「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞。今年は日本建築界の大重鎮、磯崎新に授与されると発表になった。日本人としては、丹下健三や槇文彦、安藤忠雄、妹島和世+西沢立衛、伊東豊雄、坂茂に続き、8人目の受賞者となる。 「磯崎氏は欧米文化が他を圧していた時代、広い見聞に基づく独自の建築を打ち出し、日本人として初めて本格的に海外進出を果たした。真に国際的な建築家である」 プリツカー賞を主宰するハイアット財団の代表で賞の創設者、トム・プリツカーは、こう述べている。 戦後の復興期であった1950年代、磯崎は東京大学の丹下健三研究室で学び、〈空中都市〉(1962)など、建築や都市も有機的に作られるべきだというアバンギャルドな「メタボリズム」のムーブメントに部分参加する。その後、世界各地での建築行脚や交流を通し、アバンギャルドを脱却する「建築の解体」を展開。技術より 「空間」を表現する建築を選択し、ポス