吾輩は新卒の頃、東日本大震災やリーマンショックといった混乱の中で、社会の荒波に呑まれた。 就労支援なるものを頼りに虫の息で入社した会社は、あっけなく倒産した。その後も派遣会社を転々としながら働いたが、賞与の影は一度も現れた試しはなかった 賞与を求めて転職した会社でも、二年働いても賞与が出ず、ある飲み会の席で私と数名だけが賞与を受け取っていないことが明るみに出て、その後の面談でお暇することになった その後、大手通信会社に派遣の身分で身を置いたものの、そこで不逞の輩体現たるの上司と18時間も顔を突き合わせなければならず、やがて、うつ病が発現し、さらにADHDとASDの診断が下された。 しかし、私は諦めず、就労支援を通じて障害者雇用で働き続けた。最低賃金の増加の恩恵か、派遣時代よりも給料が上がり、ついに賞与が支給された。三十半ばにして、ようやく手にした初めての賞与である。 生まれてこの方、一度も