している『社会のしくみ』である。雇用慣行に記述の重点が置かれているが、それそのものが検証の対象ではない。そうではなく、日本社会の暗黙のルールとなっている『慣習の束』の解明こそが、本書の主題」と書いています。 最後に次の質問をかかげます。 スーパーの非正規雇用で働く勤続十年のシングルマザーが「昨日入ってきた高校生の女の子となんでほとんど同じ時給なのか」と相談してきた。あなたらどう答えるか。 これへの回答は社会のしくみによって異なるということを論証するものです。 本書は各章の冒頭に「本章の要点」が記述されて

                                                                    これからの「雇用の在り方」と「正義」について  -小熊英二「日本社会のしくみ」を読んで - 夜明け前の独り言 弁護士 水口洋介
                                                                  • 「論文を書くのが苦手な人」が絶対に知っておくべき、「書き方」よりもはるかに大切なこと(小熊 英二)

                                                                    論文の書き方がわからない…。卒論やレポートを前にして苦労する学生は多いでしょう。でも、論文の「型」を理解すれば、勉強はもっと楽しくなります。 社会人にも必ず役に立つ、論文を書く上で重要な「考え方」とは? 圧倒的な筆力で評判の社会学者・小熊英二さんが、大学生の興味・関心を的確に導く「論文教室」です。 ※本記事は小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書、2022年)から抜粋・編集したものです。 「どう書くのか」より大切なこと世の中には、「論文の書き方」についての本が数多くあります。 けれども意外に、論文とは何を目的としているのか、なぜ特定の書き方をしなければいけないのか、理由を述べて説明してある本は、それほど多くありません。 どうしてか。それは、「論文とは何か」を理解するよりも、「どう書くのか」を知りたがる人が多いからではないかと思います。 しかし、「契約書とは何か」を理解せずに

                                                                      「論文を書くのが苦手な人」が絶対に知っておくべき、「書き方」よりもはるかに大切なこと(小熊 英二)
                                                                    • なぜ日本は「停滞」から抜け出せないのか…その「根本的な原因」(小熊 英二)

                                                                      なぜ日本は停滞からなかなか抜け出せないのか? その背景には、日本社会を支配する「暗黙のルール」があったーー。 社会学者・小熊英二さんが、硬直化した日本社会の原因を鋭く分析します。 ※本記事は小熊英二『日本社会のしくみ』(講談社現代新書、2019年)から抜粋・編集したものです。 その内容は、経団連の正副会長19人の構成を調べたものだ。全員が日本人の男性で、最も若い人が62歳。起業や転職の経験者がゼロ。つまり、「年功序列や終身雇用、生え抜き主義といった日本の大企業システムの中にどっぷりとつかり、そこで成功してきた人たち」だとこの記事は報じている。 この記事は、19人のうち「会長以下12人が東大卒。次いで一橋大が3人、京大、横浜国大、慶応大、早稲田大が各1人だった」とも述べている。京大をのぞいて、すべてが首都圏の大学卒業生ばかりであることも、この記事は問題だと指摘している。 ただし、卒業した大学

                                                                        なぜ日本は「停滞」から抜け出せないのか…その「根本的な原因」(小熊 英二)
                                                                      • 社会をえぐる鋭い視点 小熊英二さんを引き付けた5冊 - 日本経済新聞

                                                                        歴史社会学者として思想や歴史などを通して日本社会を見つめてきた小熊英二さん。様々な視点から社会を分析・洞察し、学術書でも興味深く読み進められる5冊を紹介してくれました。本紙読書面の連載「半歩遅れの読書術」のまとめ読みです。米保守派の人たちの矛盾と感情『壁の向こうの住人たち』学会や講演などで様々な国に行く。そのさい機会があれば、その国の保守的な人とできるだけ話す。ただし思想家や政治家より、信心

                                                                          社会をえぐる鋭い視点 小熊英二さんを引き付けた5冊 - 日本経済新聞
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