2018年11月の米中間選挙で下院議員に当選し、注目を集めている共和党の新人がいる。戦場で片目を失った「眼帯の元ネイビー・シールズ」、テキサス州ヒューストン出身のダン・クレンショーだ。 トランプ政権下で分断が進むアメリカで、「リベラルも保守も互いを許容できる」と唱えるクレンショー。『サタデー・ナイト・ライブ』で、その風貌が「ポルノ映画の殺し屋みたい」とネタにされても、冷静な対応で株を上げた男の魅力とは──。 黒い眼帯の下のきらめき ダン・クレンショー(34)の良いほうの目はそれなりに見える。だが、よく見えるというほどではない。眼球の虹彩に損傷があり、網膜にも傷があるのだ。爆発に巻き込まれてからすでに6年が経ついまでも角膜に小さな破片が浮かんで見えることがあるという。 悪いほうの目はどうかというと、眼球はもうない。眼帯の下にあるのは濃紺一色の義眼だ。本来ならば瞳孔があるはずの中央部には「黄金