満員の通勤電車の中で急におなかがゴロゴロしてきて、停車した駅でトイレに駆け込む……。こんな経験を何度もしている人は、ストレスで脳がダメージを受けているのかもしれません。これはどんな病気で、どう治すのでしょうか。尾高内科・胃腸クリニック院長、尾高健夫さんに聞きました。【医療ライター・竹本和代】 ◇患者数1200万人! 過敏性腸症候群 ストレスによって腸の調子が悪くなるのは「過敏性腸症候群(IBS)」という病気です。検査をしても異常が見つからないのに、腹痛や腹部膨満感、腹鳴(おなかがゴロゴロすること)などの症状、下痢・便秘といった便通異常が慢性的に起こります。推定患者数は1200万人で、比較的若い世代に多くみられます。「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4タイプに分けられ、ほとんどは便秘型か下痢型です。患者数の男女差はないのですが、便秘型は女性、下痢型は男性に多くなっています。