「東京に地震が来るかもしれないだろう? だから家は買わないポリシーなんだ」 不動産業界に長年いると、このような話をたびたび聞かされる。自宅を購入した直後に地震がきて家が壊れ、住宅ローンだけが残る――。震災リスクを恐れて賃貸に走る人は、きっと、こんなシーンを脳裏に描いているに違いない。 東日本大震災直後にこのような心理状況になった人の割合が高まったことは事実だ。弊社が運営している「住まいサーフィン」で、消費者の住宅購入マインドを四半期ごとに調査しているが、震災直後は「地震が怖いのでしばらく様子を見る」、「賃貸に住み続けることも選択肢に入れる」というようなコメントが散見された。 自宅は、人生で最大の買物だという人も多い。震災被害だけでも怖いのに、震災が自分の資産をすべて消してしまう可能性を考えると、とても分譲物件には手を出せない、と思ってしまうのも理解できる。 だが、「買わない選択」が本当の意