――初めにお伺いしたいのですが、安倍元首相の銃撃事件のことを最初に耳にされた時、高安さんはどのように受け止められたのでしょうか? 戦前の日本では政治家の暗殺というものはしばしば起こっていたわけですね。それが政治の自由な空間を少しずつ圧迫し、最後には窒息させてしまいました。戦後日本で首相経験者が暗殺されるということ、それ自体が驚愕である一方、どのような背景でそういう事態になったのかということが大変心配でした。私たち市民が十分に認識していないところで、日本の政治社会に何か重大なことが起きている現れなんじゃないのか――そういう不安がありました。 戦後これまでにも、国政・地方を問わずに政治家が狙われるということはあり、命を落とす事件も少なくありませんでした。今回の事件を受けて、当初「民主主義に対する挑戦」という言葉が聞かれましたが、それは今回の安倍元首相の場合に限らず、強く非難し否定するということ