相川祐里奈・著 『避難弱者』 という福島原発事故での高齢者福祉施設の避難ルポルタージュを読み、 あらためて「想像」してみることのたいせつさを痛感した。 ----ー 東北大震災のとき、テレビは津波を実況中継した。 現実に起こりつつある津波の恐ろしさが全国に放送されていた。 画面では、まだ陸地から離れたところを進んでいるときはそれほど高い、 大きいとは感じなかった津波が、こっちへ近づくにつれ見るみる間に盛りあがり、 家々や車、電柱などすべてをなぎ倒し、おもちゃのように転がし、呑みこんだ。 画面に釘づけになり、特撮映画のような現実を受けいれるのに精いっぱいの最中に 私たちヒラの国民には想像もできなかった歴史的な大事故が起きていた。 福島第一原子力発電所の「想定外」の事故(専門家にも想像できなかったらしい。 ヒラに想像できなかったのはあたり前)。 「想定外」に大きな津波という自然災害にショックを受