「今日も田原が投げるのか……」 背番号37がコールされると、場内に鳴り響くのは登場曲レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『Around the World』。あの頃、東京ドームへ行く度にマウンドへ上がる田原誠次を見ていた気がする。 第2次原政権が終わり、現役引退してすぐの高橋由伸監督が就任した巨人はV3時代の主力選手が高齢化し、世代交代も滞っていた。最強キャッチャー阿部慎之助の時代が終焉し、岡本和真もまだ2軍育成中で、2016年開幕戦の巨人スタメンは「4番ギャレット、5番クルーズ」である。当時、最も話題になったのはスタンドで観戦するマイコラスの嫁ローレンさん。“球場に行けば会える美人妻”ってそれ野球に全然関係ないんじゃ……なんて真っ当な突っ込みは野暮だろう。 1800万円「最もお得な中継ぎ投手」 今振り返ると、完全にチームの過渡期である。16年シーズンは広島カープに独走を許し、エース菅野智之