今回の脱線事故は、なぜ引き起こされたのか。速度超過のほかに、スペインの高速鉄道固有の特殊な車両構造が事故につながったとの見方も浮上している。 脱線したのは高速列車「アルビア」の新型車両S730。車輪の幅を変え、レール幅(軌間)の異なる高速路線から在来線に乗り入れることができる。 脱線原因について、スペイン・メディアは大幅な速度超過を挙げる。事故現場となったカーブ区間の制限速度は時速80キロだったが、列車は180~220キロで走行していたと報じている。 海外の高速鉄道に詳しい横浜国立大学大学院の王(ワン)鋭(ルイ)研究教員(41)は「日本の新幹線に導入されているATC(自動列車制御装置)に相当する信号保安装置が設置されているはずで、この装置に不具合があったのでは」と指摘する。 平成17年に兵庫県尼崎市で起きたJR福知山線脱線事故では、速度超過防止機能が付いた新型の保安設備が設置されておらず、