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ブックマーク / honz.jp (452)

  • 『酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅』「食」から人類の歩みを知る - HONZ

    原書のタイトルを直訳すると「過去を抜栓する」。酒と人類の壮大な物語を描いただから、いかにも香り立つようでおしゃれだ。翻訳タイトルは『酒の起源』。もちろん『種の起源』のオマージュだ。こちらも素敵。 版元の白楊社は2016年に『酒の科学』というを出版していた。こちらの原書タイトルは「プルーフ」。プルーフにはアルコール度数だけでなく、印刷前のゲラという意味もある。こちらもウィットに富んでいて楽しい。 酒をテーマに選ぶ研究者や編集者たちは、酒に酩酊効果だけではない、アートを感じ取っているからかもしれない。タイトルがおしゃれというだけでなく、文もグラスを片手にゆったりと読めるように工夫されている。書も例外ではなく、要所に図版や地図が使われていて、考古学者とともに世界を旅している気持ちになる。 『酒の起源』は中国、チグリス・ユーフラテス、中央アジア、地中海、新世界、アフリカという世界史に現れて

    『酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅』「食」から人類の歩みを知る - HONZ
  • あなたは「神」を信じますか? 『科学者はなぜ神を信じるのか』 - HONZ

    あなたは神を信じますか?こう訊ねられたらどう答えるだろう。日だと、神様は存在しないと思うけど神頼みはする、というのが多数派だろうか。こので問われるのは、我々が普段思い浮かべるようないたるところにいる神様ではない。キリスト教の神、創造主としての神である。 科学者のスタンスはどうだろう。『利己的な遺伝子』のリチャード・ドーキンスは『神は妄想である』という著書で、科学的合理性こそが重要で、宗教はそれに反するものであると痛烈に批判した。この、宗教的背景からか日ではあまり話題にならなかったが、世界中で百万部を越すベストセラーになった。もちろん賛否激論である。 一方、ヒトゲノム計画を率いた一流の生命科学者、米国・国立衛生研究所(NIH)所長のフランシス・コリンズは、無神論者の家庭に育ったが、後に敬虔なクリスチャンとなった。そして、科学的真理と信仰的真理は矛盾しないと確信し、『ゲノムと神;科学者

    あなたは「神」を信じますか? 『科学者はなぜ神を信じるのか』 - HONZ
  • 『お嬢さん放浪記』 - HONZ

    1948年秋、犬養道子さんはアメリカ・ボストンへ向けて羽田を飛び立った。当時、若い女性が一留学生として単身アメリカに渡るというのは、決してありふれたことではなかっただろう。そもそも女性の大学進学率がわずか2.3~2.4%、ましてや海外の大学に行くなど限られた人にしか叶わないことである。そんな時代に、犬養さんは旅立った。「お嬢さん育ち」の自覚はある。が、すべてのお嬢さんが行動を起こすわけでは無い。犬養さんは行動する「お嬢さん」だったのである。 アメリカ留学をへて、ヨーロッパへ渡り、1957年に帰国するまでの出来事を描いたのが書である。なにしろのっけから、まるで「お嬢さん」らしくないというか、じつに冒険心と好奇心に溢れるエピソードが繰り出されるのだから、当時の読者もさぞかし惹きつけられただろう。 初めの行き先はボストンだが、犬養さんの当の目的はヨーロッパだった。「ギリシャ・ローマの古典の遺

    『お嬢さん放浪記』 - HONZ
  • 『スモール・スタート あえて小さく始めよう』会社員のうちに始めよう - HONZ

    新しいことを始めたい、だけどなかなか始められない。そう思っている人のやらない理由を、一つずつ消していってくれる一冊だ。 著者の水代優さんは、日橋浜町にHama Houseというブックカフェを作ったり、最近では丸の内にMarunouchi Happ.stand&galleryというPOP UP GALLERYを作った人物だ。とはいっても、何をやっている人なのか一言で説明するのがなかなか難しい。当に先鋭的なアクションというのは言葉で説明されても理解しづらいが、その場を訪れ直接体験してみるとなるほどと思うことが多いものだ。 しかしそんな水代さんの第一歩も、出来上がったものからは想像できないくらい小さなことから始まった。書は、それを実現するための思考回路が余すところなく収められた一冊である。時代からくる必然性、動き出すことに対するリスクの勘案、続けるためのノウハウ等、読み手の「でもさ〜」とい

    『スモール・スタート あえて小さく始めよう』会社員のうちに始めよう - HONZ
  • 『人を襲うクマ』すべて自己責任、なのか? - HONZ

    大正4年に北海道の開拓集落で死者8人を出した、三毛別ヒグマ襲撃事故。昭和45年に大学生のワンゲル部員3人が亡くなった、日高山脈でのヒグマ事故。記憶に新しいところでは、昨年5月に秋田県鹿角市で起きた4件のツキノワグマによる死亡事故。人とクマとの軋轢、その歴史は長い。 だが、書でも「クマが人を襲う理由も、99%以上はクマが自分自身の安全を確保するための防御的攻撃である」と解説されているように、上記のようなケースは例外中の例外である。それでも毎年、クマによる人身事故は発生するし、それがネットニュースなどで流れるたびに、コメント欄には「被害者の自己責任論」が投稿される。 しかし、書を読了後も、すべての事故を「自己責任」と言えるだろうか――? 書は、上述の日高山脈での事故の詳細や、クマをよく知る猟師の話、実際に襲われた人たちへのインタビュー、専門家による解説を柱に展開される。「無知で無謀な行為

    『人を襲うクマ』すべて自己責任、なのか? - HONZ
  • 『直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録』Don’t think. Feel! - HONZ

    秋元雄史氏の『直島誕生』は、現代アートに関わる全ての人々にとって必読の書である。 直島を舞台に、日における現代アートがどう生まれ、どう育ってきたのか、そしてそれは世界のアートとどう繋がっているのか。その全貌が、直島プロジェクトの始まりから地中美術館の立ち上がりまで、15年間もの長きにわたってこのプロジェクトを率いてきた秋元氏自身の言葉によって語られている。 直島(なおしま)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3千人ほどの小さな島である。以前は銅精錬所と煙害で有名だったこの島は、現代アートの島として生まれ変わり、今では年間約 70万人もの観光客が押し寄せている。 現代アートファンの多い欧米の富裕層相手の旅行会社の多くは、日旅行の訪問先として京都とセットで直島を選んでおり、場合によっては、日旅行の目玉が直島そのものということもある。 このアートプロジェクトを中心になって推進するベネッセと福武財団は、

    『直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録』Don’t think. Feel! - HONZ
  • 『20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る』 - HONZ

    以前、HONZでも書評を書かせて頂いた(『宇沢弘文 傑作論文全ファイル』)、経済学者の故宇沢弘文氏の旧宅「宇沢国際学館」に夜ごと集まって、経済や医療や国際関係などの話をする不思議な会合がある。 書の著者の合田真氏とはその席で隣り合わせて、日植物燃料という会社を経営しているというから、今関わっているリゾート施設のバイオマス発電の話でもしようかなと思ったら、京都大学で冒険部にいたけど中退したとか、アフリカでバイオ燃料をやっているとか、終いにはモザンビークで新しい銀行システムを作っているとか、初めはかなり怪しげな話だなと思って聞いていた。 そもそも、アフリカで「電子マネー経済圏」を作るのに、「20億人」と言っている所からして何かおかしいと思った。と言うのも、アフリカの現在の人口は12億人しかいないからだ。 ところが、合田氏の話す内容が100%フィンテック絡みの話で、それが金融出身の私には、結

    『20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る』 - HONZ
  • 『知ってるつもり 無知の科学』 - HONZ

    世界レベルで近年の流行語大賞を選ぶとすれば、「フェイクニュース」が有力候補に入るのはまちがいない。アメリカのドナルド・トランプ大統領は自らに不都合なニュースをことごとくフェイクニュースと称しているが、来は虚偽の情報に基づいて作られたニュースを意味する。2016年のアメリカ大統領選挙の前には、「ローマ法王がトランプ候補への支持を表明した」「民主党のヒラリー ・クリントン候補は、テロ組織IS(自称イスラム国)に武器を売却した」といったフェイクニュースがソーシャルメディアなどを通じて拡散し、大統領選の帰趨に影響を与えたとされる。 「ポピュリズム」も候補入りしそうだ。「国民が苦しむのは移民のせい」「異教徒のせい」「自由貿易のせい」とわかりやすい敵をつくり、支持を獲得していく政治家や政党が、世界各地で台頭している。 なぜ人は薄っぺらな主張に流され、浅はかな判断をするのか。このきわめて今日的な問いに

    『知ってるつもり 無知の科学』 - HONZ
  • 『蜂と蟻に刺されてみた 「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』 - HONZ

    ハチやアリの毒針は、そのライフスタイルを映し出す鏡らしい。ひとくちにハチ・アリ類と言っても、じつに多彩で、みな独特の生き方をしている。しかし、その毒針の機能は、見事なくらいその生存戦略にぴったり合っているのだ。毒針の痛さとライフスタイルの、切っても切れない関係について語ったのが書である。 書の著者は、虫刺されの痛みのスケール(尺度)を作った功績で2015年にイグ・ノーベル賞を受賞した、ジャスティン・シュミット博士である。1947年生まれ。昆虫毒の化学的性質の専門家だ。2006年まで、米国農務省のカール・ヘイデン ミツバチ研究センターに勤務し、現在は、アリゾナ大学でハチ・アリ類やクモ形類の化学的および行動的防御機構の研究を行なっている。 シュミット博士によると、虫刺されという現象の基特性は2つ、痛みと、生体に対する毒性だという。そのうち、生体毒性のほうは数値化しやすいが、痛みは主観的な

    『蜂と蟻に刺されてみた 「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』 - HONZ
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2018/07/08
    図書館で見かければ。(でももうすぐパンピー入館不可だからorz)
  • 『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 - HONZ

    私は、1年のうち少なくとも3ヶ月は、海外で恐竜化石調査を行っている。主な調査地は、モンゴル・アラスカ・カナダ・中国、そして日である。2017年4月には、北海道むかわ町穂別から発見された日で最初の大型恐竜の全身骨格について、発表をした。全長8メートルのハドロサウルス科という恐竜で、全身の8割以上が揃っている、世紀の大発見だ。私の研究は、それだけではない。恐竜から鳥類への進化の過程についても研究をしている。爬虫類的な恐竜から、鳥型の恐竜へと進化していくそのプロセスに注目しているのだ。脳の進化、消化器官の進化、翼の進化など、「恐竜の鳥化」というものをキャリアのテーマとしている。私だけではなく、世界中の恐竜研究者の成果によって、最近では「鳥は恐竜である」ということが定着してきた。つまり、世界中の鳥類研究者は、“恐竜研究者”ということになる。 * 最初に『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』が出版され

    『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 - HONZ
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2018/07/06
    前著を読む前に、新著がorz
  • 現在、過去、未来……『AV女優、のち』 - HONZ

    晴れのち雨、雨のち晴れ。AV女優、のち――。AV女優の「のち」の後にはどんな言葉が似あうだろう?のちに続く言葉がポジティブなものであればいいなと、心から思う。このはタイトルが秀逸だ。「その後」ではなく「のち」。「AV女優、のち」言葉の響きがとてもいい。このタイトルに惹かれて、私はこのを手に取った。 「AV女優、のち」は、みひろ、笠木忍、麻美ゆま、愛奏(元・薫桜子)、長谷川瞳、泉麻耶、真咲南朋、7人の「元」AV女優が、現在、過去、未来について語ったである。彼女たちはみな2000年代にデビューをしている。著者曰く00年代はAV女優の意識が大きく変わった10年であり、最もパワーを持っていた10年だったそうだ。ちょうど00年代に20代だった自分も、彼女たちにはずいぶんとお世話になったものである。 みひろや、麻美ゆまはバラエティ番組に出演し、アイドルグループの恵比寿マスカッツとして活動していた

    現在、過去、未来……『AV女優、のち』 - HONZ
  • 『進歩 人類の未来が明るい10の理由』悲観に入れ込みすぎないように - HONZ

    ニュース番組を見て憂になる。新聞やインターネットの記事を読んでげんなりする。暗い内容ばかりだからだ。シリア情勢、温暖化、テロに凶悪犯罪、不況、所得格差、貧困、差別、少子化・高齢化、災害。マスメディアは脅威を報道するのが基だし、これらすべて顕在化している問題であるとはいえ、連日こうしたニュースを見ていると、そんなにメンタルの強くない筆者などはすぐ気が滅入ってしまう。ひどい時代に生まれてしまったものだと思わずにはおれない。 そうしていだかれた悲観論に一石を投じるのが、書だ。一言で説明すれば、人類がここ2世紀あまりで飛躍的に進歩し、死のリスクが大幅に低下したことをデータとともに示したである。著者はスウェーデン生まれの作家・歴史家で、グローバリズムと自由貿易の推進を訴え続けている人物だ。書について彼はこう述べる。 現代において、私たちは自分の生活を改善する自由を与えられ、それにより世界を

    『進歩 人類の未来が明るい10の理由』悲観に入れ込みすぎないように - HONZ
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2018/06/24
    図書館で見かければ。
  • 生物から生まれるイノベーション『生物模倣』 - HONZ

    冬木 糸一とのクロスレビュー 人が入れない環境下の作業にはロボットが使用されつつあるが、そこで注目されているのがヘビ型ロボットだ。東電福島第一原発の原子炉格納容器内部を検査するにあたってもヘビ型ロボットが活用された。瓦礫が散乱する原発事故の現場では、わずか十数センチのすき間に入り込み、内部の様子を偵察できるロボットが必要とされ、細長くしなやかな動きをするヘビに着想を得たロボットが脚光を浴びたのである。 このように、近年、生物に着想を得たテクノロジーが増えてきている。「生物模倣」(ビオミミクリーやバイオロジカリー・インスパイアード)と呼ばれる、現在注目集める新たな分野だ。 イカの皮膚機能に似た軍事迷彩服の開発、ナマコの硬軟接続を真似したインプラント開発、トカゲ型ロボットなど、奇抜なテクノロジー書では数多く紹介されている。私たち人類は自分たちがついつい動物界のピラミッドの頂点にいると思いが

    生物から生まれるイノベーション『生物模倣』 - HONZ
  • 『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! - HONZ

    『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ!編集部解説 ある日、ドアを開けると・・・ ある日、玄関の呼び鈴が鳴り、ドアを開けると警官が立っている。 「警察はあなたを監視しているので、気をつけるように」 そう告げられるが、これまで犯罪をおかしたことなどない。だが、ビッグデータを活用した「犯罪予測システム」によって、要注意人物として指定されたという。ソーシャルネットワーク解析によって、知り合いに犯罪者のいたことが、その理由の一端らしい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 求職中のあなたは、就職したい企業に応募するが、どこからも断られてしまう。学業は優秀だし、採用されるとばかり思っていたので、たいへんなショックだ。原因はどうやら「適性検査」プログラムで、メンタル面に問題ありと診断されたことらしい。普及している電子審査のため、どこを受けても同

    『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! - HONZ
  • 『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人・サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! 番外編 - HONZ

    さて、4回にわたってお送りした連載(①シャークジャーナリストは、死を覚悟した! ②サメのふしぎと、謎とロマンの古代ザメ ③サメは安全?サメはおいしい? ④インドネシアで危機一髪!?……ガチで「ほぼ命がけ」)。いかがでしたか? 最後に番外編として、沼口さんのサメイベントに参加してきたレポートと、取材直後におこったシャーク・セレンディピティ体験、そして沼口さんのオススメを紹介します。 番外編も、よろシャーク!! サメとの出会いは興味フカい! サメイベントに参加してみた 沼口さんは、サメのトークイベントやワークショップなどでも活躍されています。取材の直前、天狼院書店池袋駅前店さんでもサメのイベントが行われると聞き、参加してきました。 集まったのは老若男女、13人ほど。今回のテーマは「サメの歯で遊ぼう」。沼口さんを中心に、サメの歯の実物を使って工作したり、サメについて語り合ったりします。

    『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人・サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! 番外編 - HONZ
  • 『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻伝説の虚実」』本当に「琥珀の中に閉じ込められた蠅」のようだったのか? - HONZ

    『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪伝説の虚実」』当に「琥珀の中に閉じ込められた蠅」のようだったのか? 「世界三大○○」という見立てが日人はなぜか大好きである。「料理」だったり「テノール」だったり、「〇〇」のバリエーションはいろいろだ。世界とまではいかないが、個人的に知っているところでは「芸能界三大悪」というネタもある。だがここでその名を明かすのはやめておこう。いま流行りの忖度というやつである。 世界三大〇〇にはもちろん「世界三大悪」もある。その三人とは、ソクラテスのクサンティッペと、トルストイのソフィア、そしてもうひとりがモーツァルトのコンスタンツェだ。 『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪伝説の虚実」』は、世界三大悪とまで称されるモーツァルトのの実像に迫った一冊。伝説というものがいかに形成されていくか、そのプロセスが明らかにされていてきわめて面白い。 コンスタンツ

    『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻伝説の虚実」』本当に「琥珀の中に閉じ込められた蠅」のようだったのか? - HONZ
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2018/06/13
    そのうち読みたい。
  • 『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』 比べることで歴史の”なぜ”に答えを出す - HONZ

    歴史に“もし”はない。もし奴隷制がなければアフリカはもっと経済発展を遂げただろうか、もしイギリス統治がなければインドの識字率はもっと高くなっていただろうか、もしフランスではなくスペインに支配されていればハイチはドミニカよりも豊かになっていただろうか。想像力豊かに刺激的な虚構のストーリーを作り上げることはできても、時計の針を巻き戻し、ありえたかもしれない結末を知ることはできない。物理学者が気温などのあらゆる環境をコントロールしながら特定の条件だけを少しずつ変化させて行う実験のように、歴史を繰り返すことはできないのだから。 歴史だけでなく進化生物学や地史学のように過去を扱う分野では、因果関係を明らかにするための最も強力な手法である実験を、用いることができないのだろうか。そうではないと書の編著者であるジャレド・ダイアモンドとジェイムズ・A・ロビンソンは説く。歴史関連の学問においては、自然実験と

    『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』 比べることで歴史の”なぜ”に答えを出す - HONZ
  • 『一発屋芸人列伝』大きく勝って、大きく負けた山田ルイ53世が、負けの中に見出した勝機 - HONZ

    その日、電車に揺られながら、ぼくは迷っていた。これから会う相手にどんなスタンスで話を訊けばいいのか悩んでいたのだ。待ち合わせ場所は新宿小田急百貨店。この中にある書店で、山田ルイ53世の『一発屋芸人列伝』の発売を記念したトークショーが予定されていた。 『新潮45』連載時に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞した書は、発売前から重版がかかるほど評判が高く、すでにいくつかの著者インタビューも世に出ていた。その中には現代ビジネスに掲載された石戸諭さんによる素晴らしいインタビュー記事などもあって、いまさら屋上屋を架しても……という思いがあった。 さらに個人的な事情もあった。実は山田ルイ53世は、ぼくが勤めるラジオ局で番組を持っている。ただしそれは地上波ではない。ポッドキャストでの配信番組である。 正確に言えば、かつては地上波でワイド番組を持っていたものの、打ち切りの憂き目にあい、いまはポッド

    『一発屋芸人列伝』大きく勝って、大きく負けた山田ルイ53世が、負けの中に見出した勝機 - HONZ
  • 『とんでもない死に方の科学 もし○○したら、あなたはこう死ぬ』 - HONZ

    「スティーヴン・キングとスティーヴン・ホーキングを足して2で割ったような」(「はじめに」より)とはよくいったものである。前者は有名なホラー作家。後者はいわずと知れた天才理論物理学者だ。そのふたりが合体するにふさわしく、書のテーマはずばり「死に方の科学」。ここには45通りの死のシナリオが取りあげられている。今日にも起きそうな筋書きもあれば、今生では巡りあいそうにない設定もある。それぞれについてあなたが具体的にどのように死ぬかを描きながら、様々な科学知識を提供しようというのがこのの狙いだ。 「身近な現象を科学で説きあかす」はけっして珍しくない。ただ書の場合、その「身近な現象」が「死」である。私たちはひとり残らずあの世に行くわけだから、考えようによってはこれほど「身近な」話題はないだろう。もっとも人間である以上、心臓が止まって脳死を迎えるという、最後の最後のところにそうそう違いがあるわ

    『とんでもない死に方の科学 もし○○したら、あなたはこう死ぬ』 - HONZ
  • 『「軍用地投資」入門』いろんな意味で掟破りな一冊 - HONZ

    ノンフィクションは一期一会、出会った時が買い時だ。いつか買おうなどと思っていても、きっと「いつか」は来ない。仮に来たとしても、既に書店には置いていなかったり、下手すると絶版になっていることもある。書はワケありなケースであるものの、今となっては入手することの困難な一冊である。 オビの「掟破りの不動産投資法」という文言が眩しいが、色々な意味で掟破りだ。沖縄島の県土の約8%とも言われる軍用地。これが投資家たちの手によって「金融商品」さながらに売買されているというのだ。この衝撃の実態を指南という形から伺い知ることが出来るのが、書『お金持ちはこっそり始めている 当は教えたくない!「軍用地投資」入門』だ。 軍用地とは、沖縄の米軍基地や自衛隊基地内の土地のことを指す。その約2/3は個人や、県、市町村の土地を国が借りる形になっている。一般的に不動産投資ではマンションなどを購入し、部屋を貸し出すこ

    『「軍用地投資」入門』いろんな意味で掟破りな一冊 - HONZ