「不自由展」は、天皇タブーをテーマにしたコーナーを過ぎると、広々とした室内に様々な展示を見ることができる。 中でも、目を引くのは、中垣克久さんの竹と紙で作られたドーム型の作品と、慰安婦を象徴する《平和の少女像》だ。 作者の主張がダイレクトに伝わる作品 中垣作品のタイトルは《時代(とき)の肖像ー絶滅危惧種 idiot JAPONICA 円墳ー》。周囲に政治的なメッセージや記事のコピーが張られ、頂上に出征兵士のためと思われる寄せ書きされた日の丸が置かれ、しめ縄がそれを囲む。ドームの中の床には星条旗が置かれ、「9条改憲」についての新聞記事が載っている。作者の政治的な主張がダイレクトに伝わってくる作品だ。 2014年に東京都美術館で開かれた「現代日本彫刻作家展」に出展されたが、「政治的な宣伝になりかねない」として美術館側が撤去を求めた。協議の末、ドームの側面に張られた「憲法九条を守り、靖国神社参拝