「『ジャベリンを携え、穏やかに話す』。なぜなら、我々はそれらを大量に送り込んでいるからだ」──。(防衛産業&安全保障 特集はこちら) バイデン米大統領は4月21日、ロシアの侵攻に抵抗するウクライナへの追加軍事支援策を発表した際、セオドア・ルーズベルト元大統領の外交姿勢を表した言葉「大きなこん棒を携え、穏やかに話す」を引き合いに出した。圧倒的な軍事力を背景に臨む「こん棒外交」として知られるが、こん棒に代わる象徴となったのが携行式対戦車ミサイル「ジャベリン」だ。 ジャベリンは売上高で世界一の米防衛企業ロッキード・マーチンと、2位のレイセオン・テクノロジーズが共同で生産する。発射前にロックオンした標的へ自律誘導で命中する「撃ちっ放し」が特徴で、兵士は発射後にその場を退避できる。また、戦車の装甲の弱い上部から攻撃することも可能で、ウクライナの首都キーウ(キエフ)に進むロシア軍を足止めさせ、ついには