ボルトン本にて、新疆ウィグル地区における強制収容所の設置に関してトランプが習近平から説明を受け、それに理解を示したという記述があるようだが、ここ数週間の米国内の「内乱」に対してトランプが示した姿勢を考えると不思議ではない。違いは米国には「合衆国憲法」という制約があったこと。
新型コロナウイルスが発生し感染が拡大した武漢を視察に訪れた習近平国家主席(2020年3月10日、写真:新華社/アフロ) (福島 香織:ジャーナリスト) 習近平がG20の特別サミットテレビ会議(3月26日)で重要演説をし、「ウイルスに国境はない。感染症はわれら共同の敵。各国は手を取り合って立ち上がり、最も厳密な共同防衛ネットワークをつくらねばならない」と、世界に呼びかけた。 翌日のトランプとの電話会談では、米国に中国側の新型コロナ肺炎対策に関する詳細な経験を紹介し、「米国の困難に陥っている状況を理解している。できる限りの支持を提供したい」と、あのトランプに習近平がいろいろとアドバイスして差し上げたようだ。米国が中国以上の新型コロナ肺炎の感染者を出し、ニューヨークの医療崩壊に直面している中で、習近平がトランプに「助けてあげようか? その代わり・・・」と上から目線で問いかけ、世界のリーダー然とし
いつまでも危機意識が薄い日本政府 日本は中国が沖縄県・尖閣諸島に武力上陸した場合、どう対応するつもりなのか。防衛白書には「島嶼部を含むわが国に対する攻撃への対応」と題した1節が設けられ、奪回作戦がイラスト入りで記されている。だが、私に言わせれば、これはほとんど絵空事だ。 先週は、他人事のように受け止められがちな台湾情勢について「台湾危機は日本の危機」と指摘した(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81824)。尖閣諸島についても、中国海警局の武装船が押し寄せ、接続水域にとどまらず、領海にも侵入を繰り返しているのは、ご承知の通りだ(https://www.kaiho.mlit.go.jp/mission/senkaku/senkaku.html)。
売却要求の「本質的な問題」 売却か、それとも使用禁止か――。 アメリカのトランプ大統領は8月3日、中国企業バイトダンスに対し、交渉期限を「9月15日」と区切って、傘下の動画投稿サービス「TikTok(ティックトック)」の米国内事業の米企業への売却要求を突き付けた。 この売却交渉には、米マイクロソフト社が早くから名乗りを上げており、トランプ政権がとりあえずマイクロソフトの買収要望を容認した格好になっている。ただし、売買交渉が不調に終われば、トランプ政権は当初からの主張通り、TikTokのアメリカ国内でのサービス提供を禁止するとの姿勢を変えていない。 驚くべきことに、買収が実現した場合、バイトダンスが得るはずの売却益の一部を米国の国庫に納めることも迫っている。中国政府はこのあまりの乱暴さに反発、トランプ政権を「泥棒」と呼んで批判しているという。 こうしたトランプ政権のエスカレートぶりは、同大統
かつての大日本帝国のように、自滅への道を歩み始めたように見える習近平・国家主席と中国共産党(写真:新華社/アフロ) 日本の敗戦をピタリと予測した石原莞爾 「大ばくち もとも子もなく すってんてん」 国力をはるかに超えた無謀な戦争を米英蘭支に仕掛け、明治以来、獲得したすべての海外領土・占領地を失ったばかりか、数百万の国民を死なせ、灰燼(かいじん)に帰した皇土が敵国の欲するままに支配され、自立や独立さえ失う運命となった敗戦国日本。その喜劇的でさえある愚かさを詠んだ、満洲映画協会理事長の甘粕正彦の辞世の句である。 この句が満洲国の首都新京で詠まれた昭和20年(1945年)8月20日を遡ること数年前、大東亜戦争が華々しく幕を開ける以前から、こうした結末を繰り返し、ピタリと言い当てていた陸軍の戦略家がいた。日本の敗戦とともに消滅した満洲国の建国の青写真を描いた石原莞爾その人である。彼は次のように予言
中国不動産「34億戸大量在庫問題」がヤバすぎる! 中国では不動産バブル崩壊に歯止めをかけようと、昨年から一転、不動産市場規制の緩和に動いている。 一方で、物理的にバブルを崩壊させないために、不動産価格の大きな変動を禁止する値下げ禁止令も相次いでいる。 不動産価格は下げさせない、だが不動産在庫は減らせ、という市場メカニズムを無視した共産党の矛盾する方針の中で、スイカや小麦やニンニクで支払いできる不動産を売り出す不動産企業が登場したり、預金は十分があるのに家を買わない市民を「悪意で家を購入しない人物」として圧力をかけたり、親の老後資金で若者に不動産を買わせることを奨励したりと、支離滅裂な政策が氾濫している。 こんなことで、果たして、中国バブル崩壊は回避できるのか。 中国の不動産業界は、いま空前の不動産在庫余りだ。 2006年ごろから、中国では必要戸数と言われる住宅数のおよそ2~3倍の数の不動産
昨年と今年の2年続けて、先進国17カ国を対象に行われた世論調査によると、中国に対する一般市民の認識は引き続き全般的に否定的であり、中国の指導者である習近平総書記に対する信頼度は過去最低の水準にまで低下しています。 アメリカ政府が運営する国際メディアの美國之音の記事より。 習近平への信頼度は過去最低 ワシントンに拠点を置くピュー研究所が6月30日に、先進国17カ国で昨年夏と今年夏に実施された2回の世論調査の結果を発表しました。 17カ国中15カ国が「中国政府は中国国民の個人的自由を尊重していない」と思っているとのことです。 イタリア、韓国、ギリシャ、オーストラリア、カナダ、英国では、2018年以降、この見解を持つ人の数が大幅に増加しています。 米国でも、国民の90%が中国は個人の自由を尊重していないと考えており、支持政党別では共和党支持者の93%、民主党支持者の87%がこのように考えています
イエレン財務長官らは、これまでに何回も中国の過剰生産能力は世界経済にマイナスだと警告してきた。欧州委員会からも、中国製のEVは産業補助金や土地の供与などで過度な価格競争を引き起こし、欧州メーカーの収益が減殺されていると批判を強めている。 それに対して中国は、まったく問題は存在しないとのスタンスだ。米国の関税措置に関して、中国政府は即座に対抗措置を示唆した。19日、中国は、日米EUおよび台湾から輸入している、ポリアセタール樹脂(自動車部品などに用いる石油化学製品の一つ)を対象とするダンピング(不当廉売)調査を開始した。今後、中国からの対抗措置は増えるだろう。 バイデン政権の対中制裁措置、それに対する中国の対抗措置は米中の貿易戦争のきっかけにもなりかねない。米中の貿易摩擦熱は高まり、先端分野などでの米中対立の激化は、自動車や化粧品などの分野で中国依存度が高まったわが国にとって無視できない逆風に
すでに日本が主導的な役割を担っている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に比べると、関税の撤廃については参加各国の既得権の保護が断然に優遇されていて、10~20年以上の長期にわたっての段階的な引き下げである。だが、中国は、アジア圏での多国間にまたがる「自由貿易」交渉をまとめ上げたと成果を強調するに違いない。それには冷めた対応が必要だと私は思う。 日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)などによる巨大な経済圏の実現を目指す地域的な包括的経済連携(RCEP)交渉の首脳会合が15日、テレビ会議方式で開催され、交渉から離脱したインドを除く15カ国で協定に署名した。参加国全体での関税撤廃率は品目ベースで91%となる。日本にとっては、貿易額が最大の中国、3位の韓国と初めて結ぶ自由貿易協定となり、国内総生産(GDP)の合計、世界人口のそれぞれ約3割を占める巨大経済圏がスタートを切る。
中国の不動産大手・恒大集団の創業者である許家印が9月27日、警察に連行された。これに前後して、幹部のほとんどが身柄を拘束されたという。 金融システムに与える影響の大きさを懸念し「大きすぎて倒せない」と言われてきたが、創業者連行などの背景には海外への資金移動疑惑や、政敵の排除に利用されたとの説がある。 だが、不動産バブルの崩壊をはじめ中国経済は失策続きで、習近平が自らの失敗のスケープゴートにしようとしているという見方が妥当だろう。 (福島 香織:ジャーナリスト) 【関連記事】 ◎「次は李強首相」との噂がにわかに拡散、中国・習近平の大粛清時代に突入か(9月30日付、JBpress) 中国の民営不動産デベロッパー大手である恒大集団の創業者・許家印が9月27日、警察に連行された。その後の米ウォールストリート・ジャーナルの報道によれば、資産を海外に移動した容疑がかけられているようだ。 許家印はパスポ
週足 日足 高値110.209、安値110.060、始値110.062、終値110.174で小幅な陽線での引けとなりました。 昨日のドル円は5・10日で、実需企業による買いが入ったようですが、110円を超える数値では国内輸入企業によるショートが入り上値の重い動きとなりました。 欧米時間に入っても材料難からか、小幅な値動きが続き、上下で20pipsも動かない形での引けとなりました。 年初のイラン問題が凄まじく、動意に乏しい形が続いていますが、月末にはBrexitもあるので、そろそろ為替にも動きが見られるかもしれないですね。 日本の言論操作? 河野防衛大臣より、「中国の習近平氏が国賓待遇に関する日本の世論を操作するよう依頼があったが、断った」と報告があったようです。 米中関係の悪化により、日中関係は改善する方向へ動いていますが、尖閣諸島の問題など、中国の軍事行動による日中間の摩擦は依然、続いて
(福島 香織:ジャーナリスト) 9月下旬、中国の東北3省の多くの都市で相次いで大規模な停電が発生した。23日、瀋陽の公道では信号が消えたため渋滞が起こり、マンション、ビルではエレベータが止まり、断水し、食事が作れなかったりトイレが流せない状況が起きた。停電時間は短くて5時間、長い場合は十数時間に及び、断水は2日に及ぶところもあった。携帯電話が充電できず電子決済ができなかったり、親戚と連絡が取れない状況も起きた。パソコンが使えないから仕事もできない。学校は休校。一部商店ではロウソクで営業するありさまとなった。 予告なしの突然の電力供給停止であったため、一部工場や家屋では、石炭火力を使った装置や暖房の排気のための換気システムが止まり、一酸化炭素中毒などの事故も発生した。たとえば9月24日、遼寧澎輝鋳業有限公司では、停電で排気システムが止まり、鋳造用の高炉から発生するガスによる一酸化炭素中毒で工
北京地壇病院を視察し医療スタッフに声をかける習近平国家主席(2020年2月10日、写真:新華社/アフロ) (福島 香織:ジャーナリスト) 例年3月初旬から2週間弱の日程で行われる「両会」(全国人民代表大会=全人代と全国政治協商会議=全国政協)が新型コロナウイルス肺炎災害のために今年(2020年)は延期されそうだ。 2月17日に全国政協主席会議と全人代常務委員長会議が開かれて、それぞれこの問題を検討。24日に開かれる全人代常務委員会議で、全人代を延期するかどうかを正式に検討するという。新華社がこう報じているということは、ほぼ延期の方向で一致しているということだろう。 現実的に開催は困難 1949年以来、公共衛生事件を理由とした全人代の延期はこれが初めてとなる。3月以外に開催されたのは、1984年の全人代の5月15日開幕にさかのぼる。全国政協は2020年3月3日から、全人代は3月5日から、とも
なんだそうな。 「なんかデータを元にゼロコロナが良いとか言ってるのかな?」と思っていたのですが、データがないんでよね(自分の調べ不足有り) そゆデータとか載ってる記事ありましたか?(良かったら教えてください) 『集団免疫』や『寝そべり』といった戦略を採用すれば、想像を絶する結果に見舞われる」とも語った。中国では学業や労働のプレッシャーに耐えられず、過酷な競争から離脱し、手の届く楽な生活で満足する「寝そべり族」と呼ばれる若者が出現。当局はこれを問題視するようになっている。 ブルームバーグ あと記事の「ゼロコロナ政策」以外にも、「寝そべり族?」って強ワードがあったんですけど、知ってた方いますか?w 今回は触れませんが、中国も色々大変そうだなぁと思ったアタスでした。(ごろごろ)
中国の習近平国家主席は、新型コロナウイルスに感染して療養中の岸田総理大臣に電報で哀悼の意を表し、一日も早い回復を願うとともに、「新しい時代」の要求に応える日中関係を構築したいとの意向を表明しました。 米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。 コロナに感染した岸田首相に習近平国家主席がお見舞いの電報 岸田首相は20日夜に微熱と咳を発症し、21日午前に検査を受け、同日午後に新型コロナウイルス感染が確認されました。 今年2022年は日中国交正常化50周年ですが、近年両国関係は低空飛行を続けており、双方が突破口を開く機会をうかがっています。 新華社通信は、習近平国家主席は22日に岸田文雄首相に電報を打ち、新型コロナウィルスに感染したことへのお見舞いを述べたと報じました。 習近平国家主席は、岸田
本当の混乱はこれから 誰もが予想した通り、久々に再開した春節(旧正月)休暇明けの2月3日の上海株式市場は、一時9%もの大暴落となった。これはまだまだ、混乱の予兆に過ぎないだろう。 先週1月31日には、ついにWHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長が、中国発の新型コロナウイルスに関して「緊急事態宣言を出す」と発表した。中国は世界経済の約18%の規模を占めており、衛生上も経済上も、世界に与えるマイナスの影響は計り知れない。 WHOは1月23日、非常事態宣言の発令を「時期尚早だ」として見送っていたが、これに世界中から非難が出ていた。「これを緊急事態と言わなくして、WHOの存在などどこにあるのか?」というわけだ。私は先週、元WHO西太平洋地域事務局長の尾身茂氏に話を聞いたが、WHOが多分に政治的組織であることを知った。 ちなみにテドロス事務局長は、2016年までエチオピアで外務大臣をして
■台湾は香港の人々に必要な援助を提供する 「台湾は香港の人々に必要な援助を提供する」 【この記事の画像を見る】 台湾の蔡英文総統が自身のフェイスブックにこう書きこんだのは5月24日。中国が全人代で採択した「国家安全法」を香港にも適用するのではないかという懸念に対し、香港で大規模なデモが起きたさなかの事だった。 国際金融センターとしてヒト・モノ・カネが集まる拠点でもある香港が政治的に自由を失うことになれば、経済活動そのものも制限される。ヒトとカネの流出はすでに始まっている、との報道もある。すでに2020年1月から4月の間に香港から台湾に移住した人は2383人と、前年同期比150%増加したという公式統計もある。蔡英文の表明は、台湾がそうした香港からの流出の受け皿として手を挙げたことにもなる。 ■なぜ台湾をリスクを犯して支援するのか 一般に台湾の野党である国民党は中国寄り、大陸寄りとされるが、香
中国の買収に対する警戒心 現在のドイツの政権は、社民党、緑の党、自民党の3党連立で、社民党と緑の党は左派で、自民党は保守リベラル。だから、「社民党+緑の党vs.自民党」の対立は想像に難くないが、不仲は実はそこだけではない。社民党と緑の党もしっくりは行っていないし、緑の党に至っては党内部でも内輪揉めが多い。要するに、極めて不安定。 直近の政府の揉め事はというと、中国企業COSCOによるハンブルク港への出資問題。ハンブルク港は、オランダのロッテルダム、ベルギーのアントワープに次ぐEU第3の規模を誇る港で、見渡す限り積み上がっているコンテナの山は、壮大な眺めだ。そして、そのコンテナのターミナルを運営する会社が4社ある。 EUでは、EUの加盟国以外の国が、重要なインフラへの出資、あるいは買収を試みた場合、政府は審査の上、安全保障上などで問題があると見れば、それを阻止することができる。 港湾施設は重
何もかも「小手先の政策」… 中国政府は7月25日、「約3000億元(約6兆4000億円)を投じて乗用車や家電の買い替えを促す補助金を拡充する」と発表した。これから発行する予定の超長期特別国債(1兆元規模)から資金を捻出する考えだ。 具体的には、電気自動車(EV)など新エネルギー車の買い替え補助金を1万元から2万元に引き上げる。自動車産業は関連分野を含めると国内総生産(GDP)の1割近くを占めるとされているが、国内販売台数が2ヵ月連続で前年割れしており、補助金の大幅拡充でテコ入れを図る狙いがある。 不動産不況によって販売が低迷している家電(テレビ、エアコン、パソコンなど8種類)についても、原則として販売価格の15%を補助する。 中央政府がようやく重い腰を上げた形だが、「産業全体が抱える在庫は5月時点で16兆7000億元(約357兆円)に上る」との試算があり、急速な勢いで悪化する中国経済を救う
総スカンにあう習近平 中国株は23日、約半年ぶりの大幅下落となった。 前編『もう誰も習近平を止められない…!中国に誕生した「絶望のチーフエコノミスト」の正体』でお伝えしたとおり、第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)の開催中(15~18日)はいわゆる「国家隊」と呼ばれる公的ファンドによる買い支えで株価が上昇したが、23日の下落はこうした値上がり分をすべて帳消しにしてしまった。 3中全会の決定内容に対する海外の評価も散々だ。 「内容の乏しい方針は職務怠慢に等しい。中国にはこのような消極的な姿勢でいる余裕はない」(7月24日付フォーブス)、「中国当局はお茶を濁すことを好んでいるかのようだが、投資家の忍耐は限界に近づいている」(7月22日付ロイター)などだ。 気になるのは「習近平国家主席が今や中国のチーフエコノミストになった」(7月24日付ブルームバーグ)との分析が出ていることだ。 中国政
(福島 香織:ジャーナリスト) 中国のメディア弾圧にはそれなりの長い歴史があるのだが、10月8日に国家発展改革委員会が打ち出した「市場参入ネガティブリスト」(2021年)で、メディア産業から民間資本を締め出す政策が打ち出されたときは、いよいよ来るべき時が来た、という気がした。 発展改革委のホームページのリストを見ると、10月14日までパブリックオピニオンを求めるということになっており、まだ本決まりの通達ではないが、おそらくその中身が大きく変更されることはないだろう。 メディア運営に関われなくなった民間企業 公表されたリストは、ネガティブリストが6項目、ポジティブリスト(民間企業が入ってよい産業)が111項目の、計117項目。昨年(2020年)までネガティブリストは第5項目までしかなかったが、今年、第6項目に「ニュースメディア関連業務」が加えられた。 その第6項目の中身はおよそ6つに分けて説
「ニューオリエンタル・エデュケーション(新東方教育科技)」創業者のMichael Minhong Yu(Photo by VCG/VCG via Getty Images) 中国政府の個別学習指導産業に対する取り締まりは、この業界で最も著名な3人の起業家を直撃し、わずか数カ月の間に彼らの資産270億ドル(約3兆円)相当が吹き飛んだ。 最も大きな損失を被ったのは、以前はGSXテックエデュ(跟誰学)の社名で知られたオンライン教育企業「Gaotu(高途)」のCEOのラリー・チェン(陳向東)で、彼の保有資産は1月下旬の約160億ドルから16億ドルにまで減少している。 さらに、「TALエデュケーション」のZhang Bangxinの保有資産も、100億ドルから55億ドルに減少した。「ニューオリエンタル・エデュケーション(新東方教育科技)」創業者のMichael Minhong Yuも、同社の株価が半
習近平政権の強力なゼロコロナ政策は、中国の社会経済に多大な損害を与えるとみられる/CARLOS GARCIA RAWLINS/REUTERS (CNN) 中国が「ゼロコロナ」政策を緩和すると期待していた人々は、孫春蘭副首相に対し深く失望したことだろう。同氏ははっきりとしたメッセージによって、終わりが全く見通せない状況だと告げた。感染拡大の中心地となった上海を先ごろ訪れた時のことだ。 孫氏は中国が「力強いゼロコロナ」戦略を捨てることはないと宣言。その姿勢には「躊躇(ちゅうちょ)も動揺もない」とした。 当然ながら、上海では現在、厳格な措置へと舵(かじ)を切り、ウイルスを抑え込もうとしている。本来は的を絞った、効率的な手法によるパンデミック(世界的大流行)対策で知られる都市だった。 度重なる市を挙げての大規模検査や2500万人の住民に対するロックダウン(都市封鎖)に加え、濃厚接触者らを別の都市に
9月16日、ウズベキスタンのサマルカンドで開かれた上海協力機構の首脳会談に臨む習近平主席とプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ) 異例の「総書記3選」に突き進む習近平主席(69歳)にとって、2年8カ月ぶりの外遊は、何より1カ月後(10月16日)に迫った第20回共産党大会に向けて、「箔をつける旅」だった。41回目となったロシアのウラジーミル・プーチン大統領との「友情」を確かめる場ではなく、だ。 「一帯一路は沿線の国の国民に福をもたらす平和の道」 今回の外遊を総括した中国共産党中央委員会機関紙『人民日報』(9月17日付)の記事のタイトルも、「ヌルスルタンからサマルカンドへ、総書記とともに見る『一帯一路』成功の実践」。長文の記事の書き出しは、こんな調子だった。 <2013年も金秋の9月だった。習近平主席は、カザフスタンのナザルバエフ大学で行った演説で、重要な発表をした。演説の中で、習近平
中国の習近平国家主席(右、2022年10月23日撮影)と米実業家ビル・ゲイツ氏(同9月21日撮影、いずれも資料写真)。(c)Ludovic MARIN and Noel CELIS / AFP 【6月16日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は16日、同国を訪問した米マイクロソフトの創業者の一人ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏と北京で会談した。習氏はゲイツ氏を「旧友」と呼び、常に米国民に期待を寄せていると述べた。 習氏が外国人実業家と会談するのはまれ。共産党機関紙の人民日報(People's Daily)によると、習氏は4年ぶりに訪中したゲイツ氏に対し、「今年北京で米国人の友人に会うのはあなたが初めてだ」と語ったという。 習氏はさらに「われわれは常に米国民に期待を寄せており、両国民の間に末永く友情が続くことを願っている」と話した。 中国中央テレビ(CCTV)が放送し
香港(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は4日、ユーラシア大陸の国々が参加した上海協力機構(SCO)のオンライン首脳会議で演説し、地域内の指導者らに対して互いの連携を強化するよう呼び掛けた。その上で、地域に及ぶ外部勢力の影響に対抗することを求めた。 「外部勢力の影響」という語は、中国政府が米国の外交政策の意図を非難する際によく用いる。 習氏は「我々は外部勢力を高度に警戒する必要がある。彼らは地域内で『新たな冷戦』をたき付け、陣営間の対立を作り出す。いかなる国であれ国内事情への干渉や『カラー革命』の扇動を行う場合は断固としてこれに異を唱えなくてはならない」と主張した。「カラー革命」は、当該の国の政権転覆へとつながる政治的な運動を指す。 さらにSCOの加盟国については、地域の広範かつ長期的な利益に基づいて独自に外交政策を策定するべきだと指摘。各国の発展や進歩の道筋はそれぞれの国の手
ロシアによるウクライナ侵攻のどさくさに紛れて、中国が台湾侵攻に動く可能性がいま高まっていることは、前編記事『習近平が大暴走…ロシア「ウクライナ侵攻」のスキに狙う「台湾侵略」の危ない可能性』でお伝えしたとおりだ。 【写真】日本人は知らない…中国の「990万人コロナ検査」で見えたヤバい事実 そのXデーとなるのが、北京オリンピック閉幕後だと専門家は指摘する。実際に'14年のソチ五輪後に、ロシアはクリミア半島の併合に踏み切った過去を習近平は周辺に研究させているというのだ。 '14年2月、ソチ五輪終了後にウクライナ領だったクリミア自治共和国で親ロシア政権が成立。ロシア系住民の保護を目的にプーチン大統領はロシア軍を投入し、一気にクリミアを併合した。 このロシアによる一連のクリミア併合を仔細に研究しているのが、中国の習近平国家主席である。 『台湾有事』などの著書があるジャーナリストの清水克彦氏が言う。
南シナ海で起きていること 7月下旬、日本のメディアは久しぶりに尖閣諸島の話題で盛り上がった。原因は、中国海警局の船が尖閣諸島付近の接続水域を連続して100日以上航行したことだ。 連続航行は4月14日から8月1日まで続き110日を超えたが、その同じ期間には、中国海軍のミサイル艇も巡視船に連動して台湾付近に展開していたことを産経新聞が報じた。 この少し前には、やはり中国海警局の船が尖閣諸島付近の海域で日本の漁船を追いかけ回したという報道もあった。直後には中国が「周辺海域での日本漁船の操業は『領海侵入』だ」として「立ち入らせないよう」、外交ルートを通じて要求していたという。日本人にしてみれば、日本の領海や接続水域に侵入しておいて何を言っているのかと言いたくなるような、呆れた言い分だ。 一連の報道を見れば、中国がコロナ禍のなか、尖閣諸島へのプレッシャーを強めてきたとの印象は否めない。これは当節流行
習近平は総書記になった瞬間から軍民融合戦略を打ち出して軍の利益集団を倒し、今では米軍よりも軍事力で優位に立っている。だが全てを権力闘争に結び付けた日本のメディアが中国の真相を見えなくした。もう遅い。 習近平の「軍民融合発展戦略」とは 2012年11月15日、第18回党大会一中全会で中共中央軍事委員会主席に選ばれた習近平は、その年の12月23日、軍事委員会常務委員会で「軍民融合は我が軍を建設する基本だ」と言い、12月26日の軍事委員会拡大委員会で過去10年間の(江沢民時代)の軍隊建設を振り返って、「われわれは何としても軍民融合の道を歩まねばならない」と強調した。 2013年3月11日および2014年3月11日、全人代の解放軍代表団全体会議で「軍民融合を国家戦略のレベルに引き上げなければならない」としながらも、「体制的障害と利益集団の存在が障害として立ちはだかっており、未だに融合できない状況が
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