第127回 HD-DVD事業から撤退する東芝が、いま打つべき手 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2008年4月7日 去る2月19日、東芝の西田厚聰代表執行役社長は、HD-DVD事業からの撤退を発表。今後は半導体事業へ特化することを明らかにした。当然ながら、その報道直後から、家電量販店では東芝のDVD機器の叩き売りが始まった。 HD-DVDのレコーダーは数万円引き、プレーヤーは2万円を切って売られたものもあった。ところが、ほとんどの機種が大幅に値段を下げるなかで、たった一機種だけ値崩れをしないレコーダーがあったのをご存じだろうか。 昨年暮れに発売されたRD-A301というHD-DVDレコーダーである。同社のVARDIA(ヴァルディア)シリーズのうちの一機種で、わたしは撤退発表の以前から目星をつけていたものだ。 インターネットの価格サイト「価格.com」によれば、撤退発表後に多少は値を下