記事中の「赤文字」は『化義抄』から「青文字」は日亨上人の『註解』、「黒太字」は日達上人の『略解』からの引用文といたします。 【第61条】居住の僧も、遠国の僧も、何れも信力志は同じかるべき故に、無縁の慈悲たる仏の御代官を申しながら、遠国偏頗有るべからず、善悪に付て門徒中の事をば俗の一子を思うが如くかえりみん事然る可きなり。但し機類不同なるが故に、仏法の義理をひずみ、又は本寺の恨みを含まん族有りとも尚此くの如くひずむ族の科を不便に思わん事、仏聖人の御内証に相叶ふべきか、但し折伏も慈悲なるが故に、人の失をも免ずべからず、能く能く教訓有るべき事なり、不思議に有り合ふ、世間の扶持をも、事の闕けん人を、本と為して少扶持をも成さん事尤も然るべし云云。 本山に居住している僧侶も末寺の僧侶も信心や仏様に仕える志は同じなので、自分と何の縁もない者にも慈悲を持たれる仏様の代理である僧侶たちは、親疎、遠近と偏頗の