産業技術総合研究所と、日本学術振興会(JSPS)は、リチウムイオン電池用の正極材料として有望なカーボン(炭素)膜を被覆したオリビン構造(結晶構造の一種)のLiFePO4(リン酸鉄リチウム)をナノメートルオーダーの超微粒子に合成することに成功した。LiFePO4は安価なため電気自動車用大型リチウムイオン電池の正極材料として注目されているが、高出力に必要なハイレート(短時間で大きな電流を流す)で充・放電させると容量が急激に下がるといった問題点が指摘されていた。
KERSシステムは基本的に、減速と連動するフライホイールに接続されたCVT(無段変速機)であり、これは、ブレーキの熱として転換されるエネルギーの一部を回収する。このエネルギーはフライホイールに回転を与え、フライホイールは加速を後押しするよう命じられるまで回転を続ける。2009年から施行される新規約によると、ドライバーは、規定の時間と率についてのみ、KERSによる加速促進を利用することができる。これはチャンプカー・ワールドシリーズ・レーシングの「追い越しボタン」技術とよく似ている。これをトラクション・コントロール廃止と組み合わせることで、現在のF1を苦しめているオーバーテイクが難しいという状況の改善が期待される。 かなり単純に聞こえるが、KERSユニットの実際の製造は、複雑かつ小型であるため、驚くほど難しい。F1の厳しさに耐え、マシンのパフォーマンスを有意義に改善できるほどのトルクを伝達でき
ケンブリッジ大学発のF1の秘密が明らかに F1レーシングチームに密かなアドバンテージを与えるため極秘にされてきたケンブリッジ大学の発明がとうとう普及することになった。 F1の年間最高の技術革新とされる車両サスペンション装置である謎めいた「J-ダンパー」は、ライバルにコピーされないよう何年間も慎重にコードネームで呼ばれ、秘密にされてきた。 マクラーレンは、この技術の活用に関して大学から独占権を取得したが、秘密保持契約のため、他のF1チームには秘密にされてきた。インターネットのファンサイトやブログでは、この装置が実際はどのようなものであるかについて、さまざまな噂が流れ始めていた。 そして、秘密保持契約が終了したため「J-ダンパー」の秘密がやっと明らかになった。ケンブリッジ大学の商業化オフィスであるケンブリッジ・エンタープライズは、アメリカのペンスキー・レーシング・ショックス社とライセンス契約を
三菱電機は,使用済み家電製品のリサイクル工程で発生する混合プラスチックからポリプロピレン(PP)などを99%以上の純度で選別・回収し,同社の家電製品にリサイクルする「大規模・高純度プラスチックリサイクル」を2009年秋に開始する。この事業により,PPやポリスチレン(PS),アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)を年間で約6400t回収できる。 一般に,使用済みの家電製品から回収したプラスチックを自社製品に再利用する「自己循環リサイクル」は,経済性や環境負荷の観点から優れている,とされる。しかし,複数のプラスチックが混在する中から手作業で選別・回収するため処理量に限界がある。さらに,目視による選別が比較的容易な単一素材のプラスチック部品しかリサイクルできないのも課題だった。 三菱電機では,1999年に家電リサイクルプラントとしてハイパーサイクルシステムズ(本社千葉県市川市)を立ち上
松下電器産業は,甲南大学の杉本直己教授と共同で,DNAの塩基配列を電気的に識別する技術を開発した。DNAの塩基配列の違いによって,薬の効きや病気の発症リスクなどといった個人の体質に差が出ることが知られている。今回開発した技術を応用し,病院や診療所などの医療現場において個人の体質に合わせた健康管理や薬の処方を可能にするDNA解析システムの実現を図る考え。実用化の時期は「5年後」(松下電器)を見込む。 東芝も電流検出型を開発 DNAの塩基配列を識別するデバイスとして,現在,DNAチップの開発が活発に進められている。これまで主に研究用途で使われてきたDNAチップの多くは,「蛍光検出(あるいはマイクロアレイ)型」と呼ぶ方式だった。調べるDNAに蛍光標識を付与しておき,プローブ用DNAを固定したチップとの反応後にレーザを照射して蛍光の有無や位置を確認することで,結合したのかどうか,どのDNAと結合し
住友ゴム工業は,タイヤを設計するためのシミュレーション技術「デジタイヤ」の新機能として,タイヤへの泥の付着と排出を考慮した「タイヤマッド走行シミュレーション」を追加し,ぬかるんだ道をタイヤが走行するシミュレーションを可能とした。これによりデジタイヤでは,雨/氷雪/砂地/ぬかるみの各路面環境のシミュレーションができるようになった。
産業技術総合研究所(産総研)ユビキタスエネルギー研究部門は,リチウム(Li)イオン2次電池の正極でのLiイオンの出入りを可視化することに成功した。Liイオン2次電池の充電/放電の過程で,Liイオンが正極から脱離したり挿入したりする様子を電子顕微鏡と観察データの処理によって明らかにした。この結果,ナノ構造を持つ新規Li正極材料の高性能化のメカニズムが明らかになった。nmレベルで微細構造を設計・制御した新規正極材料の開発に利用できるという。 Liイオン2次電池の性能を高めるためには,正極材料でのLiイオンの出入りの様子を把握する必要がある。Liは軽くて小さな元素なので,従来の電子顕微鏡では観察が難しかった。今回,独自のスペクトルデータ処理法を開発し,Liの濃度分布の可視化に成功したことにより,正極材料のナノ構造とLiイオンの挙動の関係を解明できた。 Liイオン2次電池はエネルギ密度が高く,小型
最近多くのクルマに搭載され、徐々に普及が進む横滑り防止装置。「VSA (Vehicle Stability Assist)」や「ESC (Electronic Stability Control)」などさまざまな呼称で呼ばれているが、ブレーキやトラクション(駆動力)を制御し、コーナーなどでの横滑りを防止するものだ。これはどういった仕組みで作動しているのか? また、どのくらい効果があるものなのか? 本田技研工業で、安全技術を開発している本田技術研究所 四輪開発センター 第2技術開発室第4ブロック 上席研究員 シニアマネージャー 服部憲治氏にお伺いした。 ――まずVSAの仕組みについて教えてください 私はABS(Antilock Brake System)、VSAと一連の開発に携わって来ました。ABSは制動方向の制御ということで1982年の「プレリュード」で技術を確立しました。その後90年ごろ
38%まで伸ばしても導電率に変化なし(赤線)。導電率は,従来の導電性ゴムより約3ケタ高い。ただし,金属よりは4ケタ小さい。 東京大学 工学系研究科 准教授の染谷隆夫氏の研究グループは,「伸び縮み可能でしかも導電性が高い新物質を世界で初めて開発した」と発表した。これにより,有機トランジスタを用いた大面積の電子回路を自由曲面に張ることが可能になり,有機トランジスタの用途が大きく広がるとする。しかも,「伸縮性を持つことで,曲げることへの機械的な耐性が大きく向上する」(染谷氏)という。論文は米Science誌の2008年8月7日付け速報版「Science Express」に掲載された。 この物質は,単層カーボン・ナノチューブ(SWNT),イオン性液体,弾性のある樹脂などから成る物質で黒いゴム状をしている。導電率は57S/cmで,市販の導電性ゴムの0.1S/cmに比べてはるかに高い。しかも,この導電
セイコーエプソンは,立体(3D)映像を3Dのまま表示できる携帯電話機向けディスプレイを開発したことを明らかにした。特殊な眼鏡を必要とせず,裸眼のまま高精細な3D映像が見られる。2年後の実用化を目指すという。
トヨタ自動車は2008年8月1日には、新たなパーソナル移動支援ロボットとして立ち乗り型の移動支援ロボット「Winglet(ウイングレット)」を発表したが、駆動機構には遊星歯車機構を組み合わせたインホイール型のモータを採用した。
太陽光エネルギーを保存しておいて、日が照っていないときに使えるようにする方法を、米マサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した。 現時点では、太陽エネルギーを保存しておいて後で使うには多額の費用がかかり、効率も悪い。だが、MITは植物の光合成をヒントに、安価で効率的な保存方法を発見したとしている。 その方法とは、太陽光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、後でこの水素と酸素を燃料電池内で化合させて電気を作るというもの。カギとなるのは水から酸素ガスを発生させる新しい触媒で、コバルト金属、リン酸塩、電極で構成される。これを水に入れて電極に電流を流すと、コバルトとリン酸塩が電極上に薄い膜を作り、酸素ガスが発生する。この触媒は室温で、中性の水の中で作動し、使うのも簡単だという。これをプラチナなど、水から水素ガスを発生させる触媒と組み合わせると、光合成の際に起きる水の分解反応を再現できると研究者
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く