女性差別、不正入試、医療事故…。入学希望者が殺到する一方で、不祥事が続出している医学部。責任重大な学問が行われる場所でありながら、なぜ腐敗が止まらないのか。世間一般の常識とは異なる医学部の実態を明かす。※本連載は、上昌広氏の著書『ヤバい医学部』(日本評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。 多発する性犯罪…露顕しているのは「氷山の一角」 女性差別・不正入試は大学医学部の腐敗を象徴しています。露顕したのは、氷山の一角でしょう。東京医科大学の調査報告書では、入試問題漏洩、OBの国会議員による口利き、寄付金が合否に影響した可能性を指摘しています。 もちろん、東京医科大学だけが酷いわけではありませんし、経営陣だけに問題があるわけではありません。組織が緩むときは、上から下まで緩みます。 腐敗の最たる例が性犯罪の多発です。古くは1999年7月、慶應義塾大学医学部の学生5人が20歳の女子大生を集団で