このように、AIによる労働のオートメーション化は、効率的な生産やコストの削減などによる経済的な利益をもたらす可能性がある。また、技術の発展によって新たなビジネスチャンスも生まれることが期待されるだろう。 だが一方で、労働のオートメーション化による無視できない副作用も懸念されている。それは失業である。労働がAIに置き換えられるということは、端的にいえば人間(労働力)が不要になるということだ。AIは人間から雇用を奪い、「技術的失業」に追いやる。このような、AI技術の発展にともなうオートメーション化によって多くの仕事が不要になり大量失業が引き起こされる、という黙示録的な言説が近年盛んになってきている。このような言説を「オートメーション論」という。 「オートメーション論」の現在 アーロン・ベナナフの『オートメーションと労働の未来』は、いま挙げたようなオートメーション論に対する呵責なき批判の書である
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