MEIJコメンタリーNo.8 明治学院大学法学部政治学科准教授 溝渕正季 はじめに アメリカとイスラエルはしばしば「特別な関係(Special Relationship)」にあるといわれることがある。この言葉を最初に用いたのはジョン・F・ケネディ大統領であった。1962年12月、彼はイスラエルのゴルダ・メイア外相に会い、こう告げたといわれる。「アメリカはイスラエルと特別な関係を築いている。かつて、そして今も英国とそうであるように」。 実際、アメリカはかつても現在も変わらず、イスラエルにとって大恩人である。1948年にイスラエルが建国されて以来、アメリカは外交面でも経済面でも一貫してイスラエルを力強く支持してきた。イスラエルは第二次世界大戦後、アメリカの対外援助を最も多く受けた国であり、これまでにおよそ3,100億ドル(インフレ調整後)の経済的・軍事的援助を受けている。1970年代から200