第18章:裏口から入って来た警察署長 アイゼンハワー将軍が、イタリア側の承諾なしに無条件降伏を発表したのが1943年の9月8日。しかしその2日後に、ローマは電光石火のごとく進撃してきたドイツ軍に占領されてしまった。ドイツ軍は、9月12日にムッソリーニを救出すると、9月23日にはドイツの傀儡政権「イタリア社会共和国」を樹立して、ムッソリーニを「統領」という地位に据える。この傀儡国家はイタリア北部のサロに暫定首都をおいたので、通称サロ共和国と呼ばれた。 サロ共和国は、日本の「満州国」や世界を震撼させた親ロシア派の「ドネツク自治共和国」と同様、国際社会から認知された国ではない。サロ共和国は、バチカンが認めなかっただけではなく、ナチスの言いなりと思われていたフランスのヴィシー政権や、ファシズム路線でムッソリーニと歩調をあわせていたスペインのフランコ将軍ですら承認を拒否した。しかし世界で唯一、日本だ