日立マクセルは,耐熱性を備えたLiイオン2次電池用セパレータを開発した。セパレータは,Liイオン2次電池の内部で正極材と負極材を隔てる部材で,一般にポリオレフィン製の多孔膜を用いる。日立マクセルは今回,ポリオレフィン製の多孔膜に板状の無機微粒子をコーティングした。一般のセパレータに比べ,例えば+180℃でも熱収縮が格段に小さく,膜形状を維持できるという。内部での短絡を防ぎ,安全性を向上できる。

日立製作所と北海道大学は,走査型電子顕微鏡(SEM)の電子ビームを試料に照射して,その散乱光の回折パターンを解析して拡大画像を得る電子回折顕微鏡を試作した。電子ビームの出力が30keV程度と低いため,炭素などの軽元素材料でも試料を損傷することなく観察できる。従来の電子顕微鏡と異なり,結像レンズを用いないので,収差による画像のゆがみも少ない点も特徴だ。「結像レンズを用いない回折顕微鏡の実機を実現したのは世界で初めて」(北海道大学大学院教授の郷原一寿氏)。試料としたカーボンナノチューブを0.34nmの分解能で観察できたという。 一般に原子レベルでの観察には,100keV程度の平行な電子ビームを照射する透過型電子顕微鏡(TEM)を用いる。しかし,エネルギーが大きいため試料の原子が移動するなどの損傷が発生することがあり,長時間や繰り返して観察するのが難しい。また,結像レンズで像を拡大するためレンズ
日立製作所と米Hitachi Global Storage Technologies, Inc.(HGST)は,現行の垂直磁気記録方式の改良を積み重ねることで面記録密度約610Gビット/(インチ)2を達成した(発表資料)。この面記録密度は,「現行の量産品の約2.5倍」(日立製作所)に相当する。「課題はいくつか残っているものの,製品化が見えている水準」(同社)とする。今後は量産に向けた研究開発に注力する計画である。量産時期の明言は避けたが,「現在の製品水準の約250Gビット/(インチ)2は,研究開発段階から2~3年ほどかかった。610Gビット/(インチ)2でも同程度の期間を目標に据えている」(同社)。
OKIは,あらかじめ録音しておいた「自分の声」を再現する音声合成ソフトウエア「Polluxstar」の提供を開始した(発表資料)。病気などで発声できなくなる人の生活支援を目的として発売した。収録音声のデータベースを利用して,口調や抑揚などの特徴を含め肉声に近い形でテキスト文章を読み上げることができるという。量子化ビット数が16ビットでサンプリング周波数が16kHzのリニアPCMモノラル音声を出力する。 音声のデータベース化にあたり,本人の口調や雰囲気を再現するために必要な音声を効率よく収集する。合計で約60分の音声を収録すればよい。音声合成には,収録した音声の中から,最適な波形の組み合わせを音素単位で選択して直接接続する技法「コーパスベースTTS(Text-To-Speech)」を用いた。これは,国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が開発した肉声感の高い音声が得られる大規模コーパス向けの音
村田製作所は,大電力用の大型積層セラミック・コンデンサが電動スクーターに採用されていることを「AT International 2008」(7月23~25日,幕張メッセ)で明らかにした。スクーターは,米Vectrix Corp.が2007年夏に発売したプラグイン・ハイブリッド式の車種。北米では9395米ドルで市販されている。 村田製作所のコンデンサは,インバータにおける平滑化に向けた基板(米Perker Hannifin Corp.製)に4個搭載された。IGBTが生み出すサージの抑制に使う。 熱に強くて省面積 こうした用途では「従来,フィルム・コンデンサやAl電解コンデンサを用いるしかなく,熱による劣化が課題になっていた。フィルム・コンデンサはフィルム自体が有機物であり,Al電解コンデンサは電解液を封止するために有機物が必要だったからだ。セラミック・コンデンサはすべて無機物なので耐熱温度が
+ 技報・技術情報-テクニカルレポート・Webサイト- 更新日 : 2006-02-12 インターネットの発達に伴い、ウェブサイト内で技術情報や技報(テクニカルジャーナル、テクニカルレポート、テクニカルディスクロージャーとも言います)をアップする企業が増えてきました。技報は目次や抄録のみしか掲載していない企業もありますが、全文をPDFで閲覧することが出来る企業もあります。 特許明細書は技術情報としての側面の他に、権利書としての側面も持っていますので、どうしても技術者・エンジニアには分かりにくい記載となっていますが、技術情報サイトや技報は純粋に各企業保有技術の開示が目的なので、特許明細書に比べると読みやすいかと思います。 ここでは東証一部上場企業を中心に、技術情報や技報を掲載しているウェブサイトを紹介しています。
MIMOの信号分離用ASIC。ダイの寸法は8.4mm×4.2mmだが,パッケージの寸法は数cm角と大きい。「多くのテスト用回路を付け加えているため」(NTTドコモ)という。 NTTドコモは,ワイヤレスジャパン2008(2008年7月22~24日,東京ビッグサイト)で,同社が「Super3G」と呼ぶLTE(long term evolution)の無線規格を実装したシステムを実演している。「以前にも日本国内の展示会でデモをしたことはあるが,電波は出していなかった。今回は実験向けの無線局免許を取得して,電波を利用した通信の初公開になる」(同社)。 今回,通信を実演して見せたシステムは,LTEの規格で4×4のMIMOを実装したもの。移動局はトラックまるごと1台を利用している。バス内部の公開には,見学を希望する人が数mの列を作り,最後尾では「30分待ちの状態」(NTTドコモ)という人気を博していた
イトーキは,従来なかった通信信号の伝送媒体「LANシート」を発売する(発表資料)。これは,無線LANの信号をシートに入力して2次元的に伝送し,シート表面から漏れ出す電気信号を送受信して通信を行うものである。無線LAN機能を持つノート・パソコンなどをシートの上に置くだけで通信できる。出力を標準設定にした場合,LANシートから直線距離で約1m以上離れると通信は完全に不可能になる。このため,信号が空間中を広範囲に伝播する通常の無線LANに比べ,社外で電波が傍受されて情報漏れにつながる危険性を低減できるとする。 LANシートの信号伝送の原理は,東京大学発のベンチャー企業であるセルクロスの技術に基づく(Tech-On!関連記事)。ただし,今回のLANシートは,イトーキ,セルクロス,帝人ファイバーの3社による共同開発である。LANシートは,上からメッシュ層,誘導層,シールド層が重なった3層構造になって
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く