ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃に遭ってデータを暗号化されたら、復号しようと格闘するよりもバックアップから戻したほうが早い――。 ランサムウエア「WannaCry(ワナクライ)」が2017年に世界規模で猛威を振るった後、このようなノウハウがいっとき広まった。確かに2018年ごろまでのランサムウエア攻撃に対しては、バックアップデータさえ適切に保有していれば事業が止まるほどの深刻な事態には陥らずに済むケースが多かった。 ところが最近はバックアップを取っていたにもかかわらず、なかなか復旧できず事業に支障を来す企業が散見される。ランサムウエアを使う犯罪者がバックアップデータまで暗号化するように手口を悪質化させたためだ。 製粉大手ニップンが2021年7月に受けたサイバー被害が記憶に新しい。同社はランサムウエアとは明言していないが、サイバー攻撃によって財務管理や販売管理などの基幹システムのデ