大宮通りを想定、沿線再開発 奈良県は、世界遺産・平城宮跡(奈良市)を横断する近鉄奈良線の宮跡外への移設に向け、本格的な検討を始めた。宮跡を歴史的遺産として保護し、景観を改善すると同時に、線路を地下か高架にして、周辺道路の渋滞解消と沿線の再開発を同時に進める狙い。今後、国や奈良市、近鉄に働きかけ、早期実現を目指す。 近鉄奈良線は1914年敷設。当時の宮跡は一面の田畑だったが、調査や研究が進み、22年に国の史跡、52年に特別史跡に指定。98年には世界遺産に登録された。同年に朱雀門、2010年には大極殿が復元された。 宮跡の整備が進むにつれて、景観上の問題が指摘されるようになり、国土交通省は08年、線路の将来的な移設を前提に、宮跡を国営公園とする整備基本計画を発表していた。 県が移設先として想定しているのが、朱雀門の南約200メートルを東西に走る大宮通り。大和西大寺駅南側の車両基地周辺から、近鉄