茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊して広い範囲で浸水し、市内で3800人以上が一時、住宅などに取り残されました。そんななか、互いに励まし合い孤立を乗り切るために使われたものがありました。糸電話でした。 浸水で停電も起き、姉妹は心細さを感じたということです。近くに住む80歳と79歳の両親の安否も気がかりでした。 しばらくして、両親が浸水した自宅から避難所に保護されたと恵理さんに伝えられました。しかし両親の無事を姉に伝えようとしても、姉の携帯電話はバッテリーが切れていました。さらに隣り合う2軒の家は10メートル以上離れていて、窓越しに叫んでも救助活動中のヘリコプターの音で声はかき消されたということです。 そこで思いついたのが、子どものころ、よく遊んだ糸電話でした。紙コップに刺しゅう糸を通して糸電話を作り、恵理さんの夫が屋根をつたって姉の家に近づき、ベランダに投げ入れました。恵理さんが糸電話で「