東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 – 学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する見解 https://t.co/QRsd8LzNBM 大澤氏の差別について東大情報学環長から「お詫び」コメントが発表。 緊急で声明出されるこ… https://t.co/e6ao6TZAZ2
東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター システムウイルス学分野の佐藤准教授らは、ヒトを含む160種のほ乳類のゲノム配列のメタ解析により、ウイルス感染を防御する遺伝子APOBEC3(注1)の進化原理を明らかにしました。 内在性レトロウイルス(endogenous retrovirus; ERV、注2)は、宿主のゲノム中に残るウイルス感染・侵略の痕跡です。ヒトを含む哺乳類において、ERVはゲノムの大きな割合を占めているため、哺乳類の祖先は大量のレトロウイルス感染にさらされてきたと考えられています。このようなレトロウイルス感染に対抗するため、哺乳類はさまざまなウイルス感染防御機構を進化させてきました。ウイルス感染防御を担う遺伝子のひとつに、APOBEC3ファミリー遺伝子があります。興味深いことに、APOBEC3ファミリー遺伝子は、ほ乳類の進化の過程において遺伝子重複によりコピー数を増大させ
令和4年度東京大学大学院入学式 祝辞 東京大学大学院に入学された皆さん、まことにおめでとうございます。またご家族や関係者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。 今回の祝辞を準備するにあたり、学校教育法を読んでみたところ、大学院の目的は、「学術の理論や応用を研究しその深奥をきわめること」と「高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識や卓越した能力を培うこと」の2つであると書かれていました。 人類は何千年もの歴史の中で知識を積み重ね、それを共有の財産とし、文明を発達させてきました。大学院の目的のひとつは、それをさらに押し広げることです。そして、自らの力で新しい真理を発見したものだけに授けられるのが博士号です。本日は10分ほどお時間をいただきましたので、「価値のある発見をするには、どうすればよいか」についてお話しします。大学院に進まれる皆さんのご参考になれば幸いです。 皆さんは、小学校から大
文・宇野重規本書は戦後日本の政治学を主導した丸山眞男のデビュー作である。1940年から44年までの間に発表された三つの論文から構成されるが、特に江戸時代における「国民主義」の形成を論じた第三論文に至っては、出征のその朝に新宿駅で同僚の辻清明に原稿が手渡されたという。いずれも鋭い緊張感の下、丸山独自の鮮やかな論理展開が示されるが、今となっては古めかしい文体の下に、若き日の政治学者の知的興奮と不屈の精神がうかがえる。 しかし、この本を現代の僕らはどのように読むべきなのだろうか。伊藤仁斎−荻生徂徠−本居宣長を中心とする江戸思想史の研究書として読むなら、問題点は明らかだろう。何より、著者自身、後年認めているように、江戸の「正統的イデオロギー」である朱子学が仁斎・徂徠らの批判を受けて解体したという図式自体がもはや成り立たない。朱子学が社会的イデオロギーとして普及したのは古学派の挑戦と同時代であり、そ
中村 (@nrryuya_jp) です。先月末を持って、東京大学工学部を中退しました。高卒です。現在はLayerXというスタートアップのAI・LLM事業部担当執行役員・事業責任者をしています。 東大にはたしか3年生から完全に行かなくなってしまい、それからもう7年以上は経過しています。ずっと休学と留年を組み合わせて学籍だけ残っていました。が、ようやく正式に退学になりました。 スタートアップ界隈では、「大学なんて無駄だから行かなくて良い」という声が結構あるように思います。一方、実際に中退した人は意外と少ない気がします。LayerXにも中退や休学をしているメンバーもいて、たまにそういった悩みの相談を受けることもあるので、個人的な体験を書いてみます。また、高校生などでそもそも大学への進学を迷っている人向けにも一つのサンプルを提供できればと思います。 (注: 個人的なバイアスに溢れている記事です。)
発表のポイント 経産省及びNEDOが進める日本国内の生成AI基盤モデル開発を推進する「GENIAC」プロジェクトにおいて、松尾・岩澤研究室が「Tanuki-8×8B」を開発・公開。 本モデルは、フルスクラッチで開発されており、対話、作文能力を評価する指標「Japanese MT-Bench」において「GPT-3.5 Turbo」と同等以上の性能を達成。 Apache License 2.0のライセンスに基づき、研究および商業目的での自由な利用が可能。「Tanuki-8×8B」の軽量版である、「Tanuki-8B」をチャット形式で利用できるデモも公開。 本モデルのNejumi LLMリーダーボード3における評価 発表内容 東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 松尾・岩澤研究室(以下「松尾研」)は、経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する、
筑波大学大学院修了。博士(言語学)。日本学術振興会特別研究員、筑波大学人文社会系助教を経て東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)特任研究員に着任。2018年より、U-PARL副部門長(特任准教授)。専門は言語学・人文情報学で、ヒエログリフ、ヒエラティックをはじめとした古代エジプト文字の言語研究およびデータベース構築に取り組んでいる。 漫画や映画といったポップカルチャーを見渡してもわかるように、古代エジプトほど現代人に愛されている古代文明はないだろう。中でも、神秘的なヒエログリフ――絵物語のようにも見える独特の文字に想像力が掻き立てられる人は多いのではないだろうか。 ヒエログリフの他にも古代エジプトを知る上で欠かせない文字がある。そのひとつが神官文字、ヒエラティックだ。ふたつの文字はどのように使われていたのか? 解読する方法とは? 東京大学の永井正勝先生(
東大の活動制限指針をレベル2(制限-中)に引き上げ 東京大学の学生・教職員のみなさまへ 先週末から、東京都では一日の新型コロナウイルス感染者の数が100人を超えております。今後も急速な感染の広がりが予想されるため、東京大学はキャンパスにおける活動制限をさらに厳格化いたします。 具体的には、「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京大学の活動制限指針*」(令和2年4月3日発表)を、レベル2(制限-中)に引き上げます。 レベル2では、みなさまに以下の制限のご協力をお願いします。 研究活動のためのキャンパス構内への立ち入りは、現在進行中の実験・研究を継続するために必要最小限の研究室関係者のみの立ち入りが許可されます。立ち入る研究室関係者は現場での滞在時間を減らすとともに、それ以外の研究室関係者は自宅での作業をしてください。なお、研究室内で1人だけで実験・作業することは、大変危険ですので禁止しま
東京大学大学院薬学系研究科博士課程の鹿野悠大学院生(研究当時)、佐々木拓哉特任准教授、池谷裕二教授の研究グループは、脳の海馬と線条体の神経細胞が、分単位の時間の流れに対応して活動することを発見しました。 動物は、将来起こる出来事を予測し、時間経過に応じて適切な行動を選択していく必要があります。このような時間の情報処理の脳内メカニズムに関する研究は、従来から行われてきましたが、その多くは数秒単位(5秒から20秒程度)の短い時間を対象としたものでした。一方で、生存に重要な数分間におよぶ時間経過の認知に、脳のどのような神経活動が重要であるかという点はほとんど知られていませんでした。 本研究グループは、時間の情報を処理する脳領域として、海馬と線条体に着目しました。5分おきにエサの報酬を獲得するようにラットを訓練させたところ、神経細胞は、分単位の時間経過と関連して活動を変化させることを発見しました。
近年、生体材料と人工物を組み合わせたバイオハイブリッドロボットが注目を集めています。これまで、これらのロボットでは前に進みながら旋回する大回りの旋回動作である、匍匐(ほふく)移動や魚類のようなヒレによる泳動しか行えていませんでした。 東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授と早稲田大学理工学術院の森本雄矢准教授らによる研究グループは、培養骨格筋組織の収縮運動によって「柔軟な足」で屈曲して動く二足歩行バイオハイブリッドロボットを世界で初めて製作しました。本研究で実現したロボットでは、一方を駆動足、もう一方を軸足に用いることで、ロボットボディの内側に旋回中心を設けることが可能になり、ヒトの二足歩行運動で観察される細やかな旋回運動を再現することに成功しました。 この研究の成果は、バイオハイブリッドロボットの開発に加え、ヒトの運動メカニズムの理解につながります。薬剤添加時の運動改善効果解析、
東京大学は、ブルックヘブン国立研究所などの研究グループと共同で、スピン三重項の励起子が生み出す反強磁性励起子絶縁体について、イリジウム酸化物を用いた実験により、その存在を明らかにした。 反強磁性励起子絶縁体の特定でカギを握る「縦モード」の検出 東京大学理学系研究科の諏訪秀麿助教は2022年2月、ブルックヘブン国立研究所、ポールシェラー研究所、テネシー大学、アルゴンヌ国立研究所、オークリッジ国立研究所、中国科学院、上海科技大学の研究グループと共同で、スピン三重項の励起子が生み出す反強磁性励起子絶縁体について、イリジウム酸化物(Sr3Ir2O7)を用いた実験により、その存在を明らかにしたと発表した。 電子と正孔(ホール)の結合状態である励起子が、ボーズ・アインシュタイン凝縮を起こすと「励起子絶縁体」と呼ばれる状態となる。この現象は古くから理論的に予言されていたが、実際の物質でスピン三重項の励起
東洋文化研究所 西アジア研究部門 教授 桝屋友子 定説を疑え。イスラーム美術をひも解き、新たな事実を発見。 日本とは馴染みが薄いと思われるイスラーム世界だが、明治時代からその美術品は徐々に蒐集されるようになった。現在、日本が東アジアで最大のイスラーム美術品のコレクションを有することはあまり知られていない。桝屋はこのイスラーム美術をテーマに、13~14世紀のモンゴル帝国が栄えた時代のイランにおける東西の文化交流をはじめとした研究を行っている。 生まれ育った港町長崎の土地柄、幼少から外国の文化や歴史に興味があった。小学生の時にイギリスの童謡マザーグースの絵本を読んで以来、その虜に。「高校生になると、マザーグースの大家である東大の平野敬一先生の下で勉強したいと考えました」。 東大に入学すると、晴れて平野先生の全学自由研究ゼミナールに参加。しかし、先生の定年に伴い、さらなる指導を仰ぐことは叶わなか
地質学の研究は、地球が歴史上何度もの大量絶滅を繰り返してきたことを明らかにしている。 近年、気候変動によって私たちの生活は変わり続けている。この時代、私たちが何をするべきなのか、磯﨑行雄氏にお聞きした。取材時は、非常に繊細な温暖化のお話をファクトと仮説を丁寧により分けながら、時にデータを元に丁寧に語っていただけた。ぜひ、最後までお読みになっていただきたい。 磯﨑行雄:理学博士。1978年大阪市立大学理学部卒業。山口大学助手、東京工業大学助教授を経て、2000-2021年 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻教授。2007年アメリカ地質学会フェロー、日本地質学会賞。2019年日本地球惑星科学連合フェロー。現在:東京大学名誉教授、大学院総合文化研究科特任研究員。磯﨑:チバニアンってご存知ですか? -チバニアン? 磯﨑:「国際標準模式地」と呼ばれる、ある地質時代を代表する模式的な地層が観察で
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2300年前の弥生時代人の全ゲノム解析によって、私たち日本人の祖先についてより明確な姿が描き出された。 東京大学大学院理学系研究科の大橋順教授らの最新の研究によると、日本人の起源に関する有力な仮説「二重構造モデル」を裏付ける結果が得られている。 つまり、旧石器時代の終わりに日本に渡来した「縄文人」と、その後に朝鮮半島から渡来した東アジア系と東北アジア系の両方をルーツに持つ弥生人の混血が、現代日本人に至る祖先集団となったのだ。 日本人のルーツに関する2つの有力仮説 私たち日本人とは一体何者なのか? そのルーツに関して有力な仮説が、「二重構造モデル」と呼ばれるものだ。 まず旧石器時代の終わりに(紀元前14000年頃)、日本列島にやってきた人々の子孫が縄文人になった。 さらに時代が流れ、弥生時代(前10世紀頃~後3世紀中頃)から古墳時代(3世紀中頃~7世紀頃)になると、今度は朝鮮半島から東アジア
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の空気伝播におけるマスクの防御効果とマスクの適切な使用法の重要性を明らかにしました。 マスクにはSARS-CoV-2粒子の対面する人への暴露量を減らす効果と吸い込みを抑える効果があることわかりました。N95マスク(注1)は密着して使用しないと防御効果が低減すること、また、マスクだけではウイルスの吸い込みを完全に防ぐことができないことも明らかになりました。 マスクの適切な使用方法の理解に役立つことが期待されます。 発表概要 東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野の河岡義裕教授らの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の空気伝播におけるマスクの防御効果とマスクの適切な使用法の重要性を明らかにしました。 SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19は2019年末に中国で発生し、未だ終息の兆しを見せないまま世界
*2023年11月30日、[発表のポイント]イラスト・クレジット修正 2023年11月30日 東京大学 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター 科学技術振興機構(JST) 発表のポイント 宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による世界的な連携観測によって、太陽系から約100光年離れた恒星HD 110067の周りで6つのトランジット惑星を発見した。 6つの惑星は、全ての隣り合う惑星同士の公転周期が簡単な整数比で表される尽数関係にある。 この惑星系は、惑星がどのように形成したかを考える上で貴重な惑星系となるほか、それぞれの惑星大気の観測が行われれば、惑星の大気獲得過程や恒星からの光が惑星大気の散逸や化学進化に与える影響の理解につながると期待される。 発見された6つの惑星の位置を一定の時間間隔で繋いだ線が作る幾何学模様 クレジット:Thibaut Roger/NCCR PlanetS、CC BY-NC-
東京大学の60代の教授が、大学院生から求められていた論文の指導に、提出期限の間際まで応じていなかったことがアカデミックハラスメントに当たるとして停職の懲戒処分を受けました。 東京大学によりますと、60代の教授は、指導している大学院生が、おととし春に提出する予定だった博士論文について、指導や助言を再三、求められていたのに、3か月余りにわたって応じなかったということです。 そして、論文の提出期限の3週間前になって初めて、大学院生に対し、文献の不足を指摘したり、論文の根幹に関わることを問うようなメールを送ったりしたということです。 大学は、こうした行為がアカデミックハラスメントに当たるとして、教授を、先月20日付けで停職1か月の懲戒処分にしました。 教授は、大学に対し「教育指導上の効果をねらっていたもので、大学院生を傷つける意図はなかった」と説明しているということです。 東京大学の齊藤延人理事・
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。本学の教職員を代表して、心よりお祝いを申し上げます。 みなさんは、COVID-19のパンデミックをはじめ、さまざまな苦難に社会が直面する時代において本学の入試を突破し、この場に集っておられます。その努力に対し、心から敬意を表します。同時に、みなさんを支えてこられたご家族の方々、関係するみなさまにもお祝いをお伝えしたいと思います。 みなさんがこれから学びはじめる大学という場所は、一人ひとりのさまざまな可能性が多様につながり、育っていく場でもあります。現代では人びとをつなげ、ともに学ぶことを助けるテクノロジーも充実してきています。私たちは、世界中をつなぐ通信手段をもち、インターネットが「対話」の場を生みだし、自発的な学びが生まれていくという現代を生きています。本学においても、このパンデミックのなか、特に最初の一年間は、ほぼすべての授業がオンラインで
株式会社メディアドゥ(東証第一部 3678、本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO 藤田恭嗣、以下「メディアドゥ」)は、株式会社講談社(所在地:東京都文京区、代表取締役社長 野間省伸、以下「講談社」)、国立大学法人東京大学(総長:藤井輝夫、以下「東京大学」)とともに、デジタルコンテンツ構築・流通基盤整備への貢献を目的とする「講談社・メディアドゥ新しい本」寄付講座(※)を設置しますので、お知らせいたします。 期間は2022年4月1日〜2025年3月31日(3年間)で、東京大学大学院情報学環に設置いたします。 本寄付講座の目的 寄付講座「講談社・メディアドゥ 新しい本」は、紙の書籍や電子書籍という形で蓄積されている豊富な知識や情報を、デジタルネットワーク機能と融合させて、いわば「新しい本」のプロダクトデザインをしていく研究です。 デジタルネットワークには、可変性の高さや、多言語化の容易さ
植物は痛みを感じるの? ヒトなどの動物は、外傷を加えられると痛覚神経が活性化し、痛みのシグナルを全身に伝えます。では、植物はどうなのでしょうか? 最近の研究から、植物にも動物と似た、外傷を伝える仕組みが備わっていることが分かってきました。シロイヌナズナの細胞内でカルシウムイオン濃度変化を可視化すると、イモムシにかじられた部分で急速にカルシウムイオン濃度が上昇し、維管束の師管を通って離れた葉にも伝わることが分かりました。さらに、そのカルシウム濃度上昇により、植物の外傷応答に関わる遺伝子の発現や、植物ホルモンの一種ジャスモン酸の濃度が増加し、適切な外傷応答が制御されていることも分かりました。そして、このカルシウム濃度の上昇を引き起こすのは、動物の神経伝達物質としても使われているアミノ酸の一種グルタミン酸でした。グルタミン酸を受容して活性化するイオンチャネルが植物に発現しており、カルシウム濃度の
東京大学経済学部資料室では「〔書き込み式〕図書館資料保存の基本」2021年度版をPDFで公表しました。以下(東京大学リポジトリ)から自由にダウンロードできます。 ※刊行物のページからもリンクをはってあります。 「〔書き込み式〕図書館資料保存の基本」は、図書館における資料保存業務の参考に供するため、最低限必要と考えられる知識やポイントをまとめたものです。 イラスト・写真・図表を用いて視覚的にわかりやすく、また必要に応じて自由に書き込んで活用できるように配慮しました。 2020年度版の内容を改訂するとともに、感染症対策の基本も盛り込みました。 全国の主要な図書館には、紙媒体でも送付してあります。
東京大学大学院総合文化研究科の酒井邦嘉教授とIT企業のグローバルビジョンテクノロジーは、世界で初めてとなる脳科学的英語トレーニングアプリ開発の共同研究を始めた。同時に、新しい英語トレーニング法が脳に与える影響を明らかにし、効果を検証する。 酒井教授は生物物理学や脳神経科学、言語学など異なる分野の研究実績を持ち、文法判断が左脳の前頭葉にある文法中枢で日本語、英語に関係なく、共通してなされていることを突き止めている。 文法中枢に直接働きかける方法を開発して利用すれば、英語の習得をより自然な形で進められると考え、文を生成するトレーニングに着目。バイリンガルエンジニアを多数そろえ、企業のグローバル化を支援しているグローバルビジョンテクノロジーとともに、トレーニングをスマートフォン上でできるアプリを開発することにした。 日本人の英語運用能力は長年低いとされ、英語教育改革の効果が出ないまま、世界各国中
(2)日本のゲーム研究・前史(1980~1990年代)(7冊)日本では1980年代から、テーブルトークRPGのムーブメントを担った安田均や多摩豊が優れたゲーム論を書いていた。また、1990年代には学者や評論家によるゲーム論やゲーム産業論、ゲームクリエイターによるゲーム論が登場する。それらは「ゲーム研究」というディシプリンを意識して書かれたものではなく、なかには「研究」とは呼べないようなものもあるが、ゲームについての深い思索や鋭い洞察を含むものとして、今なお読むに値する。 (2-1)安田均『SFファンタジィゲームの世界』(青心社、1986年) デジタルゲームを(その一部として)扱った日本語の単独の出版物は、これが最初かもしれない。海外SFの翻訳家・批評家として出発した安田均は、本書出版の翌年にグループSNEを立ち上げ、テーブルトークRPGを日本に紹介する役割を一身に担った。本書でいう「SFゲ
東京大学は、令和9年度までに女性の教授と准教授、合わせておよそ300人を新たに採用する計画を発表しました。東京大学の女性教員の採用としては、これまでにない規模だということです。 東京大学は、教員などの多様性を高めようと令和9年度までに教員全体に占める女性の比率を25%以上とする目標を掲げていますが、ことし5月時点で、およそ16%にとどまっています。 このため東京大学は、今年度から令和9年度までの6年間で▽女性の教授141人と▽准教授165人の合わせて306人を新たに採用する計画を発表しました。 東京大学の女性教員の採用としては、これまでにない規模だということで、大学は「多様な視点を取り入れる意識改革に取り組むとともに、女性研究者のキャリアアップも支援したい」としています。 女性教員の割合をめぐっては、OECD=経済協力開発機構がおととし(2020年)加盟国を対象に行った調査で、大学などの高
DATE2024.10.15 #Press Releases 弥生時代人の古代ゲノム解析から渡来人のルーツを探る 発表のポイント 土井ヶ浜遺跡から出土した弥生時代人骨からDNAを抽出し、全ゲノム解析を行った。 弥生時代に朝鮮半島から来た渡来人が縄文人と混血し、現代日本人に至る祖先集団が誕生したことがわかった。 渡来人の主要なルーツが解明されたことで、日本人集団の形成過程に対する理解が深まることが期待される。 DNAを抽出した約2,300年前の弥生時代人骨 発表概要 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻のキム・ジョンヒョン大学院生(博士課程1年生)と大橋順教授の研究グループは、東邦大学医学部の水野文月講師、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムの松下孝幸館長らと共同で、山口県の土井ヶ浜遺跡(注1)でみつかった弥生時代人(図1)の全ゲノム配列解析を行い、弥生時代にユーラシア大陸東部から日本列島に渡
発表のポイント 植物に定着する糸状菌の共生から寄生への感染戦略の切り替えに必要な菌二次代謝物生合成遺伝子クラスターを明らかにしました。 たった一つの菌遺伝子クラスターが共生から寄生への移り変わりを支えていることを発見したものであり、寄生菌と共生菌の違いが実は紙一重であることを示しています。 微生物そのものは殺さず、植物にとって悪い行動の元になる菌因子の活性だけを抑える防除法の開発につながることが期待されます。 発表概要 東京大学大学院総合文化研究科の晝間敬准教授と、同大学院新領域創成科学研究科の岩崎渉教授、同大学院農学生命研究科の田野井慶太朗教授、大森良弘准教授、北海道大学大学院理学研究院の南篤志准教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの岡本昌憲チームリーダー、薬用植物資源研究センターの佐藤豊三客員研究員、奈良先端科学技術大学院大学の西條雄介教授らによる研究グループは、植物に定着する内
新入生の皆様、ご家族および関係者の皆様、この度はご入学おめでとうございます。 2024年元日に能登半島を中心に起こった震災で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げると共に、現地で支援や復興に当たられている方々に敬意を表します。そして、そのような年の始まりの中で勉学を続け、入学試験に合格された皆様に心よりお祝い申し上げます。 私は11年前、皆さんと同じようにここ武道館で入学式に参加しました。新たなスタートを前に期待で胸を膨らませて皆さん側の席に座っていたことが、ついこの間のように思い出されます。駒場での2年間を経て医学部に進学し、研修医の時にはコロナ禍の緊急事態を医療現場で経験しました。皆さんも、あの困難な時期を乗り越えられ、本日こうしてお目にかかれたことを大変嬉しく思います。 外科所属の医師として働いたのち、ちょうど1年前からJAXA宇宙飛行士候補者として訓練に励んでいます。宇宙を目指し
インフルエンザの重症化と腸内細菌の働きの関係について、東京大学などのグループがマウスを使って実験をしたところ、基礎体温が高いほど腸内細菌が活性化し、重症化しにくくなったとする研究結果を発表しました。 この研究は、東京大学医科学研究所の一戸猛志准教授らのグループが行い、イギリスの科学雑誌に発表しました。 グループでは、基礎体温の高いマウスはインフルエンザウイルスに感染しても重症化しにくいことに注目し、マウスの血液に含まれる物質を詳しく調べました。 その結果、基礎体温が通常よりも1度高い38度より高くなるよう飼育したマウスでは、炎症を抑える働きのある「二次胆汁酸」という物質が血液中で大幅に増加していることが分かったということです。 「二次胆汁酸」は腸内細菌が作り出す物質で、基礎体温が高いマウスでも人工的に腸内細菌の働きを抑えると、感染によって死ぬマウスが増えることも確認できたということです。
岐阜県飛騨市神岡町の地下で進められているハイパーカミオカンデ実験の建設において、2023年10月3日に本体空洞の上部ドーム部分(直径69m, 高さ21m)が完成しました。 ハイパーカミオカンデ計画は2020年に開始し、2021年5月のトンネル掘削を皮切りに順調に建設作業を進め、2022年11月から本体空洞の掘削を開始し、岩盤の安定性を確保しながらドーム部の空間を徐々に広げる作業を行ってきました。現在はドーム部掘削に続き、さらに下の円筒部の掘削を開始しています。円筒部分は直径69m、高さ73mでドーム部と合わせると地下の人工空洞としては世界最大規模の大空間となります。今後2024年に円筒水槽部の掘削を進め、2025年に水槽ライナーの建設を行います。2026年には光センサーなど水槽内の機器を取り付け、2027年に運転を開始する予定です。 完成した本体空洞ドーム部(直径69m, 高さ21m) ハ
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