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ブックマーク / yada.hatenablog.com (44)

  • 2016年日本国立近代美術館のトーマス・ルフ - 「工事現場」から

    トーマス・ルフ展が国立近代美術館で開催中。 「顔写真を大きく伸ばしたんだ。へ〜・・・・・。で?」 ・・・・・・・・・・・・・・・ この手の当たり前の写真を大きくして価値を高めてる写真のことを「坪単価いくらの写真」と呼ぼう。広さ=価値、っていう不動産の価値観に支えられた写真。でかいけど、構成要素はやたら少ないから人件費さえ投入すれば短期間に次々と量産可能で、実にリーズナブルな芸術。 で、これらただただ大っきい写真を買うのは誰か? それはもちろん、不動産デベロッパーさんたち。余剰資金もたっぷりあるし、展示スペースにもことかかない。それよりなにより、面積と価値が釣り合ってるっていう価値観を共有している。「おお! 同志よ!」 。不動産は、安定資産。それを証券化した不動産証券は超安定資産。超安定資産=永遠不変の価値。不動産=面積こそが、不動不変永遠の価値を表象する。ゆえに、大っきい写真には、不動不変

    2016年日本国立近代美術館のトーマス・ルフ - 「工事現場」から
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    sphynx 2017/02/02
  • 遊歩者 其ノ三 : ヴァルター・ベンヤミンの影 - 「工事現場」から

    FLÂNEUR 3 : BENJAMINS SHADOW https://www.youtube.com/watch?v=daTc3tH0uy4 監督:Torben Skjodt Jensen The director and producer. Born in Aalborg in 1958, moved to Roskilde in 1965. O-levels from Lyng School, Svogerslev 1975 HF-examination Roskilde Cathedral School 1977. Studied Film Studies at the University from 1978-82. Worked on comic publishers Inter Press / Rune Press from 1976-1983, editor of Col

    遊歩者 其ノ三 : ヴァルター・ベンヤミンの影 - 「工事現場」から
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    sphynx 2017/02/02
  • 街中をそぞろ歩く者を路地は消え去った時間の奥底へと引き込む - 「工事現場」から

    街中をそぞろ歩く者を、路地は消え去った時間の奥底へと引きずり込む。 ↓ Den Flanierenden leitet die Straße in eine entschwundene Zeit. Ihm ist eine jede abschüssig. Sie führt hinab, wenn nicht zu den Müttern, so doch in eine Vergangenheit, die um so bannender sein kann als sie nicht seine eigene, private ist. Dennoch bleibt sie immer Zeit einer Kindheit. Warum aber die seines gelebten Leben? Im Asphalt, über den er hingeht, wecken s

    街中をそぞろ歩く者を路地は消え去った時間の奥底へと引き込む - 「工事現場」から
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    sphynx 2017/02/02
  • 春を告げる男 - 「工事現場」から

    気づけば、いろいろ臭い。 ジャンパーが臭い、ズボンが臭い、ヘルメットが臭い、息が臭い。 もう春なのかな? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 新聞屋で働いてた時、臭い男がいた。 その男、「オタニ」が来て次の週のことだったか? 朝刊配達の為に折り込み入れてたら、異様な臭い。新聞屋は学生も店員もロクに風呂に入ってないから、まずみんな自分の臭いを確認しはじめた。くんくんくんくん・・・。そして、「どうもちがうぞ」と。 なんの臭いに近いと言ったらいいのか。或る者は箱だと言い、或る者は「なんか死んでるじゃない?」と言い、或る者は下水だろうと言い、或る者は「またオウムか?」と言い(註:新聞屋の隣がオウム真理教が経営するラーメン屋『旨かろう安かろう亭』で、信者が住み込みで働いてて、しばしば祈りの声が響いたり、異臭がしたりしてた)、なんの臭いかわからなかったけど、要は獣臭。獣の体臭に獣の糞便が混じった

    春を告げる男 - 「工事現場」から
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    sphynx 2017/02/02
  • うどん覚書 - 「工事現場」から

    材料 (5人分) ・春/秋 コムギ粉400g(100) 塩16g(4) 水184g(46) ・夏   コムギ粉400g(100) 塩20g(5) 水180g(45) ・冬   コムギ粉400g(100) 塩12g(3) 水188g(47) *( )の数字はコムギ粉を100としたときの塩、水の割合(%) (「日清製粉丸香特雀」に表記してある「材料の割合」より) ◎準備するもの(4〜5人前分) ・中力粉 500g ・塩    29g ・水    240g ・打ち粉(薄力粉でOK) 適量 ◎塩分量(Wt%)=0.09×室温+3.55 (うどんの打ち方 より) 水分 46% 塩分10%塩水 ・小麦粉300g →水138cc→塩13g ・小麦粉400g →水184cc→塩18g ・小麦粉500g →水230cc→塩23g ・小麦粉600g →水276cc→塩27g (【手打ちうどんの作り方!

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    sphynx 2017/02/02
  • 帝國の再興 - 「工事現場」から

    帝國の再興 。大日第二帝國への動き。 現政権が頻繁に使う「閣議決定」って、「元老院」支配だった時代の大日帝國の再興を夢見て起きてる二度目の事件=茶番劇=シチュエーション・コメディか。 そういえば、安倍も麻生も大久保利通の子孫だ。 実権のない傀儡の神権(明治天皇)を戴いて、その実、大久保利通ら元老が権力握って好き勝手やる帝國。それの再興。これが、安倍政権の目標か。 だとすると、日国憲法改定じゃなくて、憲法やら立憲やらを破棄して元老支配による帝國再興=大日第二帝政を画策してる、ってことになる。 そう考えるといろいろ納得がいく。 安倍の国会に於る振る舞いって、要は「議会? なにそれ? 美味いの?」「自由民権なんぞ認めたら国が滅ぶ」「マツリゴトは我らがすべて取り仕切る、御意見無用」っていう大日帝國"初期"の支配層の立場だもん。完全に議会を無駄なものとして無視してるんだから。板垣が死んで自

    帝國の再興 - 「工事現場」から
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    sphynx 2017/02/02
  • ふじいさん - 「工事現場」から

    古い写真を見直してたら、以前ビデオ(VHS!!!)に使った写真素材が出てきた。「ふじいさん」っていうタイトルで、「日・現代・ハイツ」っていうグループ展に出したものの素材。当時のMacだとこのくらい画質を落とさないとまともに動かなかったんだよなあ。ウェブで動画なんて未来の夢物語だった時代。東北沢の「現代HEIGHTS」も今年いっぱいで閉店しちゃう、っていうんで、ここに素材を並べておきます。ネガから読み込み直して動画にしてWEBに載せたいけど、いまいち気力と体力がないです。 ・・・・・・・・・・・・・・・ (2001年)

    ふじいさん - 「工事現場」から
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    sphynx 2015/11/04
  • 億千万匹のねこ - 「工事現場」から

    (「ねこあつめ」やらネコ屋敷やらビーグル屋敷やらが話題に昇る今日この頃、とっても教訓深い絵だと思うんだけど、みんな知らないみたいなんで、翻訳してみる。ちゃんとした翻訳は、この道の先駆者:石井桃子さんによる名訳が岩波書店から出ている。ちゃんとした翻訳が読みたい人はこっちを買いましょう。どうしても買うのがイヤな人は、気の効いた図書館ならどこでも置いてあると思うので探せばすぐにあります。原文は、webで読めるし。) ―――― ―――― 昔々あるところに爺さんと婆さんが暮らしていました。2人はガーデニングの行き届いたナイスでクリーンな庭付き一軒家(ローン完済)に住んでいました。返済ローンもないし、ガーデニングの行き届いた庭付き一軒家に暮らしているくせに、2人はなぜかとても不幸でした。とてもとても不幸でした。なぜなら、2人とも後期高齢者で、他に年若い家族親族もなく、元気に訪ねてくる友人知人もなく、

    億千万匹のねこ - 「工事現場」から
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    sphynx 2015/03/18
  • とんかつ「鉄路」 - 「工事現場」から

    阿佐ヶ谷「クロンボ」で夕。会計しようとしたら、マスターが、「鉄路さん、やめちゃったよ」と教えてくれた。 とんかつ「鉄路」の場所が、空きテナントになってた。四月いっぱいで閉めたらしい。 あーあ。とうとうなくなちゃった。淋しいねえ。 最後にべたのは、四月はじめ。鶏のからあげ。 VOCAにも谷口さんとやった二人展にも「鉄路」のとんかつの写真を出した。まだおやじさんがいた頃のとんかつの写真。「上野の森美術館に展示されたとんかつの写真」は、「鉄路」のとんかつの写真が最初で最後だろう。 「鉄路」はなくなっちゃうし、平木さん死んじゃうし、深川さん刺されちゃうし。今年はいろいろあるなあ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2001年10月2日 阿佐ヶ谷「鉄路」トンカツライス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2001年11月4日 阿佐ヶ谷「鉄路」トンカツ定

    とんかつ「鉄路」 - 「工事現場」から
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    sphynx 2012/09/16
  • 高円寺「クロンボ」へ - 「工事現場」から

    高円寺へ移転再開した阿佐ヶ谷「クロンボ」へ行ってきた。 場所は、高円寺「桃太郎寿司店」と「桃太郎寿司分店」の間だった。(前、何があったんだっけ?? 「桃太郎寿司」がもう一軒あったか??) マスター、お元気そう。 Aセットとサラダを頼んだ。このデミグラスのかかった薄い安いカツが好きなんだなあ。 有線オールディーズはなかった。テレビで「バラエティー生活笑百科」が流れてた。笑福亭仁鶴、年取ったよねえ。最晩年の林家彦六みたいに細かく首を揺すってた。声は震えてなかった。宮川大助花子が出てたけど、大助も年取ったねえ、腰のまがったおじいさんになってた。花子はかわんない。昔も今もずっとおばちゃん。ず〜〜〜〜っとおばちゃん。 「月日は百代の過客にしてゆきかう年もまた旅人なり」と、芭蕉気分で、Aセットを喰ったのだった。 (出しなにマスターが「またおこしください!」と声かけてくれた。顔を覚えててくださったよう

    高円寺「クロンボ」へ - 「工事現場」から
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    sphynx 2012/09/16
  • 私は死なない - 「工事現場」から

    「桜の園」に出した写真。 日吉の元教え子たちの反応は、みんな同じ。見るなり、「ガッハッハ・・」と笑ってました。うけると嬉しいものです。 作りながら、思い浮かべてたのは、エリアス・カネッティの言葉です。 カネッティは、権力と不死を二重写しに考えていて、死なないものが悪者なのだ、悪者は死なない、だから翻って、悪者に抵抗するためにも死なないことだ、だから私は死なない、200歳まで生きる、と発言していました。カネッティ、八十歳過ぎの発言でした。当時二十歳そこそこだった僕は大層感動したことをよく覚えています。(ま、結局、カネッティは89歳で死んだのですが) は、2010年秋に、東京綜合写真専門学校近所のマンションの駐車場で見つけたもの。車に轢かれて首の骨折って死んでました。この頃は東京綜合写真専門学校で教えていて、講義を終えて帰る途中に偶然見つけてそのまま三脚立てて4×5で撮影。 犬は、1999年

    私は死なない - 「工事現場」から
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    sphynx 2012/08/12
  • 今日は搬入日 - 「工事現場」から

    「桜の園」展、搬入日です。 見事に晴れました。 天気にはまだ見放されていないようです。 あと、ばるぼら「岡崎京子の研究」ってが面白くって面白くって面白くって。 ある意味、「マンガ研究」の訳だけど、マンガ研究たちのマンガ研究と違って、文化史の横糸の存在がきっちり書かれているから、普通に文化史として面白いです。 「岡崎京子の研究」は、文献学的アプローチとでも言えるようななので、殆ど書面になった史料限定でしらみつぶしに網羅していってますけど、同じ著者の「NYLON100%」の方は、オーラルヒストリー全開で、こっちも面白いです。「80年代東京渋谷ってこんな場所だったのかあ」と。 もう読み始めたら止まらない感じ。鉄ヲタが時刻表読み込んじゃうのってこんな感じなのかも・・・と思いながら、ルーペ使って図版拡大しながら読み込んでます。 ばるぼら「岡崎京子の研究」を読む。素晴らしい充実ぶり。岡崎京子の文献

    今日は搬入日 - 「工事現場」から
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    sphynx 2012/07/17
  • Ви́шневый сад? Вишнёвый сад? - 「工事現場」から

    チェーホフ「桜の園」の原題は、 「Ви́шневый сад」(ヴィーシニェーヴィ・サート)なのか、 「Вишнёвый сад」(ヴィシニョーヴィ・サート)なのか問題。 最終的にチェーホフは「Вишнёвый сад」だと言っていたとスタニスラフスキーは伝えている。 К. С. Станиславский в своих воспоминаниях об А. П. Чехове писал[1]: «Послушайте, я же нашел чудесное название для пьесы. Чудесное!» ― объявил он, смотря на меня в упор. «Какое?» ― заволновался я. «Ви́шневый сад», ― и он закатился радостным смехом. Я не понял причин

    Ви́шневый сад? Вишнёвый сад? - 「工事現場」から
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    sphynx 2012/07/08
  • ここは「桜の園」だ - 「工事現場」から

    ここは「桜の園」だ。 「ここ」とは、写真関係のことであり、現代美術業界のことであり、日のことだ。 ☆ チェーホフ「桜の園」のテーマは、「もうだめ」だ。何代も続いたサクランボ農場が行き詰まり、生産を停止して数十年、とうとう経営破綻した。農場は競売にかけられ、新興起業家が落札してリゾート開発されることになる。そのサクランボ農場最後の数ヶ月間を、旧農場関係者の側から描いた芝居なのだから、テーマは「もうだめ」だ。 「もうだめ」の中味には悲劇も悲惨も同情の余地もなく、「そりゃ倒産するわ」としか言いようがない衰亡期の惨状が語られている。だって、そもそも競売を競り勝った起業家は、農場経営者一族を救済しようとしてるんだよ? 「無駄に放置されている元農場地だが、交通至便で環境も申し分ないです。リゾート地として再開発すれば、やっていけます。ついては私が資金を提供します。それで何とか凌いでください。」と申し

    ここは「桜の園」だ - 「工事現場」から
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    sphynx 2012/07/08
  • なぜかニコ動 - 「工事現場」から

    なぜかニコ動にハマっている。 AKBより「残酷な天使のテーゼ」よりボーカロイドの曲の方がカラオケで歌われていると知ってかなりびっくり。聴いてみると確かに面白い。PVも簡単な動画なんだけど、いちいち面白い。なによりどれもこれもナンセンスソングなのが好き。添田唖蝉坊たちの演歌みたいな感じ。流しの演歌師の代わりが、ボーカロイドなのかもなあ、とかいろいろ。 「この辺がホットスポットなんだろう」と思いながらも、すべてから取り残さ打ち捨てられた体でグループ展に出す写真を弄くる。 時代からどんなに置いてきぼりを喰らおうとも未来が垣間見れるだけで多幸感に浸れるもんだ。 このまま死ぬのも悪くない。 マトリョシカ 千桜 結ンデ開イテ羅刹ト骸 裏表ラバーズ カゲロウデイズ 空想フォレスト

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    sphynx 2012/06/07
  • 卯月妙子「人間仮免中」、そして菊地直子 - 「工事現場」から

    卯月妙子「人間仮免中」読了。 これはすごいマンガだよなあ。 mixiの日記やらブログやらが途絶えた後の顛末。十数年振りの新作。三年がかりの製作だったようだ。 5月22日に初刷が出て、僕が持ってるのは6月1日発行の2刷だから、かなり出ている様子。 ☆ 山直樹が「実録企画モノ」の帯に「卯月さんのマンガは地獄の壁に一度タッチしてからもう一度こっちへ帰って来たくらいすごい」とか書いてたけど、この新作もそう。この人の凄いところは、一度向こう側へ行っちゃってからちゃんとこっち側へ帰ってくるところ。ぼろぼろになりながらも帰って来てる。 ☆ メインのストーリーからはハズレるけど、「とり藤」の大将が「お客さんに言ったことはないんだけど・・・」と告白するシーンで、鳥肌が立った。 ☆ 傑作。 ☆☆ 読んだ同じ日、「オウム菊地直子逮捕」のニュースがさかんに聞こえて来た。 神奈川県警大和署には3日午後10時15分

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    sphynx 2012/06/07
  • 原告Aの廃墟写真裁判 - 「工事現場」から

    丸田祥三の廃墟写真裁判、原審の方は、66頁もある。まるまるコピーはできない。 平成21年(ワ)第451号 損害賠償等請求事件。 判決 東京都町田市〈以下略〉 原告A 訴訟代理人弁護士 野間啓 同 小倉秀夫 東京都新宿区〈以下略〉 被告B 訴訟代理人弁護士 野間自子 同 伊東亜矢子 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 原告Aが丸田祥三。 被告Bが小林伸一郎。 判決文引用しつつ書いたら、やたらと長くなった。長々読むようなもんでもないのでまとめると、丸田祥三側の主張は、3点。 1) 自分は廃墟写真の先駆者であり、自分へのリスペクトなく廃墟写真を撮影すべきではない。 2)「廃墟写真」は独自ジャンルであり、他の写真とは根的に異なる。「廃墟写真」に於いては、「廃墟発掘」が第一義となる。 3) 2)の理由により、廃墟発見者以外が廃墟を撮影する場合は、発見者の利益

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    sphynx 2012/02/06
  • 坂口安吾のオジヤ - 「工事現場」から

    2006年04月07日03:12 坂口安吾と言えば、「無頼派」。身長180センチ余、戦後混乱期を生きた無頼の文士。身体が丈夫なので、大酒呑んで、ヒロポン打って、催眠薬飲んで、それでもびくともしなくって、書きまくって、むちゃくちゃやって、やっぱり無理が祟って、死んじゃった人。 なのだと思っていた。 なんか違うらしい。 ↓ 「暮らしの手帖(保存判)」所収の坂口安吾「わが工夫せるオジヤ」によると、子供の頃から胃が弱くて、酒を飲んでも飲み過ぎるとすぐ吐いてしまった。だから、自然と適量しか飲まなかったのだそうだ。 殆ど肉類もべなかったそうだし。なんかイメージと違う。 でもそんなものなのかも。 それでもウィスキーを飲むようになって、胃壁がただれて、胃から黒い血を吐いた。それ以来、オジヤしかべなくなったのだそうだ。 もっともこの文章は、喀血二ヶ月後に書かれたものだからその後もずっとそうだったのかは分

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    sphynx 2011/10/13
  • 「雑」へ - 「工事現場」から

    Twitterで偶然、絓秀実の「美から雑へ」という言葉に再会した。 95年頃、この言葉を根拠に写真に取り組んでいたことを思い出した。 結果、上手くいかなかった訳だが、しかし、どう考えても今更「美」へ戻る気にもなれないし、その時間もない。 残り九年。 「雑」でツッパるか。 ☆ 中沢忠之 @sz6 彼は小説を考える際に、詩形式(『詩的モダニティの舞台』90年)とエンターテイメント(『探偵のクリティック』88年)の間で考える。いわゆる美と雑(世俗)の両義性において近代の言語様式を考えると。それを理論的にまとめたのが『小説的強度』(90年)。書の1章は「美から雑へ」。 https://twitter.com/#!/sz6/status/106717231844573184

    「雑」へ - 「工事現場」から
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    sphynx 2011/08/27
  • マンスフィールド「人形の家」のジャムサンド - 「工事現場」から

    近所の友人宅へ遊びに行ったら、子供の玩具に、「人形の家」があった。 突如、マンスフィールドの「人形の家」を思い出した。 小学生の頃、読んだ。 ストーリーもなにも思い出せなかったが、貧乏な家の姉妹が、ジャムのシミがついた新聞紙の包みから苺ジャムのサンドウィッチを取り出してべるシーンを、はっきりと思い出した。 webで検索かけたら、原文が出て来た。 「シミがついた新聞紙」じゃなくて、「赤い固まりがへばりついた新聞紙に包んだジャムサンド」なんだ。 「苺ジャム」とはどこにも書いてないようだ。 The little girls sat under the pines eating their thick mutton sandwiches and big slabs of johnny cake spread with butter. While always, as near as they c

    マンスフィールド「人形の家」のジャムサンド - 「工事現場」から
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    sphynx 2011/07/27