厚生労働省が、多数の人が集まる公共施設を対象に求めた「全面禁煙」の通知。受動喫煙防止対策の強化を図るのが狙いだが、罰則や強制力はなく、効果のほどはわからない。客足に響く飲食店やパチンコ店関係者が反発を強める一方で、さらに対策を進めるために国に法整備を求める自治体も。海外に比べ遅れが指摘される対策は果たして前進するのだろうか。 ■「生ぬるい」 禁煙は世界的な潮流だ。世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」が平成17年に発効し、屋内の職場や公共施設などでの受動喫煙防止策の実現を求めた。19年には「100%禁煙以外の措置は不完全」とする指針が採択され、欧州で禁煙化が加速した。 日本も16年に条約に批准。厚労省は20年に検討会を設置し、昨年3月に「原則全面禁煙であるべきだ」とする報告書をまとめた。今回の通知もその延長線上にある。 ただ、通知に強制力はなく、月刊「禁煙ジャーナル」の渡辺文学編