南米最貧国の一つに数えられてきた人口約80万人の小国ガイアナが、劇的な経済成長を遂げようとしている。沖合で複数の油田が発見されたためで、国際通貨基金(IMF)は2020年の経済成長率が前年の4.4%から85.6%に急上昇すると予測している。ただ、国内は2日投票の総選挙の開票結果を巡り混乱しており、政治の安定が発展の鍵を握りそうだ。 ガイアナ沖では15年以降、米石油大手エクソンモービルなどが相次いで海底油田を発見。天然ガスの原油換算分を含め、推定原油埋蔵量は計80億バレル以上に上る。エクソンモービルが主導する共同企業体は19年12月に原油生産、20年1月に輸出を開始した。ガイアナ政府は、油田の使用料収入で年間3億ドル(330億円)を得る予定だ。IMFによると、20年のガイアナの1人当たりの国内総生産(GDP)は、現在の約50…