基礎的な統計の教科書には,確かに,まず等分散の検定(通常はF検定)を行い,その上で,等分散なら通常のt検定,等分散でなければ,いわゆるウェルチ(Welch)検定を行うように書かれています。 しかしながら,この手続きは,それぞれ単独に検定する場合とは異なる方法を取るので十分注意が必要です。つまり,第1段階の等分散検定で,既に間違える可能性を含んでいるので,第2段階のウェルチ検定を合わせて行うと,単純に考えると,間違える可能性は2倍になってしまうのです。 この問題を的確に指摘しているのは,例えば, 群馬大の青木先生 http://bit.ly/rwk9RS 等分散であるかどうかを確かめてから,普通の t 検定を使うか,Welch の方法による t 検定にするかを決めるというのは,よくない。 愛知学院大・千野先生 http://bit.ly/sy0sx4 F検定とt検定という統計検定をこの順で続