『法華玄義』は本文に入る前に最初に『私記縁起』『序王』『私序王』『譚玄本序(たんげんほんじょ)四種の序が書かれています。これらのうち『私記縁起』『私序王』は章安大師が『序王』『譚玄本序』は天台大師の筆です。『私記縁起』にはいわゆる天台大師の十徳と呼ばれる事跡が書かれいて『序王』は法華経のエッセンスが書かれています。『私序王』は章安大師の筆なので天台大師の筆の『譚玄本序』は『私序』に対して『本序』と呼ばれます。本文においては『私序王』の中に『本序』が含まれた形になっています。『私序』の最後の【此の妙法蓮華経とは本地甚深の奥蔵なり】以下の文が『本序』の部分になります。これらの『序』の次に本文に入りますがそこにも序章が設けられてそこで最初に五重玄義(五重玄)の説明がされています。五重玄とは釈名(しゃくみょう)・弁体(べんたい)・明宗(みょうしゅう)・論用(ろんゆう)・判教(はんぎょう)の【名・体