トランプ政権が再始動した。政権発足から1カ月余りで、内政と外交にわたり多くの政策を矢継ぎ早に大統領令または大統領主導によって実現しようとしている。そのスピード感は、この政権が新政権ではなく4年前からの延長線としてスタートしていることを示しているかのようである。前回のトランプ政権4年間で培った様々な経験を反映し、アメリカ・ファースト、または「力による平和」を実現するための政策課題や政策手法に確信を持っているかのようにも見える。 前回の政権で当初入閣した者には、従来も政策決定に携わってきたような人々も多かった。しかし、今回はトランプ氏への忠誠心をもとに選ばれた政治家や専門家が政権で明確に多数派を構成する。トランプ2.0はトランプ1.0よりもワシントン政治のアウトサイダー、そして短期的な利益を徹底的に追求するという意味での「超リアリスト」としての性格を強めている。既にその影響は、ロシア・ウクライ