暫くもこの本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則ち祈りとして叶わざるなく、罪として滅せざるなく、福として来らざるなく、理として顕れざるなきなり。 この観心本尊文段の一節は有名な御文なので一度は聞いたことが有る方も多いと思います。読んだ通りなので特にこれといった解説はありませんが、この御文は我々大聖人門下の因行果徳が具体的に書かれている御文です。「この本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば」とは我々信徒の修行です。「この本尊」とは当該文段の冒頭に【この本尊に人あり法あり。人は謂く久遠元初の境智冥合自受用報身。法は謂く久遠名字の本地難思の境智の妙法なり】と書かれているように人法一箇の本尊ですから「仏力・法力」です。そして「信じて」は「信力」で、「南無妙法蓮華経と唱うれば」が「行力」です。この四力が合わせた修行が大聖人仏法における正しい因行です。そしてこの正しい因行の結果が次下の「則ち祈りとして