「増税」vs「反増税」は本当の対立軸でない 今回のコラムに「社会保障費の削減が政治的に主張されない理由」というタイトルをつけた。ただし、筆者は「年金・医療・介護といった社会保障を“大幅に削減”するのが望ましい」と考えているわけではない。 政治の世界では「増税」vs「反増税」という対立軸が話題になることが多い。だが、これは本当の対立軸ではない。歳出の約半分に及ぶ財政赤字や、公的債務(対GDP)がもはや200%に達しつつある日本の財政状況を踏まえれば、本当の対立軸は「増税」vs「歳出削減」である。 このため、政治が歳出削減を重視する場合、社会保障予算の削減から逃避することは許されない。現状の財政・社会保障は持続可能でない。特に、社会保障予算は毎年1兆円以上のスピードで膨張している。経済学に「ノー・フリーランチ(ただ飯はない)」という言葉がある。何らかの便益を受けている経済社会が、そのコストを支
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