遠いむかしですが、山梨県の甲府市に「スカイラーク」というファミレスがありました。今はガストと呼ばれている、あの系列のお店です。 30年も経ってしまったから、もうとっくになくなっているかも知れません。インターネットの力を持ってすれば、あるいは見つけられるかもしれませんが、このお話に場所は関係ないのです。 思い出のままに書いていくので、脈絡がおかしいのはご容赦ください。この話をするとき、僕はすこしだけ普通ではいられなくなるのです。 引っ越し その日はあわただしい雰囲気でした。父は朝から布団や毛布を車につみこんでいました。車はトヨタの白いハイエースでした。 きのうは、引っ越し屋さんが大きなトラックでやって来て、タンスや僕たちの机を全部つんでいきました。家の中は空っぽです。 父はいろいろなところへ電話したあと、大家さんにあいさつしてくると言って出かけました。 そのとき僕は、姉の友だちがくれた「あさ