本連載は、昨年まで米ビジネススクールで助教授をしていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。 さて、最近は以前にも増して、日本中で起業への関心が高まっています。今年6月に発表された安倍政権の「骨太の方針2014」でも、日本を「起業大国」にすることがうたわれました。実際、最近は会社勤めの方々の中に、将来の目標として「今いる会社を辞めて起業」を意識される方が多く出てきています。 他方で、起業に関心はあっても、及び腰の方も多いのではないでしょうか。起業はリスクが高いですから、会社勤めで安定収入を得ている方には勇気のいることでしょう。実は、最近の経営学では、この起業リスクの軽減となる考え方が注目されつつあります。 それを、ハイブリッド・アントレプレナーシップ(Hybrid Entrepreneurship)と言います。本稿では「ハイブリッド起業」と呼ぶことにしましょう。 ハイブリッド起業家