【北京共同】中国北京市のアステラス製薬の現地法人幹部が拘束された事件は、中国に進出する日系企業に衝撃を与えた。中国外務省は27日、男性はスパイ容疑としたが具体的な容疑事実を明らかにせず、日本人社会に不安が拡大。中国ビジネスは「リスクが大きい」と慎重論が広がり、対中投資の機運はそがれている。在中国日本大使館は男性の早期解放に全力を挙げている。 【写真】中国「スパイ容疑で拘束」 北京のアステラス製薬幹部 「どのような行為が罪に問われるのか不透明だ」「何に気を付けていいか分からない」。中国の日系企業関係者からは戸惑いの声が上がる。 中国ではスパイ行為など「国家安全」に関する事案は容疑内容を明らかにしないのが通例だ。公判も秘密法廷で、判決確定後でさえ、罪に問われた行為の詳細が公になることはほぼない。 男性は北京の日系企業で組織する「中国日本商会」の幹部を務めたこともあるベテラン駐在員。在中国日本大