『変身』のグレーゴル・ザムザは虫になっても本人のままなのか。『罪と罰』のラスコーリニコフはなぜ老婆を殺して罪悪感を覚えたのか。自己同一性や道徳の起源など人類永遠のテーマについて著名な哲学者や思想家が答えを出してきた。それは現代自然科学からみたときどれくらい正しいのか。スウェーデンの新鋭が読み解く。
![ファルシッド・ジャラルヴァンド、久山葉子/訳 『サルと哲学者―哲学について進化学はどう答えるか―』 | 新潮社](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df1dbc2b7388d8a7aa06b189754855a20d6832d8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.shinchosha.co.jp%2Fimages_v2%2Fbook%2Fcover%2F507381%2F507381_xl.jpg)
『変身』のグレーゴル・ザムザは虫になっても本人のままなのか。『罪と罰』のラスコーリニコフはなぜ老婆を殺して罪悪感を覚えたのか。自己同一性や道徳の起源など人類永遠のテーマについて著名な哲学者や思想家が答えを出してきた。それは現代自然科学からみたときどれくらい正しいのか。スウェーデンの新鋭が読み解く。
書評あり 炭鉱と「日本の奇跡」 石炭の多面性を掘り直す 社会科学 中澤 秀雄(編著) / 嶋﨑 尚子(編著) A5判 216ページ 並製 定価 2400円+税 ISBN978-4-7872-3438-4 C0036 品切れ・重版未定 奥付の初版発行年月 2018年07月 書店発売日 2018年07月12日 登録日 2018年05月23日 紹介戦後日本を作り出した炭鉱の歴史と現在を、企業・自治・家族・女性・産業遺産などの視点から浮き彫りにし、グローバルに展開する世界の炭鉱とも比較して、炭鉱とそこに生きた人々の歴史的意義や炭鉱が秘める現在の可能性を明らかにする。 解説現在も世界のエネルギー源の約30%を占め、東日本大震災後の電力供給の30%を火力発電が支えるように、石炭はいまなお重要な資源であり続けている。 日本では高度経済成長という「日本の奇跡」と対比させて、「危険な重労働」「忘れ去るべき
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『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻伝説の虚実」』本当に「琥珀の中に閉じ込められた蠅」のようだったのか? 「世界三大○○」という見立てが日本人はなぜか大好きである。「料理」だったり「テノール」だったり、「〇〇」のバリエーションはいろいろだ。世界とまではいかないが、個人的に知っているところでは「芸能界三大悪妻」というネタもある。だがここでその名を明かすのはやめておこう。いま流行りの忖度というやつである。 世界三大〇〇にはもちろん「世界三大悪妻」もある。その三人とは、ソクラテスの妻クサンティッペと、トルストイの妻ソフィア、そしてもうひとりがモーツァルトの妻コンスタンツェだ。 『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻伝説の虚実」』は、世界三大悪妻とまで称されるモーツァルトの妻の実像に迫った一冊。伝説というものがいかに形成されていくか、そのプロセスが明らかにされていてきわめて面白い。 コンスタンツ
歴史というものは、常に勝者が作ってきたものである。勝てば官軍負ければ賊軍という言葉にある通り、戦いに勝った側が自身の正当性を主張するために、負けた側を貶めることがよくある。現在、日本で教えられている歴史も例外ではないのだろう。一般的には討幕を成し遂げ、明治政府を作り上げた薩長側から見た歴史(薩長史観)が学校では教えられている。 私もそのような歴史を習い、いままで何の疑問も持たずにそれを受け入れてきた。しかし歴史というものはもっと多角的な見方をしなくてはいけないものらしい。なぜなら見る側の視点によって、見えてくる世界が全く違ったものになるからだ。 少し話が脱線するが、「羅生門」という言葉がある。黒澤明の『羅生門』からきた言葉で、証言者によって意見が食い違う状況をいうそうだ。どうやら日本だけでなく世界で通じる言葉らしい。歴史というものもまさにその「羅生門」なんじゃないかとこの本を読んでいて思っ
どんなときでも冷静で、感情的になることはけっしてない――医師に対してそうしたイメージを抱いている人は少なくないだろう。だがもちろん、彼らも人の子であり、そうしたイメージそのままであるわけがない。ふだんはどんなに冷静な医師であっても、ときとして強力な感情に圧倒されてしまうことがあるはずだ。それならば、医師は現場で実際にどんな感情を抱いているのか。そして、そうした感情は医療行為にどのような影響を与えているのか。本書は、そんな問題に光を当てようとした、アメリカの現役医師によるルポルタージュである。 本書はまず「共感」の話から始まる。ここでいう共感とは、「他人の視点でものを見て、感じることのできる能力」、あるいはもっと限定的には、「患者の苦痛を認識し、理解すること」である。よく言われるように、医師は患者に対して「同情」する必要はないかもしれない。しかし、よりよい診断と治療を行おうというのであれば、
中古商品の性質上、折れや破れ、書込み、日焼け、水濡れ跡や若干の汚れなど、一部瑕疵のある商品であっても、お読みいただくのに支障がない状態であれば、販売をしております。また帯や商品内のクーポン券などをお付けできる保証はございません。なお、絵本などの一部書籍は表紙カバーがない状態でも販売している場合があります。シリアルコード、プロダクトコードの使用有無は保証しておりません。 中古商品の性質上、折れや破れ、書込み、日焼け、水濡れ跡や若干の汚れなど、一部瑕疵のある商品であっても、お読みいただくのに支障がない状態であれば、販売をしております。また帯や商品内のクーポン券などをお付けできる保証はございません。なお、絵本などの一部書籍は表紙カバーがない状態でも販売している場合があります。シリアルコード、プロダクトコードの使用有無は保証しておりません。 一部を表示
おおの・かずもと/1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。現在、医療問題から経済まで幅広い分野に関して世界中で取材を行う。『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)、『マイケル・ジャクソン死の真相』(双葉社)などの著書、『そして日本経済が世界の希望になる』(ポール・クルーグマン/PHP新書)などの訳書がある。 World Voiceプレミアム 海外のキーパーソンへのインタビュー連載。「週刊ダイヤモンド」で好評を博したWorld VoiceがWEBでバージョンアップ。過去誌面に登場したインタビューのノーカット版やWEBオリジナル版をアップしていきます。 バックナンバー一覧 中国の人口統計では、子どもの男女比に明らかなアンバランスが見られる。その背景にはいわゆる「一人っ子政策」があるとされる一方で、出生前に性別を判
介護は突然やってくる。昨日まで元気だった親が、突然転んでけがをして入院し、そのまま要介護になってしまうというようなことはよくある。そういう時に、子どもはどうすればいいのか。介護するために仕事を辞めなければならなくなる人は少なくなく、このような「介護離職」は総務省の数字によると年間10万人を超えているという。 本書は、介護離職の先にどのような事態が待ち受けているのかを克明にルポしながら、それを回避するためにはどうすればよいのかをきわめて実用的な視点で指南した1冊だ。著者は元全国紙記者のフリージャーナリストで、みずからも母親の介護で離職した経験を持つ。「貯金を使い果たし、私自身が『介護破産』の一歩手前まで行った」と自身が吐露するだけあって、全編にわたって当事者としての切実さにあふれている。 描かれている実例は深刻だ。福島県のスキーリゾートで働いていた52歳の男性調理師は、認知症の父を介護するた
【聞きたい。】詩人・金子みすゞは本当に聖女だったのか? 取材と精読で聖女伝説覆す 松本侑子さん 『みすゞと雅輔』 「切れば血の出るような生身の人間として描いてみたい。そう思って取材を始めました」 昭和5年、26歳で自死した詩人・金子みすゞは聖女のように語られてきた。みすゞの詩を愛しながらも通説に違和感を覚えた松本さんは、4年前から親族や関係者を訪ね始めた。その翌年、みすゞの実弟でよき理解者であった上山雅輔(がすけ)の70年分の日記と回想録が発見された。雅輔は古川ロッパ一座の脚本家で、戦後は劇団若草を創設した。 日記と回想録、さらに雅輔がみすゞに宛てた71通の手紙を徹底的に読み込み、同時代の詩人や批評家がどう評価していたかを知るため、みすゞが投稿した雑誌「童話」の全号を精読した。労をいとわぬ取材と資料の読み込みで浮かび上がったのは、大正デモクラシーという思潮の中で、上昇志向を持ち情熱的に詩作
明らかに運転できていないドライバーがいる。一時不停止、信号無視、蛇行運転(ハンドルをちゃんと握れてない? わき見?)。運転席を見ると100%高齢者だ。こうした光景は毎週見かける。なぜ毎週か? わたしがサンデードライバーだからだ。 いっぽう、 高齢者の交通事故がテレビや新聞をにぎわしている。認知症の高齢者が、歩行者をなぎ倒し、コンビニに突っ込むニュースはよくあるが、認知症に限らず、ほぼテンプレのように「アクセルとブレーキの踏み間違い」「高速道路を逆走」「何が起きたかよく覚えていない」というお決まりのパターンとなっている。 自動車の運転に必要なスキルとして、「認知」「判断」「操作」が挙げられる。加齢に伴い、こうした能力が低下することは事実だ。認知能力が低下することで判断が遅れ、操作が間に合わなくなる。このとき、車は1トンの凶器と化す。何歳でどの程度の能力低下があるかはバラつきがあり、一概に何歳
大阪の旧家で今日も起こる幸せな奇跡。本だらけの祖父母の家には禁忌があった。書物の位置を決して変えてはいけない。ある蒸し暑い夜、九歳の少年がその掟を破ると書物と書物がばさば… 本にだって雄と雌があります [著]小田雅久仁 本にも雄と雌がある。それが証拠に書架に本を並べておくと知らぬ間に繁殖しているではないか。「書物がナニして子供をこしらえる」のである。この件に合意する読書家は多いはず。実際、本は増える一方だ……と一定のリアリティーを感じつつニヤニヤ読める大法螺(ぼら)話。 相性のよい本が隣り合わせたがために生まれた「子」を「幻書」と呼ぶ。放っておくと鳥のように羽ばたいて飛び去ってしまうので蔵書印を押して鎮めなければならないのだが、それはボルネオ島に住む空飛ぶ白象の牙から作られたものだ。かの島には古今東西すべての本が所蔵される「生者は行けぬ叡知(えいち)の殿堂」幻想図書館があるという。 そのよ
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経済学から人類を定義した一冊。 人間の本質は、協力だ。しかし、その協力は脆弱な信頼の上に乗っかっている。引っ込み思案の殺人ザルからここまで文明を発展させた一万年は、たまたま上手くいった実験に過ぎない―――という主張を、進化生物学、人類学、心理学、社会学、歴史学を渉猟しつつ展開する。進化人類学から人類を定義したスゴ本『人類はどこから来てどこへ行くのか』(E.O.ウィルソン)をも包括した試みで、野心的で、大風呂敷で、節操ない一冊とも言える。 本書を面白くしているのは、人類が構築してきた社会システムをリバースエンジニアリングしているところ。お金から市場、都市や国家、財産権から戦争など、人類を人類たらしめる事象や制度を、動作原理まで遡及・分解した上で、その力の源泉を「協力と信頼」から再説明する。 たとえば、わたしが買うシャツは、わたしが知りもしない他人が作り、海を越え年を越えて届けられたものだ。ひ
芝居じみた仰々しいタイトルである。『死のテレビ実験』とはどんなホラ話が始まるかと思えばあにはからんや。看板に偽りのない内容に驚かされる。 本書の内容を一言で表せば「人はどこまでテレビの言いなりになるか」である。視聴者参加番組に応募してきた人の行動を観察するために、2009年にフランスで行われた実験の詳細な報告書でもある。 基礎になっているのは1960年代にアメリカのイェール大学で行われた社会心理学者スタンレー・ミルグラムが行った「〈権威〉から良心に反する命令を受けた時、個人はどれくらいの割合でそれに服従するのか」(通称・アイヒマン実験)という実験結果である。 この実験は、記憶力に関する実験と称した「科学実験」の権威の下、被験者が「先生役」となって問題を読み「生徒役」がこれに答えていく。回答を間違うと、先生は生徒に電気ショックを与える。生徒が間違うたびに電気ショックは強くなり、最終的には45
1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊 ダイヤモンド社は2013年5月1日に創立100年を迎えることになりました。雑誌を追う形で始まった書籍事業も、ビジネスジャンルを中心に刊行点数は1万点を優に超えています。 書籍は、その時々の経済環境や流行など世相を色濃く反映しているものが多数を占めますが、時代を超えて読み継いでもらいたい名著が、私達の書棚にはたくさん並んでいます。 本連載は100周年を記念し、普遍の名著と呼ばれる作品から、今だからこそ読みたい隠れた名作まで、有名無名織りまぜた100冊を紹介していきます。ダイヤモンド社が誇るベテラン執筆陣
ベリーショート更新シリーズ 定番の入門書として知られてる(らしい)OUPのvery short introductionシリーズがサイエンスパレットとして丸善から翻訳されておりますが、これはそんなかの「科学革命」を扱ったもの。 科学者と宗教家の闘争の時代というような19世紀に「発明」された古典的な科学革命観を支持している科学史家というのはもうほとんどいなくて、ニュートンなどの有名な自然哲学者の活動は基本的にキリスト教から推進力を得ていたとか、後期中世の知的発酵が14世紀の凶作やペストの中断のあとで再生したのだとか、そもそも科学革命などなかったよなんてカマす人も現れれば、単一の科学革命という考え方への回帰も起こったりして、ここ2,30年くらいの科学革命期の研究では新しい成果が積み重ねられているもよう。 本書は2011年に原書が出ただけあって、(訳者あとがきによれば)そんな最近の科学革命期の研
「ビジネス書大賞」で審査員特別賞を受賞した本です。個人的には1位でも良かったんじゃないかと思うようなドキドキの知的な宇宙旅行に連れていってもらっているような本だと思います。2016年に絶対に読んでおく本です。おススメします。 松尾豊著『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書) 作者: 松尾豊 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版 発売日: 2015/03/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (14件) を見る 『人工知能は人間を超えるか』内容紹介 いま、将棋やクイズ番組など「人工知能vs人間」の戦いがあちこちで起こっている。2014年の英オックスフォード大学の研究報告では、今後10年から20年ほどで、人工知能を含むITの進化の影響によって、米国の702の職業のうち約半
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