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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/habupat (17)

  • 知的財産を「紛争の種」ではなく「成長の種」として意識しよう - 経営の視点から考える「知財発想法」

    1月5日発行の特許ニュース・新春特集号(No.14114)に、 「知財活用の裾野拡大に向けての提言 -中小企業経営を支える知財活動促進のヒント-」 が掲載されました。 以前に「中小企業が抱える課題と知財活動の効かせ方」や「中小企業は『知的財産』をどのように捉えているか」でも紹介した、昨年度の近畿経済産業局の調査事業で行った中小企業へのアンケート調査結果をベースに、これまで知財を意識してこなかった中小企業に、知財活動を通じてステップアップしていただくためには、どのような取組みを推進していくべきかを論じたものです。 その要旨は、「知財権をおさえないと模倣されてしまいますよ」「他人の知財権を侵害したら大変なことになりますよ」といった従来からありがちなパターン化された啓発活動ではなく、知財活動には多様な効果があること、販売力や人材面など各々の企業が抱えている課題に対して知財活動が有効に働き得ること

    知的財産を「紛争の種」ではなく「成長の種」として意識しよう - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2016/01/13
  • 説明できるか、できないか。 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    今年度は各地の経産局の中小企業向け知財支援事業をお手伝いさせていただいていますが、今日はその中で最近よく考えていることを、自分の頭の整理という意味も含めてまとめておきたいと思います。 ある事業で行った中小企業へのアンケートに、次のような数字がありました。 ・ 貴社の経営課題は何ですか? ⇒ 「売上の伸び悩みor減少」が約50%で断トツのトップ ・ 知財権取得の目的は何ですか? ⇒ 約70%が「参入障壁の形成・模倣品排除」を選択 この数字は、おそらくこのアンケートに限ったことではなく、一般的なイメージにも近いものだと思います。しかしながら、よく見てみると何か不思議な部分があるのではないか。売上が伸びない原因が模倣品の流通にあるのならば、確かに「参入障壁の形成・模倣品排除」が経営課題に対して有効なのだろうけど、そんなに多くの中小企業が模倣品に悩まされているのだろうか。参入障壁そのものが売上を生

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    shrk 2011/11/21
  • 知財担保融資のシミュレーション - 経営の視点から考える「知財発想法」

    久々に知財ファイナンス関連のニュースが出ています。大分の豊和銀行が知的財産担保融資ファンドを創設したとのことですが、プレスリリースには具体的な融資条件が一部公表されているので、実際どういった融資になることが想定されるのか、担保の対象になり得る知的財産権はどのようなイメージのものなのかをシミュレーションしてみましょう。 基的な融資スキームですが、まず知的財産(=知的財産権で保護された知的財産)の価値を定量的に評価し、評価額の30~50%を融資するとのことです。この他に対象企業の返済能力等も審査するようですが、私が15年ほど前に立上げを担当した日開発銀行(当時)の対象企業の返済能力先にありきのスキーム(資金需要や返済能力から融資額を決定した上で担保が足りるかどうかを検討する)に比べると、より‘担保融資’の色彩が強いもののようです。 評価額の30~50%とのことなので、知的財産の評価額が10

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    shrk 2011/09/07
  • あっしから戦術を学ぼうと思わんでください。 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    前回の坂の上の雲で、秋山真之が海軍大学校の戦術講座の教官となり、講義を行うシーンがありました。そこで初めに受講生に対して、このようなことを語りかけます(あまり正確には再現できませんが・・・)。 「皆さん、あっしから戦術を学ぼうとは思わんで下さい。刻々と戦況が変わる戦場で、人から習った戦術など役に立ちません。自ら戦術を組み立てられる能力が必要なのです。そのためには、多くの実戦にあたり、自らその中からどの場合にも変わらない質を導き出すことです。」 真之自身はいつも過去の実戦の戦術論集に読み耽っており、講義は実戦を想定した演習形式で行われ、それぞれのとった戦術の根拠を議論させ、そこで真之の考え方を披露していきます。 これって、知財マネジメント、知財戦略(戦術)にも全く同じことが言えるなぁと。どこかに体系的なマニュアルが用意されているものではなく、多くの事例にあたり、そこから自ら質を見出してい

    あっしから戦術を学ぼうと思わんでください。 - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2010/12/15
  • トンカチで机を叩かないように - 経営の視点から考える「知財発想法」

    先日訪問した企業の話です。その企業はある装置を開発・販売しているのですが、ある用途向けの装置の市場ではシェアが極めて高くなっており(100%というものもあり)、毎年相当程度の件数の特許出願を行っています。これぞ「特許で参入障壁を築いて市場シェアを高める知財戦略の典型的な成功例」と言いたくなるところですが、これだけを見て「トンカチにとってすべての問題は釘に見える」となってしまってはまずい。そこで「この高いシェアに特許はどのくらい、そしてどういうふうに効いているのでしょうか?」と素朴な疑問を社長様にぶつけてみたところ、「それには業界の成り立ちから説明する必要がありますね・・・」と、その理由について市場が形成された歴史、業界の特性から説明してくださいました。 お話を要約するとこんな感じです。この装置の市場は顧客ありきで形成された市場で、異なる製品を製造している顧客が各々が親しいメーカーに装置の開

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    shrk 2010/11/14
  • 特許、出しといてや。 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    今年に入ってからセミナー等で定着モデル(画像参照)を多用しているのですが、一昨日講師を務めた近畿知財塾では、参加された中小・ベンチャー企業の知財担当者の皆様に、自社の「知財活動の目的・位置付け」と「知財活動を実践する仕組み」を説明する演習にトライしていただきました。そこはさすが、知財塾に積極的にご参加いただいている方々だけあって、「知財活動を実践する仕組み」について様々なアイデアを実践されているのですが、「知財活動の目的・位置付け」のほうがなかなか難しく、あらためて問われると説明に苦心してしまう方が少なくありませんでした。ちょっと言葉が悪くて申し訳ありませんが、「知財活動が‘空回り’」(「7つの知財力」139~140p.)となるリスクのあるパターンです。 もちろん、知財担当者の最大のミッションは仕組みを作り、実践することであり、「知財活動の目的・位置付け」は経営者が考えるべきことと言えば、

    特許、出しといてや。 - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2010/10/28
  • 事業モデルが知財権を規定する - 経営の視点から考える「知財発想法」

    ある中小企業ヒアリングで考えたことを覚書的に。 その企業には、大企業でも対応できないハイレベルの課題が持ち込まれてくるのですが、その課題をクリアして製品を提供すると、元々大企業で対応できなかったものだから誰も簡単に真似できるようなものではない。だから、内製してノウハウの流出を抑えていれば独自の地位は維持できて、特許に頼る必要もないわけです。実際その企業の経営は、特許に頼らなくても順調に推移してきました。 ところがこの事業モデルには別のリスクが潜んでいます。中小企業の限られた経営資源で製品を内製しようとすると、こなせる量の制約から多種多様な製品を取扱うことが物理的に難しくなり、特定の企業向け、特定の製品への依存度がどうしても高くなってしまいます。そうすると、もしその企業や製品に何かが起こったらどうなるのか。経営全体に大きなダメージが生じかねない、一足の不安定な状態になってしまうのです。その

    事業モデルが知財権を規定する - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2010/10/20
  • 知財‘活用’企業 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    昨日から、某事業のヒアリングで中小企業2社を訪問させていただきました。いずれも‘知財活用企業’とかいった特集に取り上げられそうな研究開発型企業で、1社は独自製品の開発・販売に特化したファブレスメーカー、もう1社は特許のライセンスアウトで実績を上げている‘研究所’的な企業です。ビジネスモデルからして「知財活動は経営の根幹、システマティックな仕組みで取り組んでます」といった話が予想されたので、「貴社の知財活動の目的は?」なんてお伺いするのは今回はちょっと野暮だなぁ、などと思いながらインタビューに臨みました。 で、そのお話ですが、、いずれもかなりイメージとは異なるものでした。 1社目については、毎年コンスタントに特許を出願し、発明者も分散していることから、システマティックな発明提案制度、特許予算の確保などをイメージしていたのですが、「そういうルールは設けていない、ルールを作らないのが当社のやり方

    知財‘活用’企業 - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2010/10/14
    "それはあくまで必要なことを行い、必要なものにはお金を""ルール化はかえって仕事の固定化・形式化を招き、本来あるべき姿を歪めてしまうおそれ"/"狭義の知財活動の占める位置の限界"
  • 経営に効くか? - 経営の視点から考える「知財発想法」

    日は拙著‘経営に効く7つの知財力’の宣伝です。 今年で弁理士登録から10年になるのですが、大袈裟に言えばその集大成、どうして金融を離れて知財の世界に足を踏み入れたかという原点を振り返り(そう言えば一昨日からのニュースでも原点がどうのこうのって話がありましたが)、中小・ベンチャー企業の経営に知財のスキルをもって何ができるのか、ということを取りまとめたのが今回の書籍です。編集の方のご理解もあって、当に好きなように書かせていただいたのですが、いわゆる知財マネジメント・知財戦略とはちょっと違い、これまでの中小企業と知財を謳ったとも趣の異なる、何か不思議な仕上がりとなりました(と、自分では思っています)。中小・ベンチャー企業にターゲットを絞っていて、細かなハウツーを解説するものでもないので、知財のプロのニーズに沿ったものではないかもしれませんが、 ■ 知財って、結局のところ何なのか? ■ 知

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    shrk 2010/10/08
    (ちょっと前の記事)
  • 複雑系から考える知財 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    先週、田坂広志先生の「目に見えない資主義」刊行記念講演会を聞いてきました。よくある普通の経済論・資主義論とは一線を画した広い視点から、大変興味深い、腑に落ちる話を聞くことができましたが、そのキーメッセージが先日書いた「奇跡のリンゴ」と共通していることにちょっと驚きました。 現代の経済は、情報革命、規制緩和、グローバル化によって複雑系と化している。工学的に制御できる機械的システムに対して、複雑系は意図的に操作できない生命的システムであるが、人類は経済を機械的システムとして工学的に操作しようとしてしまった。しかしながら、経済は複雑化を増した生命的システムであり、これに適合しない操作的手法が今の経済危機を巻き起こしてしまった。今求められていることは、この‘操作主義’の呪縛から逃れることだ、ということだそうです。「奇跡のリンゴ」は、生命体であるリンゴの木を‘操作主義’で扱おうとしたことが誤りで

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    shrk 2009/08/17
  • 本当に必要な知財業務を探る - 経営の視点から考える「知財発想法」

    日経ビジネスの前号に「『引き算』のヒット術」が特集されていたように、高付加価値製品が苦戦する一方で、必要な機能を絞り込んだ製品が売れている。「当に必要なもの」が生き残る時代がやってきており、知財業務にも「当に必要か」がより厳しく問われることになってくると思います。 企業活動に当に必要とされるような知財の‘実需’とは何であり、どのような形態をとり得るのか。そこが個人的には最も関心の高い領域であり、今年度は特許庁の「地域における知財戦略支援人材の育成事業」で、*先進的な中小企業へのヒアリングとそのエッセンスの抽出に力を入れてきました。知財人が進化する方向性として、技術や法律の理解を深める、語学に堪能になる、といったことがよく言われますが、企業経営に貢献して当に必要とされる知財業務の基設計がしっかりできていないと、こうしたスキルも有効に活かすことができません。その部分の思考を停止して「

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    shrk 2009/03/01
  • 知財の役割の再定義 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    実体経済の急速な悪化がいよいよ顕在化し、自動車や電機メーカーなど大手企業の業績も凄いことになってきました。徒然知財時々日記さんが高機能・高価格路線か、低価格路線か、というテーマをとりあげて知財との関係を論じられていますが、実際のところ電機メーカーがマスマーケットで知財の力によって高価格路線を推し進めるのは困難であり(IBM、アップル、キヤノンなどの収益力も「高価格」というよりビジネスモデルによる部分が大きいでしょうから)、「特許で参入障壁を築く」というオーソドックスな考え方では対応できないのが現実なのでしょう。クロスライセンスの条件が有利になるとか、設計の自由度が保たれて開発コストを抑制できるとか、間接的には粗利を押し上げる様々な効果が考えられますが、特許という参入障壁によって市場をコントロールするという典型的な知財経営モデルが適用できるのは、医薬品などの分野かニッチマーケットが前提になっ

    知財の役割の再定義 - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2009/01/25
  • 「弁理士になりたい」か、「弁理士の資格をとりたい」か - 経営の視点から考える「知財発想法」

    一昨日、ある中小企業診断士の資格を持たれたコンサルタントの方と話していて、よく感じている弁理士の意識の問題点について、やはりそうかと感じました。 以前にも、弁理士というのは属性の一つであって主体ではないのでは、ということを書きましたが、診断士の世界では属性という意識が強い、というかほとんどそれが当たり前、ということのようです。 例えば、 � 弁理士になりたい � 弁理士の資格をとりたい 同じように見えて、実はこの意識の違いはとても大きい。�は弁理士を主体と捉えているのに対して、�だと属性の一つという位置づけです。社会人としてのアイデンティティが形作られる前に資格云々を考えると、意識としては�になっていきます。これだと画一化・同質化された弁理士が再生産されていくだけで、その中での差異は相対的なものになる。一方、社会人としてのアイデンティティが見えてきた後であれば、アイデンティティに裏付けられ

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    shrk 2008/10/13
  • 金融危機と知財の世界 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    金融危機が大変な状況になってきています。 先週は、ソニーの株価が解散価値を下回りました。 そしてついに今日は、トヨタの株価も解散価値を下回りました。 市場の評価をそのままに読むと、ソニーも、トヨタも、知的資産を含むオフバランス資産の価値はゼロ以下になってしまった(ソニーとトヨタの知的資産がなくなった!)、ということになってしまいます。そんなバカな話があるわけはないのですが、金融市場ではそれくらいのパニックが起こっているということなのでしょう。2000年を挟んだ日の金融危機でも同じようなことがありましたが、あのときは日固有の問題で、「アメリカみたいな効率的な金融システムを作るまでの辛抱だ」と、目標というか、お手にするものが見えていたわけですが、どうも今回はそのお手が世界中で壊れてしまったようです。日では今月から政府系金融機関が大きく衣替えをし、格的に縮小の方向に向かう一方で、アメ

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    shrk 2008/10/07
  • 「会社をよくする」知財担当と「知財をよくする」知財担当 - 経営の視点から考える「知財発想法」

    X社の知財(特許)担当のAさん、Bさんは、X社の「知財をよくしたい」と思っている。 同じくX社の知財(特許)担当のCさん、Dさんは、X社という「会社をよくしたい」と思っている。 X社は、多くの特許出願を行ってきたものの、なかなか目に見える成果があがってこず、「余分な仕事に巻き込まないでくれ」と現場部門(発明者)の不満が積してきている。 A~Dのうち、最も「知財経営を実践する知財担当」と評価できるのは誰か。 Aさんは、「彼らは知財の重要性がわかっていない」と嘆き、「発明者教育」を徹底させることにした。 Bさんは、何とか成果をあげるべく「知財の質を向上させよう」と考えて、発明の質を精査して出願案件の厳選に努めることにした。 Cさんは、自社の事業特性と特許の関係を今一度整理し、特許が有効という仮説が立ち得る分野を選別してその分野の発明者に仮説をぶつけて議論し、納得が得られた部門の仕事に集中する

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    shrk 2008/06/25
  • ‘知財ビジネス’とは何か? - 経営の視点から考える「知財発想法」

    知財コンサル、価値評価、知財ファイナンスなどなど…何やら中味のはっきりしない‘知財ビジネス’がいろいろ言われています。その定義云々はさておき、事業構造(特に収益構造)の点から整理して考えてみたいと思います。 世にあるビジネスには、大きく分けて、 ① 人間が働くビジネス ② お金が働くビジネス ③ 仕組が働くビジネス の3種類があると思います。①がいわゆる労働集約型産業で、②は金融業(これも一種の仕組ですが)、その他の殆どを③として考えます。①は程度の差こそあれいくら働いてナンボのモデルであり(実績連動報酬という例外もありますが)、基的にはレバレッジが効きません。②③は初期投資の負担が重くなりやすいですが、回りだすと大きな果実が期待できるモデルです。‘ビジネス’というものを狭義に捉えるならば、①はあくまで‘労働’であって‘ビジネス’にはあたらないのかもしれません。 特許事務所のやっている代

    ‘知財ビジネス’とは何か? - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2007/12/14
  • 知財コンサルタントと情報系コンサルタント - 経営の視点から考える「知財発想法」

    昨日は弁理士会の知財コンサルティングに関する会員研修に、パネリストとして参加させていただきました。 知財コンサルティングという業務に明確な定義があるわけではないので、様々なコンサルティングがあってよいのだと思いますが、私の中でのイメージはかなり固まっています。以前に「知財インテグレーター」で書きましたが、10~20年前に情報システムのコンサルタントが登場した背景によく似ていると思います。 コンピュータはただ導入すればよいというものではないのと同様に、知的財産権もただ権利を得ればよいというものではありません。企業活動にできるだけよい環境を整えるために、「コンピュータ」、「知的財産権」という道具をどのように用いるのが最も効率的か。経営者や事業の担当者の意図をしっかりと汲みとって、最適の設計を行って実務家に引き渡すというのが、コンサルタントの果たすべき役割ではないかと思います。コンピュータが経営

    知財コンサルタントと情報系コンサルタント - 経営の視点から考える「知財発想法」
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    shrk 2007/12/14
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