2019年6月14日午前9時20分、イタリア北部の工業都市ピアチェンツァから、真新しい2階建ての近郊列車が静かに発車した。 招待された関係者を乗せた新型列車は、田園風景の広がるイタリア中部エミリア・ロマーニャ州の大地を快走、約1時間40分かけてボローニャ中央駅の1番線に到着。その停車したホームの対面には、やはりピカピカの新車だが、形のまったく異なる平屋の近郊列車が、アドリア海に面したリミニからほぼ同時に到着した。 2つの車両は、いずれもエミリア・ロマーニャ州を中心とした地域へ、全国に先駆けて導入された新型車両で、その引き渡し式が運行会社であるトレニタリアの主催で行われたのだ。 2階建て近郊列車の名前は「ロック(ROCK)」、もう一方の平屋の近郊列車は「ポップ(POP)」。昨年の国際鉄道見本市「イノトランス」のリポート(2018年10月26日付記事「日立vsアルストム『イタリア電車対決』の軍